プレーオフのカンファレンス準決勝で王者オクラホマシティ・サンダーに敗れ、今季の戦いを終えたロサンゼルス・レイカーズの八村塁。目標の王座には届かなかったが、確かな爪痕を残してNBAキャリア7年目を締めくくった。
今季の八村はレギュラーシーズン68試合に出場し、平均11.5点(フィールドゴール成功率51.4%)、3.3リバウンド、0.8アシスト、3ポイント成功率はリーグ5位の44.3%をマーク。シーズン終盤の3月31日には節目の通算5000得点を達成した。
この“5000”という数字は、80年の歴史を誇るNBAでは1000人近くが達成している(現時点の5098点は歴代969位)が、アジアバスケットボール界においては偉業とも言うべき大記録だ。
純粋なアジア出身選手で、通算5000得点を超えているのは、八村のほかでは中国出身のヤオ・ミンのみ。229cmの身長を誇った“歩く万里の長城”は、2002年のドラフトで全体1位指名を受けると、ヒューストン・ロケッツの中心選手として8シーズンにわたってプレー。
晩年はケガに泣かされたが、2011年に引退するまで9247得点を積み上げ、オールスター選出8回、オールNBAチーム選出5回など2000年代を代表するセンターとして活躍した。
キャリア平均19.0点を残したヤオの壁は高いが、八村はまだ28歳と年齢的にはこれからアスリートとしてのピークを迎えるタイミング。1年ずつ着実にキャリアを重ねることで、アジア人初の1万点の高みも見えてくるかもしれない。
ちなみにプレーオフに関して言えば、八村は今季終了時点で557点とし、ヤオの555点を超えてアジア人No.1となっている。
ヤオはキャリア8年間で4度プレーオフに出場したが、うち3度は1回戦敗退に終わり、唯一ファーストラウンドを突破した2009年も、レイカーズとのカンファレンス準決勝の第3戦で足首を負傷。通算28試合しかポストシーズンのコートに立っていない。
対する八村はワシントン・ウィザーズ時代に1回、レイカーズでは4年連続の計5度プレーオフに出場。2023年にはカンファレンス決勝まで到達し、今季はその時以来の1回戦突破を果たした。
通算41試合出場したプレーオフでは、平均13.6点とレギュラーシーズンの成績を上回り、3ポイント成功率はNBA歴代1位の51.6%(試投100本以上の選手中)という大記録も話題となった。
NBAでプレーしたアジア人選手の記録は以下の通り。日本人としては、非白人史上初のNBA選手として知られるワット・ミサカ(三阪 亙:みさか わたる)に始まり、パイオニアの田臥勇太、渡邊雄太、そして八村に続くもう1人の現役選手、河村勇輝のさらなる躍進にも期待したい。
【主なアジア人NBA選手】
※オーストラリアなどオセアニアの国の選手や、帰化選手は除く
※●年はNBA在籍年数。RS=レギュラーシーズン、PO=プレーオフ、G=通算出場試合数、P=同得点、R=同リバウンド、A=同アシスト、カッコ内は1試合平均。
ワット・ミサカ(アメリカ※両親が日本の広島県出身):1年(1947)
RS:3G・7P(2.3)
PO:-
ロニー・サイカリー(レバノン/アメリカ):11年(1988~99)
RS:678G・9991P(14.7)・6424R(9.5)・860A(1.3)
PO:14G・140P(10.0)・102R(7.3)・12A(0.9)
ワン・ジジ(中国):5年(2001~05)
RS:137G・604P(4.4)・231R(1.7)・39A(0.3)
PO:16G・30P(1.9)・10R(0.6)・5A(0.3)
ヤオ・ミン(中国):8年(2002~11)※1年はケガで全休
RS:486G・9247P(19.0)・4494R(9.2)・769A(1.6)
PO:28G・555P(19.8)・261R(9.3)・29A(1.0)
田臥勇太(日本):1年(2004)
RS:4G・7P(1.8)・4R(1.0)・3A(0.8)
PO:-
ハ・スンジン(韓国):2年(2005~06)
RS:46G・70P(1.5)・67R(1.5)・3A(0.1)
PO:-
イー・ジャンリャン(中国):5年(2007~12)
RS:272G・2148P(7.9)・1339R(4.9)・192A(0.7)
PO:1G・2P(2.0)・2R(2.0)・0A(0.0)
スン・ユエ(中国):1年(2008~09)
RS:10G・6P(0.6)・0R(0.0)・2A(0.2)
PO:-
ハメド・ハッダディ(イラン):5年(2008~13)
RS:151G・339P(2.2)・372R(2.5)・43A(0.3)
PO:13G・16P(1.2)・17R(1.3)・1A(0.1)
ジェレミー・リン(アメリカ※両親が台湾出身):9年(2010~19)
RS:480G・5567P(11.6)・1338R(2.8)・2042A(4.3)
PO:25G・180P(7.2)・49R(2.0)・56A(2.2)
ジョウ・チー(中国):2年(2017~18)
RS:19G・24P(1.3)・22R(1.2)・2A(0.1)
PO:3G・2P(0.7)・1R(0.3)・0A(0.0)
渡邊雄太(日本):6年(2018~24)
RS:213G・895P(4.2)・497R(2.3)・137A(0.6)
PO:5G・7P(1.4)・1R(0.2)・0A(0.0)
八村塁(日本):7年(2019~)
RS:405G・5098P(12.6)・1864R(4.6)・496A(1.2)
PO:41G・557P(13.6)・176R(4.3)・41A(1.0)
河村勇輝(日本):2年(2024~)
RS:40G・98P(2.5)・45R(1.1)・66A(1.7)
PO:-
ツイ・ヨンシー(中国):1年(2024)
RS:5G・3P(0.6)・2R(0.4)・0A(0.0)
PO:-
ヤン・ハンセン(中国):1年(2025~)
RS:43G・95P(2.2)・66R(1.5)・22A(0.5)
PO:4G・0P(0.0)・1R(0.3)・0A(0.0)
構成●ダンクシュート編集部
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