
「スター・ウォーズ」シリーズ最新作「スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー」が5月22日(金)に日米同時公開されるのを記念して、日本伝統工芸とコラボした作品が完成し特別映像も公開された。
■日本文化に強い影響を受けて作られた「スター・ウォーズ」
2019年の「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」以来、7年ぶりに映画館に帰ってくる「スター・ウォーズ」は、創造主ジョージ・ルーカスが日本文化に強い影響を受けて作り上げた。
このたび、最新作公開を記念して、全国7都市で受け継がれてきた日本の伝統工芸と本作が特別にタッグが実現。精鋭の匠たちによる7つの特別な伝統工芸品が完成し、北から南まで日本中を繋ぐ“我らの道”特別映像が公開された。
■「スター・ウォーズ」の至る所に日本文化が色濃く反映
ジョージ・ルーカスは、多くの日本文化や黒澤明監督映画「隠し砦の三悪人」や「七人の侍」などの時代劇から多大な影響を受け「スター・ウォーズ」を創造した。日本の鎧兜はダース・ベイダーのマスク、刀はライトセーバー、着物や帯はジェダイのローブなどのデザインに取り入れられるなど、「スター・ウォーズ」の至る所に日本文化が色濃く反映されている。
そして本作を手掛けたジョン・ファヴロー監督は、10歳の時に初めて映画館で「スター・ウォーズ/新たなる希望(エピソード4)」を観て人生が大きく変わり、本作を制作するにあたりルーカスが影響を受けた日本の文化や時代劇を研究。「子連れ狼」の父と子である拝一刀と息子・大五郎の関係を参考にマンダロリアンとグローグーの親子の絆を描いた。
■全国7都市で受け継がれる日本の伝統文化との特別なタッグが実現
そんな日本文化と深い繋がりがある本作だからこそ、全国7都市で受け継がれる日本の伝統文化と特別なタッグが実現した。まず一つ目は、宮城県の古来の技法と素材を使って生まれた陶磁器「台ヶ森焼」。伝説の賞金稼ぎマンダロリアンの肩の上にちょこんと小さなグローグーが乗っている姿が再現されている。
二つ目は静岡県の基幹産業である「お茶」の製造工程で廃棄される部分を使った「お茶染め」。日本らしい模様の中、マンダロリアンがグローグーを抱き銀河を飛び回る姿が描かれている。
三つ目は、漆の深みのある黒に沈金(漆に彫りを入れて金箔や金粉を埋め込む技術)を使った石川県の「輪島塗」。マンダロリアンが身に着けているマスクに、日本に限らず世界一の大ヒットを願い日本のシンボルである富士山が金色で描かれている。
四つ目は、神事、仏事や店などのかざりにも使われる京都府の「京和傘」。漢字で描かれた名前「萬茶路利庵」と共に威風堂々と立つマンダロリアン、そして漢字の名前「具浪寓」と共に今にもフォースを使い出しそうなグローグーの姿が傘の柄として描かれている。
五つ目は、江戸時代から続く「人形浄瑠璃文楽」で使用される大阪府の「文楽人形」。職人が丁寧に木を彫って制作し、可愛さもありつつ凛としたグローグーの人形が完成した。
■“我らの道”を貫く日本伝統工芸と「スター・ウォーズ」
六つ目は、広島県廿日市市で生まれ100年以上の歴史がある「けん玉」。巨大なけん玉の全身でマンダロリアンを表現し、玉の部分は銀色のマンダロリアンのマスクが描かれている。
そして七つ目は、約400年の歴史を持つ、いぶし銀の光沢と高い耐久性が特徴の福岡県の「城島鬼瓦」。職人が丁寧に手作業で形を作り、親子の絆で結ばれているマンダロリアンとグローグーの銀色の鬼瓦となっている。
どんな仕事も完璧に遂行する伝説の賞金稼ぎマンダロリアンの生き様を象徴する合言葉“我らの道”。そして、日本の各地で受け継がれてきた伝統工芸の「道」。
両者とも、大切なものを“護る”、決められた“掟”を守る、技を“継承”するという精神が共通し、マンダロリアンとグローグーの親子のような「絆」と、日本で受け継がれてきた文化や人々の「絆」も重なっている。
