NBAで“次のアメリカ人MVP”は誰か――
近年、この時期になると現地メディアで巻き起こる議論が、今年も繰り返されることとなった。
現地時間5月17日、NBAは2025-26シーズンのMVPを発表し、オクラホマシティ・サンダーのシェイ・ギルジャス・アレキサンダー(SGA)が選出。カナダ人ではスティーブ・ナッシュに次ぐ2人目、史上14人目の2年連続受賞を果たした。
これで、リーグでは直近8シーズン連続で“アメリカ以外の出身者”が最高の栄誉を手にする結果となっている。最後にMVPに輝いたアメリカ人選手は、2018年のジェームズ・ハーデンだ。
■直近10年のMVP受賞者
2016-17:ラッセル・ウエストブルック(サンダー)※アメリカ出身
2017-18:ジェームズ・ハーデン(ロケッツ)※アメリカ出身
2018-19:ヤニス・アデトクンボ(バックス)※ギリシャ出身
2019-20:ヤニス・アデトクンボ(バックス)※ギリシャ出身
2020-21:ニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ)※セルビア出身
2021-22:ニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ)※セルビア出身
2022-23:ジョエル・エンビード(76ers)※カメルーン出身(アメリカ国籍も保持)
2023-24:ニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ)※セルビア出身
2024-25:シェイ・ギルジャス・アレキサンダー(サンダー)※カナダ出身
2025-26:シェイ・ギルジャス・アレキサンダー(サンダー)※カナダ出身
国際化を進めるNBAにとって、世界中からベストプレーヤーが集う現状は歓迎すべきものだが、その一方で自国の選手がリーグNo.1の称号を長らく得られていない状況に、危機感を覚えている関係者も少なくないだろう。
MVPを受賞できていないうえ、今季を含む直近5シーズンは、投票のトップ3を海外出身選手が独占している(最後にトップ3に入ったのは、2021年3位のステフィン・カリー)。
上記の受賞経験者以外にも、ルカ・ドンチッチ(スロベニア出身)やヴィクター・ウェンバンヤマ(フランス出身)など、新たなMVP候補が控えており、この流れはしばらく続きそうな気配だ。
そんななか、現地メディア『SB Nation』は、次のアメリカ人MVP候補をランキング形式で紹介。「可能性は低いが、ウェンバンヤマが向こう7年間のMVPを総なめにする雰囲気さえある。次のアメリカ人MVPが登場するまでには、長い時間がかかるかもしれない」とした上で、下記の選手をリストアップした。
1. キャメロン・ブーザー(デューク大/18歳)
2. クーパー・フラッグ(マーベリックス/19歳)
3. ケイド・カニングハム(ピストンズ/24歳)
4. アンソニー・エドワーズ(ウルブズ/24歳)
5. チェット・ホルムグレン(サンダー/24歳)
6. ラメロ・ボール(ホーネッツ/24歳)
7. ダリン・ピーターソン(カンザス大/19歳)
同メディアが1位に置いたのは、なんとまだNBA入り前のキャメロン・ブーザー。2000年代にユタ・ジャズなどで活躍した元オールスターフォワードを父に持つ18歳は、今季デューク大で平均22.5点、10.2リバウンド、4.1アシストをマークし、全米の大学最優秀選手に選ばれた。本記事を執筆したリッキー・オドネル記者は、「私見では2026年のドラフトで最高の選手」と評している。 2位には、今季新人王のフラッグがランクイン。同記者は「NBA選手の全盛期が24~28歳だとすれば、フラッグがそのレベルに到達するのは2030-31シーズンになる。リーグ史上、24歳になる前にMVPを獲得した選手は8人しかおらず、フラッグがそれを成し遂げれば、史上屈指の軌跡をたどることになるだろう」と期待を寄せた。
3位以下は、カニングハム、エドワーズ、ホルムグレン、ボールと、現在24歳ですでにオールスターに選ばれ、まだ伸びしろを残す有望株が並んだ。
7位のピーターソンもブーザーを同じく、今年のドラフト上位候補で、今季はカンザス大で平均20.2点をマーク。得点力が売りのコンボガードとして、将来を嘱望されるタレントだ。
本記事ではドノバン・ミッチェル(キャバリアーズ/29歳)やジェイレン・ブランソン(ニックス/29歳)、ジェイソン・テイタム(セルティックス/28歳)など、すでにベテランの域に入りつつある選手にも触れられているが、ヨキッチやSGA、ウェンバンヤマらが今後しばらくMVP争いを繰り広げそうな現状では確かに可能性は低い。
新たなアメリカ人MVPの誕生は、いつ、そして誰になるのか。今後のNBAを楽しむポイントのひとつとして、注目していきたい。
■2025-26シーズン MVP投票結果
※100人のメディアによる投票で決定。数字は左から合計ポイント(1位票-2位票-3位票-4位票-5位票)。1位票=10ポイント、2位票=7ポイント、3位票=5ポイント、4位票=3ポイント、5位票=1ポイント
1. シェイ・ギルジャス・アレキサンダー(サンダー)/939(83-13-3-1-0)
2. ニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ)/634(10-48-37-4-1)
3. ヴィクター・ウェンバンヤマ(スパーズ)/569(5-36-47-10-2)
4. ルカ・ドンチッチ(レイカーズ)/250(0-1-8-60-23)
5. ケイド・カニングハム(ピストンズ)/117(2-1-3-11-42)
6. ジェイレン・ブラウン(セルティックス)/89(0-1-2-14-30)
7. カワイ・レナード(クリッパーズ)/1(0-0-0-0-1)
7. ドノバン・ミッチェル(キャバリアーズ)/1(0-0-0-0-1)
構成●ダンクシュート編集
【画像】シャック、アイバーソン、コビー、レブロン、カリー、ヨキッチ…2000年以降のMVPを受賞当時の写真で一挙振り返り!

