この春に上京した新入学の女子大生らに向けて、警視庁が異例の注意喚起を行った。いわく、
「違法営業の店で働かないように」
至極当たり前の言葉に思えるが、きっかけとなった「事件」がある。無許可で女性従業員に男性客への接待をさせたとして、東京・歌舞伎町などのガールズバー4店舗を、5月18日に一斉摘発。経営者や従業員ら5人を逮捕したのだ。
ガールズバーでいわゆる「接待行為」をするには、風俗営業許可が必要となる。通常、ガールズバーは飲食店として届け出を行い、営業しているため、キャバクラのごとき接待は違法となる。
たとえカウンター越しであっても、客と一緒にカラオケに興じたり、特定の客と長時間の会話に及んだりするのはNGで、隣に座って話したり飲んだりするのはもちろん、アウトだ。
今の女子大生にとって、ガールズバーはもはや「特別な夜の店」ではなくなった。TikTokやInstagramでは〈学校終わりにゆるく稼げる〉〈コンカフェ感覚〉〈週1OK〉〈顔出し不要〉〈友達と応募歓迎〉といった募集動画があふれている。そこには、かつてのおじさん世代がイメージする「水商売の怪しさ」はほとんどない。
「コンカフェとの違いがわからなかった」
「時給3000円」「ノルマなし」という好条件に魅力を感じ、「普通の接客バイト」感覚で応募する女子学生は少なくないという。特に地方から上京した新入生は生活費や美容代、推し活資金が欲しいばかりに、入学直後から夜バイトを始めるケースは珍しくない。厄介なのは、本人たちに「実は違法店で働いている」意識が薄いことだ。
「カウンター越しに話すだけだと思った」
「コンカフェとの違いがわからなかった」
そんな声は多く、実際には客の隣に座る、長時間接客する、カラオケを盛り上げるなど、風営法上の「接待」に該当する行為を求められるケースがある。とりわけ歌舞伎町周辺では、SNS経由で若い女性を集める「ゆるふわ夜職」が急増中だ。
業界関係者が明かす。
「今の18歳や20歳は、ガールズバーをキャバクラ的には思っていません。感覚としては『ちょっと時給のいい飲食バイト』に近い」
警視庁が新入女子大生にまで警戒を呼びかける背景には「違法と知らずに夜の街へ流れ込む普通の女子大生」の急増があったのだ。
(カワノアユミ)

