
「スター・ウォーズ」シリーズ最新作「スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー」が、5月22日(金)より日米同時公開される。「スター・ウォーズ」の劇場新作が映画館で公開されるのは、2019年の「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(エピソード9)」以来約7年ぶりだ。劇場公開に先駆けて行われた試写会で一足先に鑑賞できたので、興奮冷めやらぬ中でレビューをお届けする。(以下、序盤のストーリーに言及しています)
■ジョン・ファヴロー監督が企画・原案・脚本も担当
1977年にジョージ・ルーカス監督によって生み出され、半世紀近くにわたりエンターテインメントの歴史を変え続けてきた「スター・ウォーズ」シリーズ。今作の主人公は、タイトル通り、伝説の賞金稼ぎ“マンダロリアン”とフォースを秘めた子ども“グローグー”だ。
監督を務めるのは、「アイアンマン」でマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の始まりを成功へと導き、ドラマ「マンダロリアン」のシーズン1~3までの製作総指揮を務め、共同脚本にも名を連ねているジョン・ファヴロー氏。10歳の頃に映画館で「スター・ウォーズ/新たなる希望(エピソード4)」を見て、人生が大きく変わったというファヴロー監督は、今作で企画・原案・脚本も手掛けており、まさに適任と言える。
ドラマ「マンダロリアン」シリーズは、製作陣と「ジョージ・ルーカスがもし今、続編を作るとしたら」という発想の下、構想を練り、製作前にルーカス氏本人からアドバイスを受けたということで、しっかりとSWの世界観も受け継いでいる。
映画「スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー」は、旧3部作の「スター・ウォーズ/ジェダイの帰還(エピソード6)」の後の世界が舞台。ドラマ「マンダロリアン」シリーズが、「エピソード6」の5年後から始まっているが、時系列ではその後ということになる。
ドラマではダース・ベイダーの死後、帝国が崩壊し、無法地帯と化した銀河で、帝国軍の残党が暗躍する中、全身を装甲とヘルメットで覆った伝説の賞金稼ぎのマンダロリアンが、ある依頼をきっかけに、幼い孤児のグローグーと出会う。出会ったときは、名前が分からなかったが、シーズン2で元ジェダイ・ナイトのアソーカ・タノから“グローグー”という名前だと知らされた。
一時、ジェダイのルーク・スカイウォーカーに託し、離れていた時期もあったが、グローグーが自分で選択してマンダロリアンの元に帰ってきた。シーズン3の終わりには、2人の師弟関係がしっかりと築かれている。
■「ファンタスティック4―」のペドロ・パスカルが主演
あらためてタイトルロールの2人を紹介すると、マンダロリアンは、どんな仕事も完璧に遂行する伝説の賞金稼ぎ。本名はディン・ジャリンで、子どもの頃に両親と離れ、孤児となった彼を戦闘民族のマンダロリアンが引き取り、立派な戦士へと育て上げた。
名前を捨て、素顔を決して他人に見せないのがマンダロリアンの掟。その掟に従う姿勢を示す言葉として「我らの道(This is the way)」が用いられる。ドラマシリーズから通して耳にする言葉だ。最強の合金である“ベスカー”を使ったアーマーを身に着けており、背中に装備するジェットパックで飛ぶこともできる。
演じるのは、2014年にドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」でオベリン・マーテルを演じて注目され、「キングスマン:ゴールデン・サークル」などに出演したほか、2025年には「ファンタスティック4:ファースト・ステップ」のリード・リチャーズ/ミスター・ファンタスティックも演じたペドロ・パスカル。
一方、グローグーは強大なフォースを秘めた特別な存在。身長は35cm前後と言われており、年齢はおよそ50歳になる。ただし長寿の種族のため、50歳でもまだ言葉も話せない赤ん坊。好奇心旺盛、イタズラ好きな食いしん坊であるところからして子どもっぽい。
まだまだ生態が明らかになっていない部分も多いが、フォースの力を持つがゆえに、常に帝国の残党たちに狙われている。ドラマのシーズン1~3までの間で、マンダロリアンと父子を超える固い絆も結ばれ、成長もいろんなところで感じることができる。

■“帝国の残党”を探すべく動き出す
「マンダロリアン・アンド・グローグー」は、そんな2人が共に行動し、活躍する物語となっている。新共和国の軍人・ウォード大佐が、帝国の残党たちとの新たな戦争を防ぐべく、マンダロリアンに“残党たち”を探し出すことを依頼する。2人は手掛かりを求め、犯罪王ジャバ・ザ・ハットのいとこで双子のギャング、ハット・ツインズ(ハット・シスターとハット・ブラザー)に会いに行く。
情報提供と引き換えに彼らが要求したのは、幼い頃に誘拐されたジャバの息子“ロッタ・ザ・ハット”を奪還すること。なんとかロッタのいる星にたどり着くことができ、ロッタとも会うことができたが、予想していなかった状況に、戸惑う様子が見られた。
今作の重要キャラの1人、ウォード大佐を演じるのは、「エイリアン」シリーズをはじめ、「アバター」シリーズにも出演しているシガニー・ウィーバー。大佐という役職にもふさわしい貫禄が感じられ、こちらもハマり役と言える。予告でも見られるが、グローグーがフォースを使ってつまみ食いをしようとするのをノールックで皿を押さえて阻止する、冷静さも持ち合わせている。
本作は、冒頭から雪景色の中でのハラハラする戦闘シーンで、SWシリーズらしさをしっかりと見せてくれていて、この戦闘シーンを見るだけでも、大きなスクリーンで見る価値がある。物語の中では“帝国軍の残党を一掃する”という目的がありつつ、マンダロリアンとグローグーの“父子”同様の関係についても考えさせられるものがあり、感情移入して見られる没入感もある。
■「予習は不要」で楽しめる最新映画
ドラマシリーズがあって、SWシリーズでのおなじみのキャラクターたちも登場するが、監督や製作陣が「SW初心者でも楽しめる」「予習は不要」とコメントしている通り、ドラマ未見の人やSWシリーズにあまり詳しくないという人も、本作単体で楽しめる作品にもなっている。
いたずら好きで食いしん坊のグローグー。特別な力を持っていることで狙われているが、父親のように“必ず守ってやる”という気持ちでグローグーのそばにいるマンダロリアンとの関係や、彼らの絆さえ分かっていれば、それだけで物語の世界にすんなりと入っていける。
ジャパンプレミアも開催され、間もなく公開へ。7年ぶりの“SWの劇場最新作”は、映画館の大きなスクリーンで迫力のある映像と臨場感を味わってもらいたい。
映画「スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー」は、5月22日(金)に日米同時劇場公開、「スター・ウォーズ」過去作や関連作はディズニープラスで配信中。
◆文=田中隆信

