
岸井ゆきのが主演を務め、浅野忠信らが出演する映画「全て真夜中の恋人たち」(2026年秋全国公開)が、フランス・カンヌで開催中の「第79回カンヌ国際映画祭」で現地時間5月17日にワールドプレミアを迎え、翌18日には岸井、浅野、岨手由貴子監督がレッドカーペットに登場した。
■川上未映子による初の恋愛小説を映画化
原作は、2008年「乳と卵」で芥川賞、2019年「夏物語」で毎日出版文化賞を受賞した川上未映子による初の恋愛作品となる同名小説(講談社文庫)。2011年の発行以来、国内累計40万部を突破し、全米批評家協会賞小説部門に日本人初ノミネート、アメリカ「TIME」誌の「2022年の必読書100冊」にも選出されるなど、海外でも人気を博している。
主人公は、人との関わりを拒み孤独に生きてきたフリーの校閲者・入江冬子。ひょんなことから年上の物理教師・三束(みつつか)と出会い、交流を深めていく中で、自らの孤独や感情と向き合っていく。
監督と脚本を担ったのは、「あのこは貴族」(2021年)以来約5年ぶりの長編映画となる岨手監督。冬子役を岸井、三束役を浅野が務め、そのほか森田望智、深川麻衣、塩野瑛久らが名を連ね、語りとして松坂桃李が声のみ出演している。
「第79回カンヌ国際映画祭」では、「ある視点」部門に正式出品されている。
■岸井ゆきの、ルイ・ヴィトンのドレスで可憐に登場
レッドカーペット登場前には、「上映は昨日終わってホッとしたところなので、チームの皆さんと楽しんで歩きたいと思います」と語っていた岸井。浅野も「どれくらいの人がいるのか想像がついていないですが、華やかな場所に連れてきてもらえて、レッドカーペットを歩けるのがとてもうれしいです」と前日の公式上映とは異なり、リラックスした表情を見せた。
イベントが始まると、午後から降り続いた小雨もおさまり、空には大きな虹がかかる絶好のレッドカーペット日和に。岸井は前日のスタイリッシュなパンツスーツから一転、ルイ・ヴィトンのピンクのドレスとジュエリーをまとった可憐な姿で登場。その華やかなたたずまいに、会場からはひときわ大きな歓声が上がった。
カンヌ常連の浅野もルイ・ヴィトンのタキシードをスマートに着こなし、各国メディアの呼びかけに柔らかい笑顔で応じ、国際的な俳優としての存在感を示した。
岨手監督も、アルマーニのきらびやかなドレスを身にまとい、ショーメのジュエリーを輝かせて登場。喜びがにじむ晴れやかな表情でレッドカーペットを歩んだ。3人はときおり言葉を交わしながら歩みを進め、作品のチームワークの良さを感じさせた。
本作が選出された「ある視点」部門は、作家性の際立つ作品が集う、カンヌ映画祭の重要部門の一つ。ワールドプレミア上映後には、「岸井ゆきのの一挙手一投足、そのためらい。全てが誠実でリアル。岨手由貴子は現代日本映画における最も注目すべき新鋭の一人としての地位を確立した」と、プロの映画評論家で構成される「CINEPHILE SOCIETY(国際シネフィル協会)」は絶賛。
イギリスの映画雑誌「SCREENDAILY」は、「岸井ゆきのと浅野忠信の魅力的な共演が光る。森田望智の特異な存在感は隠れたMVPだ」、情報サイト「LOUD AND CLEAR」は「これは単なる男女の恋愛劇ではなく、“自分自身”との切実な愛の物語だ。圧倒的な独創性を備えた傑作」など海外メディアから好意的な反応が寄せられている。
「ある視点」部門の授賞式は、現地時間5月22日(金)20時ごろを予定している。

