それにあわせてMOVIE WALKER PRESSでは、アニバーサリーを迎える各劇場のオープン当時の社会の動きや映画界のトレンドなどを振り返りながら、スタッフの声をもとにそれぞれの劇場の特色や魅力などを紹介するコラムを不定期で連載中。全6回で展開する当コラムの第2回は、今年でオープン「10周年」を迎える2劇場にスポットライトを当てていこう。
■社会現象級のヒット作が連発!2016年をプレイバック

「10周年」を迎える「TOHOシネマズ 柏」「TOHOシネマズ 仙台」がオープンした2016年は、南米大陸初のオリンピックとなったリオデジャネイロオリンピックが開催されたほか、広島東洋カープが25年ぶりにセ・リーグ優勝を果たすなど、スポーツ界が大いに盛り上がった1年。また、位置情報機能とARを駆使した「ポケモンGO」が世界的に大ブームを巻き起こした。
前年の秋に日本にも動画配信サービス「Netflix」がローンチしたことで、映画体験に“配信”という新たな選択肢が加えられるようになった。一方で、映画館は年々増加の一途をたどり日本国内にあるシネコンのスクリーン数は、この年ついに3000を突破。さらに年間の観客動員数は42年ぶりに1億8000万人を突破。それを牽引したのは、タイトルがそのまま「2016ユーキャン新語・流行語大賞」の候補になるほどの社会現象を巻き起こした2本の邦画だ。

日本を代表する怪獣映画「ゴジラ」シリーズの12年ぶりの新作として夏休みに公開された庵野秀明総監督・樋口真嗣監督の『シン・ゴジラ』(16)は、往年の「ゴジラ」ファンだけでなく、これまで「ゴジラ」に触れてこなかった世代の心をつかむなど熱狂的な支持を獲得。興行収入は歴代「ゴジラ」映画として最高の82億5000万円を記録し、第40回日本アカデミー賞では最優秀作品賞など7部門で最優秀賞を獲得。
また、夏休み後半に公開された新海誠監督の『君の名は。』(16)は、当時の日本歴代興収ランキングで第4位に入る興収250億3000万円(その後の再上映で現在は251億7000万円)のメガヒット。作品のモデルとなった場所に足を運ぶ“聖地巡礼”ブームを加速させただけでなく、その後急拡大する国内アニメ映画の人気を決定づけるきっかけに。アニメ作品ではほかにも『名探偵コナン 純黒の悪夢』(16)や『ONE PIECE FILM GOLD』(16)などの国民的人気作に加え、『映画 聲の形』(16)、『この世界の片隅に』(16)も大ヒット。年間興収に占める邦画シェアは63.1%を記録した。

一方、洋画では前年の暮れに公開された『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(15)が興収116億3000万円を記録し、13年ぶりに洋画と邦画の両方から興収100億円超えのメガヒット作が誕生。ほかにもディズニーの『ズートピア』(16)やピクサーの『ファインディング・ドリー』(16)、イルミネーションの『ペット』(16)といった海外アニメ作品が絶好調。洋画・邦画、実写・アニメ問わず、多彩な作品が大きな盛り上がりを見せた一年となった。
■地域に根ざした“愛され劇場”「TOHOシネマズ 柏」

そんな2016年の4月25日に開業したのが「TOHOシネマズ 柏」だ。
東京都内へのアクセスも良好で、千葉県の中核市のひとつにも指定されている柏市。その市内を縦断する国内16号線沿い、沼南地区のショッピングモール「セブンパークアリオ柏」の開業にあわせてオープンした同劇場。千葉県内では6劇場目のTOHOシネマズとなる。

「柏市南部では初のシネコンとして開業し、地域に本格的な映画館ができたと多くの住民の方から喜びの声をいただきました」と、劇場関係者は振り返る。「柏駅からは少し距離がありますが、駐車台数4000台、駐輪台数1500台の広大な無料駐車場を有しているので、公共交通機関の始発や終電に左右されず、いつでも気軽に映画を楽しんでいただける劇場です」。

