巨人は5月13日の福井での広島戦で延長12回、坂本勇人がサヨナラアーチを放ち、劇的な勝利を得た。前日も佐々木俊輔のサヨナラ弾が飛び出して、勢いに乗る勝ち方をしている。
一方で気になるのは、巨人の主催試合にいわゆる「ドサ回り」が多いことだ。
今年は4月21日の長野を皮切りに、22日が群馬、5月12日が岐阜、13日に福井。今後は6月30日に青森・弘前、7月1日に岩手・盛岡、9月1日と2日に京セラドーム大阪が予定されている。京セラドームは3万6000人ほどを収容できるが、ほかはいずれも1万人台後半から2万人程度。
スポーツ中継関係者が内情を明かす。
「近年は地元テレビ局やイベンターの買い切り興行が激減しており、巨人の場合は読売新聞と球団の共催で地方開催をしている。敵チームの移動費なども負担するので、実質的に赤字の状況だと思います」
阪神の地方開催は倉敷での1試合だけ
ライバル球団の阪神は開幕戦と8月の高校野球シーズンの主催試合を京セラドーム大阪で行うが、地方開催は岡山・倉敷での1試合だけ。巨人の多さが目立つのだ。それでもやり続ける理由は、まだ「巨人ブランド」が生きているからだという。
「かつては『田舎では巨人戦しか地上波中継を見られない』という事情から、G党が多かった。令和になって配信中継全盛となり、セ・パ両球団がスマートフォンで観戦できる時代になりました。それでも巨人が地方開催するのは昭和、平成の良き時代に支えてくれた地方のタニマチの残党がいるから。あるいは東京ドームではチケットがなかなか捌けないヤクルト、DeNA戦などを外にもっていった方が、野球振興として地域貢献を考えた場合、合理的であるという点ですね」
地方では年に一度、プロ野球を見られるかどうかの貴重な機会。そんな場所でスター選手がサヨナラ弾を放ったのは、この上ないファンサービスだったということになる。

