5月19日のプロ野球を見ていてとりわけ気になったのは、楽天と日本ハムの試合だった。楽天が3連戦の初戦を落としたのだが、「4番・浅村栄斗」と「前4番・黒川史陽」の今後だ。
今季の浅村は6番でスタート。黒川は5番だった。開幕4番のマッカスカーは打撃不振により、5試合でファーム降格となっている。
楽天は新加入のマッカスカーと、来日3年目のワォーターズ、2年目のボイトとゴンザレスの「外国人野手4人制」で臨んだ。ところが故障などもあって、現在の野手登録に「カタカナ表記の選手」は見当たらない。
そうして長打力と打線の破壊力が懸念される状況で存在感を見せつけたのが、35歳の浅村だ。
「昨年は打撃不振に苦しみましたが、今季はチームを牽引しています。過去の実績はもちろんありますが、首脳陣はその人柄も評価していますね」(チーム関係者)
ベテランらしい「匠の技」を見せたのは、今季初めて4番に座った4月21日の日本ハム戦だった。第1打席では達孝太の変化球にタイミングが合わなかったもの、次打席の4回には同じ変化球をスタンドに放り込んでいる。左足のステップをちょっと変え、適応してみせたのだ。
こうした適応力の高さはさすがだが、マッカスカーがファーム落ちした後、最初に選ばれた4番は黒川だった。
黒川は昨年、キャリアハイとなる83試合に出場し、長打力に磨きがかかってきた。将来性なら黒川、実績と牽引力なら浅村。そんな図式だろう。
楽天は田中将大と則本昂大の流出を止めなかった
5月17日のソフトバンク戦から、浅村は「4番・一塁」ではなく、DHに入っている。他選手との兼ね合いはあるだろう。
今季は浅村の4年契約の最終年。推定年俸は5億円だ。ここまで42試合で打率2割5分4厘、4本塁打、16打点の数値は、4番としては物足りない。黒川のバットマン成績もだいたい同じだが、こちらは推定年俸3300万円だ。楽天フロントのドライさは有名であり、費用対効果で判断されたら…。
在京球団スタッフは、こんな情報を耳打ちするのだ。
「楽天は一昨年に田中将大、昨年オフも則本昂大の流出を止めませんでした。則本は2024年にクローザーに転向し、昨年は不振。チーム内の『空気』みたいなものを察して、海外FA権を行使したともっぱらです」
5月26日からはセ・パ交流戦が始まる。来季からセ・リーグでは、DH制が導入される。これが楽天の4番問題と浅村の先行きに影響を与える、なんてことは…。
(飯山満/スポーツライター)