全9スクリーンで総座席数1551席(車椅子用スペース18席を含む)を擁し、最大スクリーンのSCREEN6にはTOHOシネマズの独自企画である巨大スクリーン「TCX」や、パワフルな音響体験を実現する「Dolby Atmos」とその再現に最適なスピーカーシステム「ヴィヴ・オーディオ」を導入。劇場スペック面での充実はもちろんのこと、特に力を入れているのは地域に根ざした施策の数々だ。
「オープン時には千葉の名産である落花生をまとった『紙兎ロペ』の限定シネマイレージカード(※旧会員制度)を発行したり、柏市内の人気カレー店『ボンベイ』とコラボしたシネマイクポップコーンの販売を行ないました。また、柏市とゆかりの深い池田理代子先生が原作を務められた『劇場版「ベルサイユのばら」』の公開時には、“ご当地作品”として地域をあげてコラボ施策を行ない大きな盛り上がりを見せました。自他社含め競合環境が熾烈な千葉エリアですが、幅広い年代のお客さまから愛されつづけるエンタメ施設となるべく、和やかな雰囲気づくりを心掛けております」。
■東北の中心から“最新”を発信する「TOHOシネマズ 仙台」

続いては、東北地方を代表する大都市・仙台の中心部、仙台駅からペデストリアンデッキで直結した商業施設「仙台PARCO2」の6階に、2016年7月1日に開業した「TOHOシネマズ 仙台」。「2006年に仙台東宝劇場が閉館してから、ちょうど10年ぶりに仙台市内にできた東宝系統の映画館ということもあり、地元の方から『待ち望んでいたよ』との声をいただきました」と劇場担当者は振り返る。
東北各地から多くの人々が集まるカルチャーの中心地として、「映画を観るだけじゃなく、作品・人・街とがリアルに繋がることができる場所」を目指しているという同劇場。その目玉といえるのは、SCREEN6に導入されている「IMAX」。“東北初”であると同時に、つい先日まで約10年ものあいだ“東北地方唯一”だった同劇場のIMAXは、東北の人々に迫力満点の特別な映画体験を提供する、最新エンタメの発信地として親しまれている。


「2016年の開業当時には、駅近であることと同じくらいIMAXを強く訴求しました。地域の情報番組では映画コメンテーターのLiLiCoさんが密着取材に来てくれたこともあります。その後もIMAXの魅力を県内外の多くの方々に知っていただくため、周年を迎える際には仙台駅や地元情報誌に広告を出したり、人気作の特別上映企画を組んできました。なかでも3周年記念で上映した『ラ・ラ・ランド』と『グレイテスト・ショーマン』は、IMAXならではの音の迫力を楽しめる作品として好評を集め、連日再上映とは思えないほど多くのお客さまで賑わっていました」。

IMAXのほかにもSCREEN9には「TCX」と「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」、全スクリーン(Screen6を除く)に導入された「ヴィヴ・オーディオ」と上映設備も充実した同劇場。そのこだわりは一部シアター内にも。隣席と完全に切り離された「プレミアシート」や通常の一般席よりも1.5倍の横幅でゆったりとした鑑賞体験を可能にした「ワイドコンフォートシート」、さらには大迫力の映像を浴びるように堪能できる「フロントリクライニングシート」が東北エリアで唯一導入されており、映画への没入感をより一層高めてくれる。

さらに劇場担当者は「上映設備やシアター環境はもちろん、劇場ロビーも“推しポイント”のひとつです」とアピール。「ガラス張りになった6階のロビーからは、仙台駅周辺を見渡せる開放的な眺望が広がっています。上映までの待ち時間や上映後に外を眺めるひと時が心地よくて、気分転換や映画の余韻に浸るのに打ってつけです」。作品を観るだけでなく、“映画館”という特別な空間の楽しみ方も提供してくれる「TOHOシネマズ 仙台」。お近くにお出かけの際は、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
TOHOシネマズの「アニバーサリーキャンペーン」は、3月から12月にわたって展開。対象劇場は、今回紹介した柏と仙台のほか、5周年のセブンパーク天美、15周年の甲府、上田、20周年の八千代緑が丘、モレラ岐阜、なんば、岡南、はません、25周年の南大沢、おいらせ下田、秋田、東浦、35周年の渋谷だ。本連載をきっかけに最寄りの劇場の思い出に浸ったり、気になっていた劇場情報をチェックして、いまだけの特別な催しを楽しもう!
文/久保田 和馬
