大阪都構想の3度目の住民投票が来春、実施される公算が大きくなった。
維新の大阪市議団は5月20日に会合を開き、大阪都構想の設計図を作る法定協議会の設置議案について、賛成する方針を決定。また、都構想の住民投票実施時期については、来春の府知事選と同日を目指す方針を固めた。
吉村洋文府知事(日本維新の会代表)はこれまで、法定協議会設置や住民投票に慎重な市議団の説得に苦心してきた。市議団は議案に賛成する条件として、吉村氏の次期知事選への再出馬を要求。吉村氏はそれを飲む形で、5月17日の記者会見で立候補を表明した。
ただし、これと引き換えに、吉村知事は市議団に対し、立候補の条件として知事選と同日の住民投票を求めていた。最終的に市議団は容認し、設置議案への賛成を決定。大阪市議会は維新が過半数を占めているため、5月27日の本会議で法定協議会の設置議案が可決される見通しである。
大阪市議補欠選挙で「都構想反対」への票が上回った
ところが、だ。この大阪都構想に行方について、維新創設者で前大阪府知事の松井一郎氏は「厳しい」との見方を示している。
5月21日放送の「じゅーっと!」(読売テレビ)に生出演した松井氏は、5月17日に行われた大阪市議補欠選挙(西区選挙区、欠員1)で、維新の新人が初当選(9162票)したものの、自民の候補(8999票)とは163票差の辛勝だったことを受け、都構想の行方をどう占うか問われた。
それに松井氏は「いや、厳しいね」と即答し、続けて次のように説明したのである。
「選挙は維新の候補者が勝ったけど、自民党の候補者との差って163票でしょう。もうひとりの無所属の方が2732票でしょう。自民党と無所属の方は、おふたりともこの選挙では都構想反対と訴えていた。この二人が、反対票の方が上回ってしまっている」
来年4月の統一地方選までの間に様々な手続きが必要で、スムーズに住民投票にたどり着ける保障はない。しかも先の補選では薄氷の勝利に加え、投票率が24.10%と低調で、争点になった「都構想」への住民の関心の低さが露呈した。
住民投票が実施されたとしても、勝てるかどうかは疑わしい。都構想の先行きは不透明だ。
(鈴木十朗)

