日本最高峰のレースカテゴリーであるスーパーGTは、次世代に向けて車両のコンセプトなど様々な点を思案している。そんな中、シリーズが近い将来大きな転換点を迎えるという噂が入ってきている。それがタイヤのワンメイク化だ。
スーパーGTではこれまで、複数メーカーによるタイヤ開発競争が行なわれてきた。今ではタイヤがマルチメイクとなっているカテゴリーは世界的にも珍しく、スーパーGTの大きな特色のひとつである。現在ではブリヂストン、横浜ゴム、住友ゴム(ダンロップ)、ミシュラン(GT300クラス)の4メーカーが参画している。
しかしながら、スーパーGTは2027年シーズンより両クラスともタイヤワンメイクになるかもしれない……そんな情報が入ってきたのは今年夏頃。その頃は議論がまとまっていないというような話もあったが、秋口に入ってからはワンメイク化の方向で状況が進展しているという声も聞こえてきていた。
ワンメイク化の理由としては、各チーム……特にGT300クラスのエントラントにおけるタイヤ代の負担が大きい、という点がひとつあるようだ。スーパーGTのプロモーターであるGTアソシエイション(GTA)としても、近年は環境対策も兼ねてレースウィークのタイヤ持ち込みセット数を減らすという施策を打っているが、タイヤメーカーがその舞台裏で無数のスペックを開発しているという事情からも、マルチメイクの環境下ではコストを大幅に抑えるのは難しいようだ。
もちろん、F1のように予算制限を設けて一定のコストで開発競争を行なうというアイデアもあるが、各チームの運営を監視・管理する体制を構築するのは容易ではないだろう。
GT300のエントラントからは、様々な規定のマシン、様々な車種が入り乱れる同クラスにおいて、ワンメイクタイヤで競争上の公平さを担保するのはマルチメイク以上に難しいのではとする懸念の声もあったが、より持続可能なシリーズに近付くという点で好意的な声も多い様子だ。
具体的に各クラスの供給メーカーがどこになるのかについては、まだ確定していない模様。今後入札等を経てメーカーが正式決定されていくようだ。
なお、プロモーターのGTAはこの件についてノーコメントとしている。

