
A代表のW杯メンバー発表はU-17戦士にどう影響を与えたのか。20歳・後藤啓介を例に小野信義監督が語った“次の景色”【現地発】
5月15日、14時からスタートしたA代表のメンバー発表。北中米ワールドカップを戦う26名の選手が、森保一監督の口から一人ひとり読み上げられた。
39歳で5度目の出場となるDF長友佑都(FC東京)やキャプテンを務めるMF遠藤航(リバプール)といった日本を長年支えてきたベテラン選手はもちろん、MF堂安律(フランクフルト)やMF久保建英(レアル・ソシエダ)という主力組も順当に招集。怪我の影響が心配されたDF冨安健洋、DF板倉滉(ともにアヤックス)もスカッド入りを果たしている。
その一方で目を引いたのが、キャップ数がほとんどないロス五輪世代からも招集された点だ。FW後藤啓介(シント=トロイデン)、FW塩貝健人(ヴォルフスブルク)という05年生まれ組も組み込まれており、若き才能たちは自クラブで結果を残したことでメンバーに滑り込んだ。
サッカーに年齢は関係ない。使い古された言葉通りに結果で示して北中米行きを掴んだ点に関し、U-17日本代表の小野信義監督が次世代の日本サッカー界を担う選手たちに対する想いを口にした。
現在、U-17日本代表はサウジアラビアでU-17アジアカップを戦っている。グループステージの上位2か国に与えられるU-17ワールドカップの出場権を獲得しており、首位で突破して臨んだ15日の準々決勝もタジキスタンに5−0で快勝。順調に歩みを進めているが、準々決勝が行なわれた15日の朝に発表されたA代表のメンバーを見て、タジキスタン戦後に指揮官は胸に秘めていた言葉を紡いだ。
「今日は試合前だったので伝えていないですけど、どこかのタイミングでは伝えたい」としたうえで、「後藤啓介は21歳。3年後、4年後にA代表へ入っていくうえで、後藤は絶好の例」という言葉を残した。
今は17歳だが、次のW杯が開幕する時にU-17日本代表のほとんどが20歳を迎えている。決して出場を狙えない歳ではなく、むしろメンバーに食い込まないといけない。
CB元砂晏翔仁ウデンバ(鹿島/3年)、MF和田武士(浦和/2年)、MF長南開史(柏/2年)といった昨秋のU-17W杯に飛び級で出場した組は、ほかの選手たちよりも経験を早く積み、現実的な目標として視野に入れている。一方で、今回が国際舞台で初の公式戦となる選手たちは、まだまだどこか他人事。ある選手にA代表のメンバー発表について話を聞いた際も、「A代表は遠い話で」という言葉が返ってきた。だが、世界的に見れば、10代でW杯出場を狙うのは不可能ではなく、次の大舞台に立っている可能性はある。
今の選手たちは一昔前に比べ、確実に意識が変わり、ドイツやスペインといった強豪国と対戦する際も物怖じしなくなった。それは小野監督も認めるところで、意識の変化に目を丸くする。
「僕が子供の頃に、アルゼンチンとやる、ドイツとやるってなったら、ビビッているような感じだったけど、『今の子はやれるっしょ』、『勝てるっしょ』となっている。それはすごいこと。A代表がドイツ、スペインを前回のワールドカップで倒して、親善試合とはいえ昨年10月にはブラジルも倒した。そういうのはもちろん影響して、ものすごく世界が近づいている」
だが、A代表のW杯出場となると、まだまだ当事者意識が薄い。同世代の強豪国にビビらないメンタリティーは重要で進化の証だが、今度はA代表に自分たちがどうやって入っていくのか。
2030年のW杯に出場する権利はある。次の景色を見るべく、残された準決勝、決勝で彼らの変化に期待したい。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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