ロッキーズ・菅野智之の「やせ我慢先発」には、やむにやまれに事情があった。日本時間5月17日、本拠地クアーズ・フィールドでのダイヤモンドバックス戦に先発した菅野は5回88球を投げて7安打3四死球と今ひとつの内容。それでも2失点と粘りの投球で、4勝目を挙げた。これで節目となる日米通算150勝に到達した。
実はこの日、試合開始1時間前に吐き気と下痢の症状に襲われた。クラブハウスでの食事後のことだったが、菅野が言うには、
「たぶん食あたりだと思うんですけど、急に気持ちが悪くなってしまって」
応急処置的に薬を飲み、強引にマウンドへ。なんとか責任を果たすことができた。
「次の目標は151勝」
と話し、単なる通過点であることを強調したが、今季の菅野は1試合も無駄にできない状況にある。
メジャーリーグを取材するスポーツライターは、
「今季の菅野はメジャーでプレーする日本人選手で最も低い年俸8億円しかもらっていませんが、登板数やイニング数に応じてボーナスをもらえるオプションがついている。1年間、なんの故障もなくローテーションを守れば当然、それらはクリアできるし、今後にかかわってきますからね」
ロッキーズとは契約延長オプションが設定
古巣・巨人からは総額20億円を超える契約を提示されながら「メジャーでやりたい」と固辞して海を渡った。しかし現在の契約では、来季以降もMLBでプレーできるかどうかは確定していない。
昨年もオリオールズで10勝しながら4.46という防御率と年齢がネックになり、1年契約終了と同時にチームを去った。その後はなかなか所属チームが決まらなかった苦い思いがある。
ところが、前出のスポーツライターによれば、
「ロッキーズとの契約には、球団側の契約延長オプションが設定されています。そのオプションを行使してもらうためには、必要な戦力であることをアピールしなければいけないですからね。契約が延長されなくてもシーズン中に他球団が欲しがれば、トレードはありうる。その際には来季以降の契約を結ぶことも可能になりますからね」
36歳という年齢を考えれば日米通算200勝はなかなか難しいが、1年でも長くメジャーで、という希望を叶えるため、食あたりなどに負けてはいられないのだ。
(阿部勝彦)

