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【現地発コラム】ミラン、ローマ、コモ、ユベントス 残り2枠のCL出場権を手にするのは セリエA上位争い、大混戦のまま最終節へ

【現地発コラム】ミラン、ローマ、コモ、ユベントス 残り2枠のCL出場権を手にするのは セリエA上位争い、大混戦のまま最終節へ

セリエAの2025-26シーズンもついに残り1試合。インテルがすでに優勝を決め、2位ナポリのチャンピオンズリーグ出場権(4位以内)とアタランタのカンファレンスリーグ出場権(7位)、そしてヴェローナとピサのセリエB降格がすでに決まっている。

 その一方で最後まで目が離せないのが、残り2つのCL出場枠を巡ってミラン、ローマ、コモ、ユベントスの4チームが熾烈な戦いを繰り広げている3~4位争い、そしてレッチェとクレモネーゼに絞られた残留争いだ。

●ミラン(勝点70)

 3週間前、残り4試合の時点でこの4位争いを取り上げた時には、勝点67で5位に6ポイント差をつけていたミランは、3位とはいえ安全圏かと思われた。ところが、司令塔ルカ・モドリッチを頰骨陥没骨折で欠いたこともあり、そこからの2試合(サッスオーロ、アタランタ)に2連敗。37節のジェノア戦を迎えた時点では、勝点を68まで伸ばしたユベントスに抜かれて、5位ローマと同勝点(67)の4位まで順位を落としていた。

 しかし、やはりモドリッチ不在で迎えたこのジェノア戦は、攻め手を欠いて前半を0-0で折り返したものの、後半開始間もなく、クリストファー・エンクンクが自ら得たPKを決めて均衡を破り、残り10分には珍しく先発出場したザカリー・アテカメがミドルシュートを叩き込んで勝点3をもぎ取り、勝点を70まで伸ばす。後で見るように3位だったユベントスがフィオレンティーナに敗れて勝点68のまま足踏みしたこともあり、順位も3位に上昇した。

 これで、最終節のカリアリ戦に勝てば無条件で3位が確定し、引き分け以下でも他チームの結果によっては4位以内に入れる可能性が残った。4チームの中では最も有利な立場である。

 ピッチ上では大きな目標に近づいているミランだが、ピッチ外ではクラブの内部に小さくない問題を抱えている。先週のアタランタ戦でゴール裏のウルトラスから厳しい抗議を受けたジョルジョ・フルラーニCEOの立場が不安定になっているだけでなく、強化責任者のイグリ・ターレSDは1年での解任が濃厚。マッシミリアーノ・アッレーグリ監督の去就も不透明と、経営、強化、チームの現場とすべてのレベルにおいて来シーズンの体制が見えていない状況だ。CL出場権確保が至上命題であることは言うまでもないが、問題はむしろその先にあることもまた事実である。

 ●ローマ(勝点70)

 最終節で勝点3を挙げれば無条件でCL出場権が確保できるのは、37節のローマダービーで苦戦しながらもラツィオを下したローマも同じ。残り4試合の時点では6位と最も不利な立場だったが、そこから3連勝で勝点を70まで伸ばし、コモ、ユベントスを抜いて4位まで浮上してきた。

 最終節の相手はすでに降格を決めているヴェローナで、一見すると「鉄板」のように見えるカード。ダービーという緊迫した舞台で勝利をもぎ取ったこともあり、試合後のローマは監督も選手も、すでに大仕事を成し遂げたかのような喜びぶりだった。しかしローマは、他の3チームすべてに対して直接対決の結果で不利な立場にあるため、もし最終節で勝ち損ねれば、かなりの確率で5位以下に転落することになる。油断大敵、という言葉がこれほど当てはまる状況はなかなかない。

