
この画像は、渦巻銀河M51(NGC 5194)の渦状腕の一部をジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のNIRCam(近赤外線カメラ)でとらえたものです。M51は、りょうけん座の方向、地球から約2700万光年の距離にあります。小さい銀河を伴っていることから「子持ち銀河」とも呼ばれる銀河です。
赤やオレンジ色は電離ガスや塵粒子、またPAH(多環芳香族炭化水素)のような複雑な分子から放出される赤外線です。その赤やオレンジの部分の中には星形成ガスのかたまりも含まれています。数十光年から数百光年に及ぶそれらのガス複合体の中には、形成されたばかりの高密度できわめて明るい大質量星の星団が存在しています。

こちらの画像の右下の枠内は、星形成複合体の一つのクローズアップです。直径は800光年ほど。雲の中に見られる明るい点の多くは星団です。大質量の若い星の強烈な紫外線が、周囲のガス雲をシアン色に輝かせています。最終的には紫外線や恒星風、また短命の大質量星の超新星爆発などによってガス雲がなくなり、この領域での星形成は終了します。
「まゆ」から姿を現すまでの時間は星団の質量により異なる
新しい星々(星団)は、宇宙に漂う巨大なガスや塵の雲の中で形成されます。生まれたばかりの星団は、自分たちを作る材料となった厚いガスのまゆに包まれています。最新の研究により、そのような星団がまゆから姿を現すまでの時間は、星団の質量によることが明らかになりました。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡を使い、近傍にある四つの銀河で約9000個もの若い星団を調査した結果、質量の大きな星団は約500万年、質量の小さな星団は700万〜800万年かけて周囲のガスを吹き飛ばして姿を現すことがわかりました。大質量の星団の方が早く姿を現すのは、そのような星団に含まれる非常に明るく高温の星たちが放つ強烈な紫外線や恒星風が、周囲のガスを効率よく吹き飛ばしてしまうためです。
今回の成果は、地球のような惑星が誕生する仕組みにも関係します。ガスが早く散逸してなくなってしまう大質量の星団の環境では、惑星の材料となるガスや塵も早く失われるため、惑星が成長できる時間が制限されてしまう可能性があるのです。
(参考)
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえた子持ち銀河M51
ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた子持ち銀河M51
Image Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, A. Pedrini, A. Adamo (Stockholm University) and the FEAST JWST team
(参照)ESA/Webb

