「国がガソリン、リッター170円に抑制し続けるのは無理がある」
ついに自民党の幹部、萩生田光一幹事長代行が「高市じゃぶじゃぶ補助金ガソリン政策」にダメ出しだ。
この発言が飛び出したのは、5月18日の萩生田氏の記者会見。高市早苗首相が夏場の電気・ガス料金支援のため、2026年度補正予算案編成の検討を指示した関連会見の席でのことだ。ガソリン代はこれまで同様に補助することから、補正予算は3兆円規模が予測される。
ところがその日、円は一時159円台前半に下落。株価は3日連続で下がり、終値は前週末比593円安に。長期金利は29年ぶりの2.8%にまで上昇するトリプル安だった。
これは補正予算での財政悪化への懸念と、抜本的対策もないままガソリン補助金をタレ流す高市政権への市場警告。これに危機感を覚えた萩生田氏が高市首相に方針転換を促したという流れだろう」(エコノミスト)
この萩生田発言に敏感に反応したのが、「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)に出演するコメンテーターの玉川徹氏だった。
「僕は萩生田幹事長代行がおっしゃっているのは、その通り(だと思う)」
その上で、危機感をあらわにしたのである。
「長期金利は高市政権になって1%くらい上がり、10兆円以上、利払いで払う。そのツケは国民の支払いだ。そして円はさらに安くなる可能性があるので石油価格はさらに上がり、上がった分をどんどん税金で補てんする流れ。そんなもの、早くやめた方がいい」
シンナーを使う塗装工事業の倒産は26.3%増
自民党の小林鷹之政調会長も5月21日の記者会見で、ガソリン170円抑制対策の見直しが必要との認識を示した。だが、運送業関係者はこう言う。
「今はギリギリで車を動かしている業者が多い。例えばトラック15台で従業員20人の企業の場合、ザックリ言えば、軽油が1円上がれば月負担は40万増で、年間では480万円増える。150台の大手なら1円増で月400万円、年間で4800万増。もし補助金が切られ、軽油がリッター5円アップなら、150台の会社は年間2億4000万増です。これに人件費や諸経費がのしかかれば、あっという間に経営が瀬戸際に追い詰められるところが続出するでしょう」
東京商工リサーチが今年4月に実施した「中東情勢」に関するアンケート調査では、道路貨物運送業では97%(168社中163社)が「事業活動にマイナス影響が出ている」と回答している。シンナーを使う塗装工事業の倒産は2026年1月から4月の累計で48件と、前年より26.3%も増えた。
つまり問題は、高市政権がこれまで原油とナフサ対策で奔走しているものの、「大丈夫」と公言するほど、ガソリン高騰に向けた足腰の強い経済にはなっていないことにある。
支持率命の高市政権だけに、ガソリン補助金ストップによる暴騰で、その支持率が大暴落する危機の到来も考えられる。それだけに、萩生田氏らが指摘したように「痛み止め注射」の補助金タレ流しをスパッと止められるか。まさに正念場なのである。
(田村建光)