決して人前ではマスクを脱がない掟と大切な仲間は必ず守り抜くマンダロリアンと、受け継がれる型を崩さず、技と文化を仲間とともに守り続ける日本の職人たち。決められた掟を守りながら与えられた役目を未来に残す“我らの道”を貫く両者の想いが重なり、日本各地の伝統工芸と「スター・ウォーズ」という伝統と深みのあるタッグとなった。
■宮城県「台ヶ森焼」制作者:七ツ森陶芸体験館・安部元博氏
――伝統工芸で大事にしていることは何ですか。
師であり、父である初代窯元は、茶の湯の精神である「侘」と、格調高い「雅」を作陶の理念として確立しました。二代目としてその精神を受け継ぎながら、新たに時間の積み重ねがもたらす静かな美、すなわち「寂」の思想を加え、創作の根幹としています。
――今回の作品に込めた想いを教えてください。
“マンダロリアンが賞金稼ぎの過程でグローグーと出会ったこと”はある意味アクシデントとも言えますが、台ヶ森焼の独自技法である莫迦焼締も東日本大震災というアクシデントから生まれた技法です。本作の壮大なストーリーの中でも、私たちの生活であっても、起こってしまった出来事をいかに良い方向に向かわせていくかという意識から生まれるものがあると今回の制作を通じて改めて感じました。
■静岡県「お茶染め」制作者:駿府の工房 匠宿 染工房長/お茶染め Washizu.代表・鷲巣恭一郎氏
――伝統工芸で大事にしていることは何ですか。
ものづくりで大切にしているのは、技術だけでなく「どう生きるか」という価値観ごと弟子に受け継ぐことだ。対話を重ねながら一人前として送り出し、文化をつないでいく―それが私にとっての「道」だ。スター・ウォーズシリーズもまた、登場人物それぞれの背景や葛藤、正義や絆を描いている。
――今回の作品に込めた想いを教えてください。
お茶染めは、純粋な染料と違い色素以外の雑味が多く含まれる。分子の世界で互いに打ち消し合い、結び合うことで色に奥行きが生まれる。今回はその奥行きや関係性を、マンドーとグローグーの絆と重ねながら表現した。染めながら寸胴鍋の黒い染液を眺め、もしこの中であの壮大な物語が展開しているのだとしたら…そんなロマンを感じながら楽しんで制作した。
■石川県「輪島塗」制作者:芝山佳範氏
――伝統工芸で大事にしていることは何ですか。
輪島塗沈金師として、伝統技術を護る事を律して作品の制作を行って参りましたが、一昨年の震災を機に自身の在り方を見つめ直す事となりました。それまでは、塗師が丹精込めて仕上げた漆の塗膜を損なう事無く、携わった人達への感謝とお渡しする方への想いを込める事を決めごととし、沈金鑿で描き彫り、絵柄を金粉で浮かび上がらせておりました。今はそれだけではなく、伝統を絶やさず未来へ紡ぐ温故知新の精神が、我が“道”です。
――今回の作品に込めた想いを教えてください。
この作品をテーマに何を制作するかと考えたときに、マンダロリアンのシンボルであるヘルメットに模様をつけることに着目しました。日本といえば富士山ですし、映画が日本一のヒットを記録して欲しいという願いも込めて、富士山の絵柄を入れました。輪島塗はお椀などが多いですが、このようなヘルメットに描くことで世界に輪島塗を知ってもらえる良いきっかけになるのではないかと思っています。
■京都府「京和傘」制作者:京都和傘屋辻倉・辻野憲昭氏
――伝統工芸で大事にしていることは何ですか。
和紙、竹、木、糸それぞれの自然素材を活かし古来より受け継がれてきた伝統の技法で一本一本丁寧に製作を行っています。素材の選定から製造工程に至るまで、先人たちが築き上げてきた技と心を守り続けています。時代が変わってもこの基本を崩さず丁寧に作り続けることこそが変わらぬ価値と美しさを生み出す私たちの流儀と思っています。
――今回の作品に込めた想いを教えてください。
和傘はかつて“大切な人を護るため”の守護具でした。マンダロリアンがグローグーを護る姿を和傘で表現できると思い製作しました。また二人の姿を大小のサイズ差で表現し常に寄り添い互いを感じながら進む姿を重ねています。離れることのない距離感と静かな絆を和傘として仕立てました。
■大阪府「文楽人形」制作者:製作 国立文楽劇場技術室、人形拵え 五代目・吉田玉助
――伝統工芸で大事にしていることは何ですか。
