
EASTで最下位決定の千葉。“内容が良くても致命的なミスが出る”悪循環を改善していけるか
[J1百年構想リーグEAST第17節]千葉 0-2 鹿島/5月17日/フクダ電子アリーナ
鹿島が勝利すれば百年構想リーグEASTの1位が決まるゲーム。
ホーム戦として負けるわけにいかない千葉は、2トップの一角に売り出し中の17歳MF姫野誠を起用し、守備時は4-4-2、攻撃時は4-2-3-1のような形を敷きながら鹿島に挑み、守備面では狙いを表現できたと言える。キャプテンの髙橋壱晟も「戦術的にはできていた」と振り返る。
また「前半のところから、もちろんすべてが自分たちの思いどおりというわけではないのですが、相手にも気持ちよくプレーさせないところでは、どっちのゲームになるか分からないような形で進めていけたと思います」との小林慶行監督の言葉にも頷ける内容であった。
しかし「また自分たちがしてはいけないミスをしてゲームが難しくなったと。終わってみれば0-2というところは内容どうこうではなく、結果の示すとおりトータルして完敗ということだと思います」と指揮官が続けたように、またしてもミスからスコアを動かされ、敗戦を突き付けられた。
前半終了間際、千葉がこだわりを持つ後方からのポゼッションで、ボランチ品田愛斗が鹿島の鈴木優磨の激しいスライディングを受けてボールをロスト。その流れから荒木遼太郎にを決められて先制点を奪われた。
後半も千葉としては敗れればEAST最下位が決まるなか、よく走り、前への意識を強めたが、61分には2枚目のイエローカードでFWカルリーニョス・ジュニオが退場。数的不利の状況でもよくチャンスを作ったが、88分にはシンプルなロングボールをクリアし切れず、交代出場の師岡柊生にネットを揺らされ、力尽きた。
ボールを大事にし、相手を見ながら狙いを持ったサッカーを展開する千葉のスタイルは魅力的に映る。もっとも、昨季17年ぶりのJ1昇格を果たし、特別大会である百年構想リーグに臨んでいるが、残り1試合を残し、3勝11敗・PK負けが3つ(16得点・27失点)と苦しみ、EAST最下位が決定してしまった。
自分たちの理想に貪欲に挑む姿は徹底されているが、多くの黒星につながっているのが、鹿島戦同様に自陣での致命的なミスである。
“内容は良いがミスが出る”
それが百年構想リーグでの千葉の大きな課題である。
鹿島戦後に小林監督も改めてこう語ってくれた。
「前回対戦の時もお話しさせてもらいましたが、やっぱりその時もゲームのコントロールとしては自分たちのほうができたゲームであって。僕自身が本当に、この世界で選手の時から20数年、30年近くになるかもしれないですが、そのなかで、鹿島アントラーズというチームは内容どうこうで戦っているチームじゃないと思っています。そこは彼らに対する相当なリスペクトがある。だからこそ、ずっと上位で戦い続け、だからこそ、ずっとチャンピオン争いに加わっていける。
彼らはこの長いリーグ戦で自分たちのペースで戦えなかったとしても、勝点を持って帰れるチームである。そこが彼らのすさまじい強さだと思っています。そこは今、自分たちが本当に見習わなければいけない点だと思ってますし、自分たちは自分たちのペースで戦えていたとしても、このリーグにおいては勝点を持ち帰れないゲームが何試合かありました。それを改善するということと、苦しかったとしても粘り強く戦ってなんとか1でも積んでいけないかというところに対するトライをしなければいけない。そういう部分では、やっぱりすごく学ばなければいけない点を彼らは持っていて、そういうチームに対して、自分たちの内容がどうだったかということは本当に僕にとってはあまりいらない話なのかなと。やっぱり結果がすべてで、0-2というスコアが彼らの強さですし、結局は点を取れなかったゲームだったと思います」
チャレンジすることはポジティブも、プロとして勝たなくてはいけないと髙橋も話す。
「今日は僕らがボールを取れるシーンもたくさんあったと思います。ただ、そこで奪い切れないシーンもあった。チームとして戦術的なところでやれている面はあったと感じますが、個で奪い切るところなどはより上げていかなくてはいけないと思います。
(先制点の場面も鹿島は)そこを逃さないで決めてくる。自分たちとしてはミスはミスなのでポジティブにはできないですが、僕らはチャレンジしているので、あそこをボールを受けずにロングボールで回避しようとするのではなく、つなぐところにチャレンジしている面はあります。
ただ、勝てるかどうかでこの世界は変わる。だから前進しているとは言えないと思いますし、勝ち切るには個人としてもチームとしてもまだまだレベルアップしなくてはいけないと感じています」
一方で小林監督はこうも語っていた。
「選手たちは非常に飢えていますし、そういう中で『俺を出せ』という気持ちが見えるトレーニングをしてくれているので、そこに関しては問題ないと思っています。
ただ、やっぱりこのリーグで戦っていくにあたって、前節もそうですが、CBのシンプルなパスミスのところから失点につながりましたし、今節もそれに近い形だったと思います。自分の目指すべきところは明確にあって、相手に対して『プラス1』の状態が作れていれば相手の力を削ぐことができるし、相手のズレがあるならばしっかりとGKからつないで前進していきたい。
ただ、それはあくまでも僕自身の理想であって、選手が『怖い』と感じる圧力が相手にあるならロングボールを上手く使ってそれを回避していく。そのバランスだと思うんですけど、やっぱりレベルが上がるほどそこにチャレンジしないと絶対にゴールには結びつかないという実感もあるので。どこを目指すかという部分にはなりますが、ノーリスクで全員が前向きで守備をすればっていうようなところにはなるのかもしれないですけど。自分の中では明確にそういう部分ではなく、しっかりと前進できるなら前進したいし、もちろん今日はロングボールを上手に使ってセカンドボール回収というところもしっかり出ている部分もあったので。やはりそういうのをしっかり織り交ぜながら、バランスよく攻撃できるようなチームを目指していっているので。
ただ、本当にしてはいけないエラーが続いているのは間違いなく改善しなければいけないですし、そういうところに対して、しっかりと課題は明確に出ていて、それに対して、じゃあ自分たちがどういう取り組みをできるかだとは思うので。自分の感覚では、1個1個、選手たちはしっかりとやってくれていると思います。それをなんとしても結果に結びつけられるかどうかが僕自身の仕事なので。今の選手の姿勢をしっかりとその結果に数字に結びつけられるように、もちろん時間はかかっているんですけれど、その絵をしっかりと強く描きながら進んでいきたいなと思っています」
百年構想リーグは残り1試合、柏とのアウェーでの千葉ダービーを戦い、WESTの最下位チームとホーム&アウェーのプレーオフに臨むことになる。
千葉としては今後も指針をブラすことはないだろうが、降格もレギュレーションに加わる夏の新シーズンに向けては、どう舵を取っていくか。昨季はギリギリまでプレーオフを戦い、怪我人も続出するなど、レベルが格段に上がるJ1での百年構想リーグは厳しい戦いが予想されていた。
もっとも想定はしていたとはいえ、負けが込んでしまうと疑心暗鬼になってしまう部分もあるはず。そのなかで、現状の収穫と課題を整理しながら、理想を求めつつ現実的に勝点を積む必要にも迫られる状況で、クラブ一丸となって目線を揃えることができるか。そこがポイントになりそうだ。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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