
仲間由紀恵さん(2023年05月撮影、時事通信フォト)
【画像】え、「なんか似てる」「輪郭や目鼻立ちが」「美人」 コチラが実は外国人だった『風、薫る』千佳子(仲間由紀恵)の「モデル」の写真です
立派な人物だったらしい
2026年前期の連続テレビ小説『風、薫る』第8週では、主人公「一ノ瀬りん(演:見上愛)」が担当する患者で、乳がんを患った侯爵夫人「和泉千佳子(演:仲間由紀恵)」が注目を集めています。実は彼女にはモデルになった人物がいるのですが、肝心とも言える部分が変更されているようです。
華族で元は武家の娘である千佳子は、手術を受けてまで生き永らえたい恥知らずではないと、意地を張っていました。しかし、39話では同じく武家出身のりんに、夫「元彦(演:谷田歩)」との思い出を話し、手術を受けて胸がなくなるのが悲しいと、本音を語っています。「どうしてこんな意地悪な病がこの世にあるのかしら」と泣く千佳子を、りんが「『死にたくない』『生きたい』と思うことは、恥ずかしいことではありません」と励ます場面には、感動の声が相次ぎました。
りんの「モチーフ」になった人物で、日本の看護婦の草分け的存在である大関和(おおぜき・ちか)の生涯について書かれた『風、薫る』の原案書籍『明治のナイチンゲール 大関和物語』(著:田中ひかる)には、和が実習を始めたばかりの頃に乳がんになった侯爵夫人の看護をした話が載っています。
1888年10月から帝国大学医科大学付属第一医院(現:東京大学医学部附属病院)で実習をすることになった和は、外科病棟に配属され、入院してきた三宮八重野の看護を任されたそうです。八重野は華族で外交官の三宮義胤の妻で、夫が英国留学中に出会い、1874年に結婚したイギリス人でした。彼女は生地商であるウィリアム・レイノアの娘で、改名前はアリシアという名前です。
「モデル」は外国人で千佳子と大きく違いますが、現存する八重野の写真を見ると、白黒で粗い画質ながら、目鼻立ちがはっきりした丸顔の美人であることが分かり、仲間由紀恵さんに似ているようにも見えます。日本の俳優が演じるために設定は変えたものの、顔は似ているキャストを選んだのかもしれません。
また、『明治のナイチンゲール 大関和物語』では八重野が手術前に悩んだというような話はなく、名前が出てきてすぐに彼女が手術を受けたことが書かれています。この際、執刀医のドイツ人ユリウス・スクリバに器具を手際よく渡す看病婦がおり、彼女の腕前は見学していた和に大きな影響を与えたそうです。手術は成功し、八重野は1919年まで生きたといいます。
ちなみに、八重野は自分と同時期に入院してきた「女郎」を、優しく気遣ったという逸話が残っています。当時、客と心中しようとした女郎が剃刀で喉元を切るも死にきれず、第一医院に運び込まれてきました。すると、八重野は自分に見舞いで届けられた果物や洋菓子をカゴに詰め込み、日本語の新約聖書と一緒に女郎の元に届けるよう和に渡してきたそうです。
本名は山本キクというその女郎が受け取った聖書を開くと、そこには八重野からの「明日のことを思い煩うな、明日は明日みずから思い煩わん。一日の苦労は一日にて足れり」というメッセージが書かれていました。キクに、「余計なことを心配せず、目の前のことに集中しろ」と伝えたかったようです。
『風、薫る』では、もうひとりの主人公「大家直美(演:上坂樹里)」の実の母が、「夕凪」という女郎ではないかと話題になっています。今後、夕凪が直美たちの元に患者として運び込まれ、千佳子が八重野のように彼女に優しくする、という展開はあるかもしれません。
※本文を一部修正しました。(2026年5月22日9時10分)