江戸時代から続く「人形浄瑠璃文楽」のかしらは、現在もほぼ変わらぬ材料や工法で製作されています。かしら作りで心がけているのは「100%やりきらない」という師匠の教えです。かしらは人形遣いが構えて初めて魂が宿るものですが、作り手が自らの魂を込めすぎると人形遣いの妨げになるため、余白を持たせて遣い易さを重視しています。作家ではなく職人であることを大切にしています。(かしら製作者)
――今回の作品に込めた想いを教えてください。
STAR WARSを初めて観たのはテレビ放送(ep.4)。プラモデル作りが好きで、中学生の頃から模型雑誌でもSW特集が組まれるようになり、映画と共にファンになりました。特に旧3部作(ep.4~6)が好きで、「マンダロリアン」はその世界観が続いていてとても楽しんでいたので、今回の企画の話を伺った時、是非やらせて欲しいと即答しました。自分の本職を通じてSWに関われたことを大変嬉しく思います。(かしら製作者)
■広島県「けん玉」制作者:有限会社田畠塗装・重丸貴広氏
――伝統工芸で大事にしていることは何ですか。
立体的で重厚な質感のマンダロリアンのマスクを、広島県廿日市市で生まれ100年以上の歴史がある「けん玉」の球体に落とし込む色付けを凄く拘りました。下地の調整を丁寧に行い、光が当たらない場所でも凹凸の印影を表現して、格好良くリアルに見えるように心掛けました。また、調色後グラデーションになるように層を重ね、ベスカーの光沢に近づけるよう意識しました。
――今回の作品に込めた想いを教えてください。
本作の制作が発表され、映画館で観られることを楽しみにしていましたが、まさか自分が関連した仕事に関われるとは思ってもいなかったので驚きました。子供のころから長年ファンである「スター・ウォーズ」に関連した仕事ができることは何かの縁を感じますし、感慨深いと思いました。
■福岡県「城島鬼瓦」制作者:渋田瓦工場・市川卓司氏
――伝統工芸で大事にしていることは何ですか。
戦士集団マンダロリアンに掟があるように、瓦作りにもいくつか掟(お約束)があります。水分量や乾燥時の注意点、強度や乾燥のための構造などです。師から学び、自身で失敗と成功を繰り返しながら繋いできた伝統の技と掟。これを守りながら、一つ一つの瓦を丁寧に作り上げ、時には新たなものを制作し、瓦の文化を繋ぎ守り続けることを大切にしています。
――今回の作品に込めた想いを教えてください。
素顔が見えないマンダロリアンに対し、グローグーの瞳は、本作の中でも一番注力しました。マンダロリアンとの絆はもちろん、グローグーの可愛いだけではなくフォースを秘めた強さを表現。過去のSWの楽曲を聴きながら、焼きあがった瓦のマンダロリアンがベスカーのように輝く姿をイメージし、ワクワクしながら制作しました。
■「スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー」ストーリー
本作の舞台は「スター・ウォーズ/ジェダイの帰還(エピソード6)」の後。ダース・ベイダーの死後、帝国は崩壊し銀河に平和は訪れるはずだったのだが、新共和国の統治は銀河の隅々まで手が届かず、分散した帝国軍の残党や無法者がのさばり混沌としていた。
“我らの道”を合言葉に厳しい掟に従いながら、どんな仕事も完璧に遂行する伝説の賞金稼ぎマンダロリアン。そして、強大なフォースの力を秘めた、いたずら好きで食いしん坊なグローグー。「あいつは俺より長生きする。永遠には守れない」。父子を超えた固い絆で結ばれた二人が、帝国の復活を狙う新たな戦争を防ぐための依頼を新共和国から受け、驚くべき運命に立ち向かう。
2027年は劇場公開第一作目「スター・ウォーズ/新たなる希望(エピソード4)」の全米公開から50周年を迎える記念すべき節目の年。2026年5月には「スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー」が映画館に帰ってきて、2027年5月にはライアン・ゴズリング主演の映画「スター・ウォーズ/スターファイター(原題)」が全米公開されることが決定している。
なお同シリーズは、全9エピソードはもちろん、その壮大なサーガから繋がる数々の物語を描くアニメーション作品やオリジナルドラマシリーズがディズニープラスにて配信中。

