
北川景子主演、森田望智、Snow Man・佐久間大介、SUPER BEAVER・渋谷龍太らが出演する映画「ナイトフラワー」(11月28日[金]全国公開)。シリアスな本編とは180度異なる、和気あいあいとしたメイキングカットが公開。撮影裏の様子も明らかになった。
■北川景子がほぼスッピンで強くたくましい母を熱演
同作は、借金取りに追われながら東京へ逃げてきた主人公・永島夏希(北川)が、2人の子供の夢をかなえるためにドラッグの売人になることを決意し、危険な世界へと足を踏み入れていくヒューマン・サスペンス。北川は、ほぼスッピンで顔を崩して大きく笑い、関西弁でまくし立て、泣きじゃくり、夜のネオン街を全力で駆け回るなど、今まで見せたことのない表情で強くたくましい母を熱演する。
夏希のボディガードとなる格闘家・芳井多摩恵を森田、多摩恵の幼なじみで、ひそかに多摩恵に思いを寄せる池田海を佐久間、街の麻薬密売の元締めで、夏希と取り引きをするサトウを渋谷が演じる。
また、麻薬密売のネタを追う元刑事の探偵・岩倉に渋川清彦、岩倉に大学生の娘の素行調査を依頼する総合病院の院長夫人・星崎みゆきに田中麗奈、多摩恵が所属するジムのコーチ・柳一郎に池内博之、同ジムの会長で借金を抱えている多田真司に光石研が扮(ふん)する。
「ミッドナイトスワン」(2020年)で第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞に輝いた内田英治監督の最新作となり、内田監督自身が、原案・脚本・監督を手掛けている。
■“ネイティブ関西人”北川景子「お前は王将の回しもんか!」
同作は、2024年11月下旬から約1カ月間、関東近郊を中心にオールロケで行われた。今回の北川は、全編ほぼスッピン。⽩く化粧っけのない肌に、⻘く染めた髪。恰好もいたってカジュアルで、“⾝なりなんかに構ってられない”ギリギリの⽣活感が伝わってくる。
子役の渡瀬結美(小春役)と加藤侑大(⼩太郎役)とは、撮影前のエチュードで仲を深めたようで、序盤から2人は北川に懐いていた。
そんな家族の1シーンから撮影が始まると、朝から元気に走り回る小太郎を「ねむた…」と気だるそうにあしらう夏希。美しい横顔には日々の疲労の蓄積がにじむが、小太郎を黙らせようとガバッと抱きしめる姿には、我が子への愛情があふれている。
その後早口の関西弁で子供たちをせかし自転車に乗せる芝居などが続くが、北川は時には細かいアドリブもナチュラルに織り交ぜる。夏希が話す関西弁は、関西弁の中で最もノーマルとされる“摂津弁”なのだが、撮影前に「どこの方言にしますか?」と、“ネイティブ関西人”の北川ならではの質問が製作陣にあったそうだ。「お前は王将の回しもんか!」と絶妙な間合いで入れるツッコミなど、北川の“関西グルーヴ”が夏希に大きなリアリティを与える。
■オムライスをがつがつ頬張る森田望智「大丈夫です~!」
そして、ドラッグの売⼈という危険な世界に⾜を踏み⼊れる夏希に⼿を差し伸べ、ボディガードとして⼿を組む多摩恵を演じる森⽥。北川と森田の関係性は本作の重要なポイントとなるが、内田監督の意向により、あえて2人は撮影初日まで会わないでいたという。
初日は、サトウ(渋谷)の手下にボコられた夏希を多摩恵が成り行きで家まで送り、傷の手当をしてやる…といった順撮りに近いシークエンスだったが、初対面にして初共演とは思えないほどに2人の間には親密な空気が流れる。その後、小春が作ったオムライスをがつがつと頬張る多摩恵は、休みなく食べ続け見事完食。思わず「大丈夫ですか?」と声をかけるスタッフに、「大丈夫です~!早く食べ終えられて良かった(笑)」と多摩恵とは180度違うキュートな雰囲気で答えていた。
