元F1ドライバーで現在はSky Sports F1の解説者を務めるマーティン・ブランドルは、マクラーレンがランド・ノリスとオスカー・ピアストリを遠慮なしで戦わせる時が来たのではないかと主張した。
2025年のドライバーズタイトルを争っているノリスとピアストリ。シンガポールGPでも、両者の間に緊張が高まる場面があった。スタート直後のターン3、ノリスはピアストリを抜いて3番手に上がろうとする際、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のマシンのリヤに軽く接触し、その反動でアウト側にいるピアストリにもヒットした。
結果的にノリスは前に出たが、ピアストリはこの接触を問題視しなかったチームに対して無線で不満をあらわに。マクラーレン側はレース後に話し合うと伝えたものの、スチュワードが「さらなる審議の必要なし」と判断したこともあり、チームオーダーを出してポジションを入れ替えさせるといった措置もとらなかった。3位でフィニッシュしたノリスは、残り6戦でピアストリとのポイント差を22点に縮めることに成功した。
ブランドルはSky Sports F1のコラムでレースを振り返り、ノリスとピアストリはチームの干渉なく「手加減なしで」戦う時が来たとして、以下のように綴った。
「ピアストリは、ふたりの間に“接触禁止”のルールがあるとして、チームに対応を求めたが、拒否された」
「レース後のチームミーティングは相当激しいものになっただろうし、今後、マクラーレンのドライバーふたりの関係性が変わっていくことは間違いない。これは時間の問題だった」
「おそらくマクラーレンは、ふたりのドライバーを干渉なしで好きに戦わせるべきだろう。核爆発のような衝撃を和らげるためにも、完走してポイントを稼ぎ、ペナルティを避け、フェルスタッペンに追い付かれないようにして、チームが2026年に向けた開発に集中できるように最新パーツを無駄にしないようにすることが求められる」
なお、シンガポールGPでは上記のような騒動があったものの、マクラーレンはコンストラクターズチャンピオンを確定させた。
マクラーレンのアンドレア・ステラ代表はレース後、次のように喜びを語った。
「非常に激しいシンガポールでの週末を終え、2年連続でコンストラクターズタイトルを獲得できたことは本当に素晴らしい気分だ」
「昨年は最終戦の最終ラップまでもつれ込んだが、今年は6戦を残してタイトルを決めることができた。チーム全体の信じられない努力の成果だ」
「我々のレースペースはライバルと比較しても強力だったが、前車のダーティエアの中では抜くのが難しかった。それでもランドとオスカーは、今季何度も見せてきたように、素晴らしい才能を発揮してチームに重要な結果をもたらしてくれた」

