こう口を揃えるのはフジネットワーク系列局で、愛知県名古屋市に本社を構える東海テレビ放送の複数の社員たちだ。小島氏とは、東海テレビの元会長で現相談役の小島浩資氏(67)のことである。
小島氏を巡っては’25年11月に週刊新潮が、セクハラ疑惑を報道。’22年ごろ「女性社員との交流」と称して飲み会をセッティングし、小島氏は20代の女性に「キスしてよ」と発言したり、妊娠中だった30代女性のお腹に頬を寄せて「俺の子か?」と聞いたという。記事には頬にキスされている場面や、お腹に顔を寄せる小島氏の写真が掲載されている。
報道を受け、東海テレビは外部メンバーを含む調査委員会を設置。報道から1カ月後の12月24日に調査報告書が公表され、林泰敬社長が会見を開いた。
報告書は小島氏によるセクハラ行為はなかったとする一方で、「写真を撮られるような行動自体が極めて不適切」などと指摘し、小島氏は会長と取締役を辞任。会見に小島氏の姿がなかったことを質問された林社長は「昨日(12月23日)付けで会長を辞任しているため」と説明している。
しかし、今年1月27日付で小島氏が東海テレビの相談役に就任していたことが、2月に判明した。この人事について、東海テレビの社員たちが心境を口にする。
「わずか1カ月で復帰するとは…。出来レースか、単なる会見逃れだったのか。会社のセクハライメージを払拭するため、社員が懸命になっているのに、何のために復帰するのか。意味がわからない」
「自社の不祥事にもかかわらず、会見せずに辞任。そして復帰なんて…。今後、私たちは報道機関として企業の不祥事を追及することができない」
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調査委員会による報告書はセクハラを否定
「調査委員会メンバーは弁護士H氏、地元の大学教授A氏、東海テレビ常勤監査役N氏の3名ですが、H氏とA氏は東海テレビのコンプライアンス担当であり、月々の手当てをもらっている人たちです。つまり、東海テレビとは長年にわたって取引関係にある2人であり、外部委員とは呼べない。むしろ内部委員なのです。長く社長・会長を務めた小島氏とも極めて近い」(前出・関係者)
もともとH氏とA氏は、’12年に東海テレビが番組内で不謹慎なテロップを流した“セシウムさん問題”を機に設置した第三者機関のメンバー。H氏は’12年の発足当初から名を連ね、A氏は’16年からの参加が確認できる。さらに、N氏は監査役に就任する前は秘書室長で、小島氏の側近だった人物だという。
「秘書室長から監査役に引き立てたのも小島氏であり、不利な内容にするわけがない。こうした状況は、ほぼ全社員が知っており、会社側は人選について『急いでいたから』と説明していましたが、社内ではそもそも真相を究明するスタンスになかったと考えられています」(同)
新潮は小島氏が、あるスポンサー企業トップのために、女性アナウンサーとの飲み会接待をしていたとも報じた。しかし、会社側は「女性活躍のための意見交換、懇親だった」として、接待であることを否定している。
「新潮が伝えた飲み会の後、スポンサー企業トップを囲んで当該の女子アナだけでなく、若手女子アナも含めたパーティーが、スポンサー企業の屋上で開かれました。社内では『女子アナによる接待パーティーではないのか?』との声が上がっています。営業部でもない女子アナが、なぜパーティーに行く必要があったのか。仮に『女性活躍のため』というならば、なぜ他の女性社員は呼ばれないのか。スポンサーにもかかわらず、営業の女性社員には声がかかっていないのです。となると、先の女子アナ飲み会についても女性活躍推進というのは、まったく説得力がありません」(営業局員)
「一番の問題は、調査委員会が新たな情報を得ていながら、調べなかったことです。メンバーの中には社内の監査役もいたわけで、会社側が新たな情報から目をそむけ、小島氏を相談役に復帰させるところに、会社の体質が何も変わらない問題がある」(報道局員)
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東海テレビが回答「確認できておりません」
昨今は企業の不祥事が発覚した際、企業から独立した第三者委員会が設置されることも多くなってきた。その理由について、日本弁護士連合会によるガイドラインには《経営者等自身による、経営者等のための内部調査では、調査の客観性への疑念を払拭できないため、不祥事によって失墜してしまった社会的信頼を回復することは到底できない》と記されている。
ここ数年は旧ジャニーズ事務所問題、フジテレビ問題などが取り沙汰され、企業体質の改善や透明化が、より一層求められてきた。しかし、「小島氏の相談役復帰を正式に社内で発表しておらず、報道で知ったという社員も少なくありません」(若手社員)という。
「復帰が報道された時も、社内では『見せるな、広めるな』と指示が出ました。隠さなければならない事実ならば、復帰させなければいいではないですか」(同)
現在、局内では林社長がスモールミーティングと称し、社内の各部署を回って対話集会を開いているそうだ。会社への不満や一連の事案などについて話すというが…。
「林社長も飲み会に同席していたこともあってか、『問題ない』という態度で接してきます。セクハラはもちろんですが、報道機関のトップが、あのような醜態をさらし、特定の女性社員と写真をご機嫌よく撮っていることを問題視しているのに、危機感がない。そんな空気が経営陣に蔓延しているためか、社内は諦めムードです」(同)
一連の疑惑について東海テレビは、以下のように回答している。
まずITゲーム会社の社長との飲み会については、
「小島氏は、業務上、企業関係者等との会食・懇談を行っておりました。一方で、派遣社員女性による抱擁やキス等の接待行為については、当社として確認できておりません」
次に女子アナ接待パーティー疑惑については、
「スポンサー企業等との懇親会については、業務遂行上の必要性を踏まえ、参加者を適宜決定しております。当該懇親会には、営業部員が参加する場合もあり、参加者が女性アナウンサーのみに限定されていた事実は確認されておりません。また、女性社員を含む複数の社員が参加した事実があります」
そして調査委員会メンバーの人選については、
「調査の目的・内容を踏まえ、専門性および職務上の知見を考慮して委員を選定しております。当社としては、当該調査の公平性および客観性は確保されているものと認識しております」
小島氏のセクハラ疑惑報道や相談役復帰について、放送行政を所管する総務省は、こうコメントしている。
「放送法による『表現の自由』を確保するため、基本的に行政が関与することはありません。しかし、ガバナンスを確保することは重要と考えております。今回のケースでは、調査委員会を設置するなどの対応も見られました」(総務省東海総合通信局)
前出の社員は、最後にこう語った。
「小島氏の口癖は『俺がこの会社にいるうちは、女性トラブルは出世の妨げにならない。不倫とか否定したら、自己否定になるだろ』。自分の女癖の悪さを開き直っていました。社員は皆、ドン引きでしたが、本人はそれが格好いいと思ってるんですかね…。軽佻浮薄と皆から思われてんですけどね。事実、女性トラブルのあった人たちも、子飼いはドンドン出世しています。おかしな会社です」
同じように女子アナをホステス扱いした系列局のフジテレビは徹底的に叩かれ、旧体制の退任や番組改編など、立て直しに躍起になっている。系列局ゆえ、それを知らないはずもないだろうが、東海テレビはどうーなってるの?!
取材・文/週刊実話編集部
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