スマートフォンのフォルダに大量に残されている写真や動画。その多くは見返されることがほとんどなく、ストレージを圧迫する「デジタルゴミ」と化していくのが常である。ところが最近はAIフォトアプリが、新たな思い出として甦らせている。
かつては数時間かけて行っていたアルバム編集を、今はAIが「勝手に」こなす時代。何万枚もの中から最高の笑顔や構図をAIが選別し、プロ顔負けのBGM付き思い出ムービーを自動生成してくれるのだ。
ただし、便利すぎる一方で、個人のプライバシーがクラウド上でどのように分析されているのか、不安を感じるユーザーがいるようで、
「AIは単に写真を並べるだけでなく、映り込んでいる場所、人物、果ては食べ物の種類まで、詳細にインデックス化しています。これは検索効率を劇的に上げますが、同時に自分の生活の全てが巨大IT企業の手の内に晒されていることの裏返しでもあります」
最新のガジェット事情に精通するITジャーナリストはそう語るのだが、AIによる選別・加工が当たり前になった今、死蔵された写真の中から「最高の1枚」を瞬時に見つけ出す検索術は進化している。
AIが作ったムービーやベストショットだけを厳選保存
「例えば『去年のGW、海でビールを飲んでいる写真』と入力するだけで、候補が絞り込まれる。この言語検索の精度はすさまじいものがあります。ただし、こうした恩恵を受けるためのバックアップ料金が年々、値上がりしている。ストレージ料金に毎月数千円を払い続けるのは、庶民にとっては手痛い出費でしょう」(前出・ITジャーナリスト)
そこで今、賢いユーザーが実践している「写真整理の最適解」はAIによる自動選別と、物理的な「間引き」の併用だという。ITジャーナリストがさらに言う。
「全ての写真をクラウドに預けるのではなく、AIが作ったムービーやベストショットだけを厳選して保存し、重複した似たようなショットは定期的に削除する。2026年はAIに『管理される』のではなく、AIを『編集者』として使いこなし、データをスリム化するリテラシーが求められています」
撮りっぱなしの時代はもはや、過去のこと。膨大なデータを宝の山にするか、ただのゴミにするかは、我々の指先ひとつにかかっている。
(滝川与一)