 就任1年目のジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督は、シーズン中にもかかわらず、オーナーのアドバイザーという立場でチーム強化などの最終的な権限を握っていたクラウディオ・ラニエリ前監督と対立するなど、難しい状況に直面してきた。しかしシーズン終盤になって、このクラブ内部の「権力闘争」に勝利を収め(ラニエリは契約を解消してローマを去った)、自らの足場を固めることに成功している。ここでクラブにとって「悲願」とも言えるCL出場権をもたらすことができれば、強化責任者(SD)の指名権をはじめチーム強化に関する大きな権限を手にして、新シーズンに臨むことになるだろう。

 ●コモ(勝点68)

 残り4試合の時点で4連勝が4位以内に入るための絶対条件に見えたコモは、35節のナポリ戦で押し込みながらも0-0の引き分けに終わった時点で「夢」が潰えたかのように思われた。しかし続く2試合でヴェローナ、パルマを下して勝点を68まで伸ばし、ミラン、ユベントスが滑り落ちてきたことで、最終節に望みがつながった。

 もちろん、たとえ最終節でクレモネーゼを下したとしても、勝点で上回るミラン、ローマがともに勝てばそれまでだ。しかし、もしどちらかが引き分け以下に終わった場合は、4位に滑り込む可能性も残されている。ローマが引き分けた場合、勝点71で並んでも順位は上に行くし、ミランが引き分けた場合は、同時にユベントスが勝って勝点71で3チームが並んだ時に4位に入れる。

 セリエA昇格2年目のプロビンチャーレ(地方都市の中小クラブ)に過ぎないコモにとっては、すでに確定しているヨーロッパリーグ出場権だけでも歴史的な達成だ。もしここで一気にCLの舞台にまで進出するようなことになれば、それこそ近年のアタランタやボローニャを上回る偉業となるだろう。

 ●ユベントス(勝点68)

 CL出場権を争う4チームの中で、最も困難な状況にあるのがユベントス。残り4試合の時点では、3位ミランに3ポイント差の4位(勝点64)ながら、5~6位に並ぶコモ、ローマを3ポイント上回っており、しかも対戦カードの難易度も低かったため、明らかに有利な立場にあるように見えた。3週間前に4位争いを取り上げた時には、「ユベントスが4位を守るか、コモ、ローマのどちらかが指し切るかが、唯一最大の焦点」と書いたほどだ。

 ところがそこからの3試合は、レッチェに1-0で勝ったものの、ヴェローナには1-1で引き分け止まり。そして37節のフィオレンティーナ戦では、攻勢には立つもののクリーンな決定機が作れず、守備陣のミスで先制を許した後も期待された反発がほとんど見られないまま、さらに追加点を許して0-2で完敗。勝点で下にいたミランとローマに抜かれ、追いついたコモにも直接対決で下回るため、CL圏内の3位から圏外の6位へと一気に滑り落ちてしまった。

 しかも最終節は敵地でのトリノダービー。さらにもしこれに勝ったとしても、コモが引き分け以下で、さらにローマかミランのどちらかが引き分け以下にならない限り、4位には手が届かない。片足どころかほとんど両足がCL圏の外側にある状況である。

 ユベントスのようなクラブにとって、CL出場権喪失は向こう数年間の経営と戦力強化に小さくないダメージをもたらす大失態だ。しかし、フィオレンティーナに敗れた後の会見で自らの責任を認めたルチャーノ・スパレッティ監督は、来シーズンもその座に留まる可能性が高い。

 この失態の責任を問われる形でその立場が危うくなっているのは、昨夏にオーナーのジョン・エルカンが直々に指名してCEOの座につけたフランス人ダミアン・コモッリ、そしてその下でチーム強化に携わるフランソワ・モデストTD、マルコ・オットリーニSDだ。首脳陣の中では、フットボール戦略ダイレクターという、強化の現場とは離れた役職に就いているクラブレジェンドのジョルジョ・キエッリーニが、相対的にその権限を強める可能性もあると伝えられている。こちらもミラン同様、CL出場権云々以上に来シーズンの体制が大きな焦点となっている。

文●片野道郎

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配信元: THE DIGEST

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