また、夏希が多摩恵に「家族になってほしい」とどしゃ降りの中懇願するシーンでは、2人の熱演に涙するスタッフも。12月末の雨降らしは過酷以外の何ものでもなかったが、ずぶ濡れになりながら「子供たちに未来見せてやりたいねん!」という夏希の魂の叫びを、全身で受け止める多摩恵。カットがかかった瞬間笑い合いながら抱き合う2人の姿は、孤独な女たちのシスターフッドを鮮やかに体現していた。
■佐久間大介「内田さんは映像芝居の面白さを教えてくれた恩師」
映画「マッチング」に続く内⽥作品への出演となる佐久間は、「内田さんは映像芝居の面白さを教えてくれた恩師」と語るほど並々ならぬ思いで挑む。トレードマークのピンクヘアを黒く染め、キラキラしたアイドルオーラを封印。明るさの中にも翳りのある瞳で幼なじみの多摩恵を一途に想い続ける海に没入した。
夏希と出会い危険な道へどんどんはまり込んでいく多摩恵に「どういうことだよ!」と激高するシーンでは、ロケ現場となった駐車場中に響き渡るような声量で熱演。激しいアクションもさすがの身体能力で軽々とこなし、ボロボロの“裂傷メイク”が施された自分の顔を見て「いって~!痛くないけど!(笑)」と終始内田組を楽しんでいた。
■渋谷龍太は、麻薬密売の元締めをオーラたっぷりに怪演
本作が俳優デビューとなる渋谷は、「緊張しました」と語っていたのが嘘のように悠然たる佇まいで夜の街を仕切る麻薬密売の元締め=サトウを怪演。「じ~っと蛇みたいに(夏希を)見て」という監督の演出通り、不気味な妖しさの中にも抗いがたいオーラのあるサトウを着実に作り上げていく。
違法ドラッグをさばくサトウのアジトでのシーンは、北川、森田、佐久間、渋谷が顔を揃える貴重なシーンでもあったが、意外にも現場の雰囲気は和気あいあい。サトウの部下たちは全員治安悪めのルックだが、「ちょっと礼儀正し過ぎるよ!」と監督がイジリ全員が笑顔になるなど、シーンとは対照的な空気感の中で順調に撮影は進んでいった。
■北川景子、実生活と重ねて“母の思い”を吐露
撮影最終⽇は年の瀬も押し迫った12⽉末。夏希たち家族と多摩恵が揃う、本作を象徴するような“疑似家族”の温かいシーンとなった。子供たちからの挨拶に始まり、笑顔に包まれたクランクアップで北川は、「夏希ほどではないですが私も⽇々追い⽴てられるように⽣活しているので、夏希には共感しやすかったです」と、実生活と重ね本作への思いを吐露。
「夏希は、誰か周りに⽀えてくれる⼈、助けてくれる⼈がいれば道を踏み外すことはなかった⼈です。家庭に恵まれず、社会の救いの⼿が⾏き届かないという状況で、必死にもがき、⽣きようとします。⼦どもを守りたいという⺟の強い想い、腐った世界でもなんとか前向きに⽣きようとする泥臭さを、⾒守っていただけたら幸いです」と力強く語った。
■「ナイトフラワー」あらすじ
借金取りに追われ、2人の子供を抱えて東京へ逃げてきた夏希(北川)は、昼も夜も必死に働きながらも、明日食べるものにさえ困る生活を送っていた。ある日、夜の街で偶然ドラッグの密売現場に遭遇し、生きるため、子供たちのために自らもドラッグの売人になることを決意する。
そんな夏希の前に現れたのは、心に深い孤独を抱える格闘家・多摩恵(森田)。ボディーガード役を買って出た多摩恵とタッグを組んだ夏希は、さらに危険な取引に手を伸ばしていく。ところが、ある女子大学生の死をきっかけに、2人の運命は想定外の方向へと動き出す。

