横浜DeNAベイスターズの島田舜也が5月13日の中日戦でプロ初勝利を挙げるとともに、「イマキュレートイニング達成」というセ・リーグ新人では初の快挙を成し遂げた。イマキュレートイニングとは、1イニングで3人の打者を全て3球三振に仕留めることだ。
快挙が達成されたのは5イニング目。
「勝利投手の権利がかかるイニングだったので、島田自身もギアを上げたと話していました」(スポーツ紙記者)
達成したのは島田だが、捕手・松尾汐恩とDeNA捕手陣の記録でもある。
「アレからベンチの雰囲気が変わりました」
そんな証言が複数、聞かれたのだ。
「アレ」とは正捕手・山本祐大の電撃トレードのこと。前日12日、福岡ソフトバンクホークスとの間で、1対2の交換トレードが成立し、DeNAナインは正捕手のシーズン中の放出に驚いていた。
「山本は5月12日に先発した東克樹と、最優秀バッテリー賞に選ばれています」(前出・スポーツ紙記者)
山本に代わってスタメンマスクを被ったのが松尾だ。東は6回無失点、島田とは「イマキュレートイニング」達成しているので、松尾のリードには合格点をつけられるが、それだけではなかった。
「13日の試合中、ベンチスタートとなった戸柱恭孝も島田の隣に座るなどし、アドバイスを送っていました」(球団関係者)
松尾も1球ごとにマウンドの島田に声をかけ、3番手の九鬼隆平もコーチと松尾の間を行き来していた。山本がいなくなり「なんとかしなければ」の思いがDeNA全体に芽生えたのだろう。
敗れた中日は明るい井上監督が「ブルー」に変貌
「松尾は打撃力があり、内野コンバートの話が何度も出ました。大阪桐蔭高校時代、『遊撃手兼投手』から捕手に転向した経緯は有名ですが、山本が先に最優秀バッテリー賞のタイトルを獲ったので、2番手捕手の扱いでした」(前出・スポーツ紙記者)
試合中、戸柱、九鬼は代打出場の準備もしなければならない。それは怠ってはいないが、山本放出後のDeNA捕手陣は総出で投手陣を盛り立てている。明らかにチームの雰囲気が変わったのだ。
「変わった」といえば、対戦チームの中日も同じ。明るいイメージの井上一樹監督が「ブルー」になった。開幕当初はベンチから乗り出すようにして声を張り上げていたが、最近は座って腕組みをしたままだ。
この日の敗戦で、今季の3連敗以上は早くも6度目に。ベンチの雰囲気を含め、これだけ明暗がクッキリ分かれた試合は珍しい。
(飯山満/スポーツライター)

