構えて寄付をするのでもなく、休日を割いてボランティアに出かけるのでもない。買い物や預金といった日常の延長で社会を支える――そんな「自然体のソーシャルグッド」とでも呼ぶべき姿勢が、世代を問わず広がっている。りそな銀行が20〜60代の男女を対象に実施した「社会貢献意欲に関する実態調査」から、その輪郭が見えてきた。
事前のスクリーニング調査では、約3人に1人(30.7%)が社会貢献に「興味がある」と答えた。ところが、その関心層のうち実際に「現在行っている」のはわずか9.3%にとどまる。残る9割は過去に経験があるか、一度も行ったことがないと回答した。意欲はあっても動けない「ポテンシャル層」が、関心層の74.0%に達している計算だ。

動機を尋ねると、「困っている人を見過ごせない、純粋に助けたい」が40.3%で最も多く、「次世代の社会をより良くしたい」が28.6%で続いた。「自分の徳になる」といった個人的な利得を挙げる人は少なく、利他的な動機が上位を占めた。

では、何が行動を阻んでいるのか。調査からは二段階の壁が見えてくる。行動に移せない理由として最も多かったのは「経済的な余裕がない」(39.1%)だった。物価高が続くなか、資産が減ることへの抵抗感が入り口のハードルになっている。

ただ、「最も高い壁」を一つに絞ると順位は入れ替わる。金銭的負担(26.1%)を上回り、「使途への不信感・不透明さ」(40.9%)が首位に立った。託したお金が本当に役立っているのか分からない――その不透明さが、最後の一歩を踏みとどまらせている。

参加スタイルにも変化がうかがえる。76.2%が買い物や預金といった「日常の延長」で無理なく関わりたいと答え、77.7%が「資産を守りながら貢献できる仕組み」を必要だとした。手間をかけずに社会課題に関わる姿勢が、世代を問わず広がりつつあるようだ。
資産を減らさずに参加でき、かつ使途が明確な仕組みについて意向を聞いたところ、「始めてみたい」と答えた人は全体で72.1%、20代では76.5%に上った。金銭的負担と不信感という二つの壁を同時に取り除くことが、潜在的な意欲を行動へと変える条件になりそうだ。
調査を実施したりそな銀行自身も、預入額の0.1%相当を原資に、公文教育研究会を通じた無償の学習機会を経済的に困難な状況にある小学生へ提供する定期預金「ソーシャルインパクト預金」を扱っている。

