Teton Gravity Research(TGR)の作品を見ても、全員うまいのに妙に印象に残らない。
そんな感覚を持ったことがあるなら、Nick McNuttはその例外だったはずだ。McNuttの魅力は、単にバックカントリーをどんなラインで滑るかではなく、ビッグマウンテンにパークの遊び方を持ち込むことにある。深雪でのスイッチランディングに強い美学があるのも、その延長と言っていい。
いっぽうJake Carneyは、コンペティションのリザルトで語られるライダーではない。それでもコアな層から強く支持されるのは、トリックの派手さよりも、力みのなさや異様なクリーンランディングに、滑走そのものの妙な気持ちよさがあるからだ。Whistlerのパブリックパークのように、極端に特別ではないアイテムでも“誰かわかる滑り”として成立する。
二人ともウィスラーをベースに、映像のなかで強い存在感を示してきた。
このForecast/The North Faceの映像が面白いのは、そんな二人をただ並べるのではなく、スイッチランディングにこだわって組み立てているところだ。前半のパークでは、二人ともスイッチランディングのトリックばかりが続く。後半のサイドカントリーではレギュラー着地もいくつか入るが、それでも印象に残るのはスイッチで着地するカットの多さだ。
そう見ていくと、最後のJakeのスイッチターンもただの締めではなくなる。
興味のない人には見過ごされるかもしれない。しかし、それがエンダーとして効くのは、Jake自身が積み上げてきたスタイルへの美学と、McNuttがバックカントリーで育ててきたスイッチランディングの感覚が、映像の最後でつながる。
二人の違いを見せながら、スイッチという軸で二人のスタイルが共鳴する。
その締め方が、この映像のいちばんいいところだ。
