安全管理や教育内容などが「学校基本法」に違反しており、「きわめて不適切」。そんな調査結果を5月22日にまとめたのは、文部科学省である。
今年3月、沖縄県名護市辺野古沖で在日米軍への抗議活動に使われていた小型船2隻が転覆し、研修旅行中の同志社国際高校(京都府京田辺市、西田喜久夫校長)の女子生徒ら2人が死亡、14人が重軽傷を負った事故に関するものだ。
文科省が同志社国際高校を運営する学校法人同志社(京都市上京区)を指導したのだが、これに罰則はない。とはいえ、学校法人同志社への私学助成金の全面凍結や減額は確実で、改善が認められない場合は「私立学校法」と「学校教育法」に基づき、法人役員の解職勧告、募集停止、学校閉鎖命令を出すことができる。
国土交通省も同日、転覆事故を起こした「ヘリ基地反対協議会」所有の「不屈」船長、日本基督教団佐敷教会牧師の金井創氏(転覆事故で死亡)を、海上運送法違反で海上保安庁に告発した。
同志社国際高校とヘリ基地反対協議会は事故当日、「波浪注意報」が出ていたのになぜ、珊瑚礁が入りくみ海流が複雑な辺野古沖への「死のクルーズ」を欠航したのか。
背景にあるのは、沖縄県と沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)が1億2500万円の県予算をつけている「修学旅行需要分散・時期平準化促進事業」だ。
沖縄県は全国の小中高校の修学旅行、研修旅行が一定条件を満たせば「生徒1人あたり最大1万円」の補助金を出している。その一定条件とは、
①珊瑚礁の保全学習やマングローブ林見学などの自然・環境(SDGs)の体験学習
②シーサー作り、陶芸などの伝統工芸、伝統料理 体験学習
③平和祈念公園の訪問、戦争体験者の講話などの平和学習
これらを子供たちに強制体験させることである。
民泊トラブル・カヤック転覆・落石事故も…
ところが①~③の学習事業者には、前述の「ヘリ基地反対協議会」など国土交通省に「事業登録」を届け出ていないモグリの事業者、在日米軍反対運動団体、沖縄県とは無縁の市民団体がズラリと名前を連ねている。
沖縄県は転覆事故後「修学旅行需要分散・時期平準化促進事業」事業者選定に不備があったことを認め、これから事業者の調査をするという無責任ぶりを晒した。
しかも事故が起きた2025年度は、沖縄県の玉城デニー知事が在日米軍の辺野古新基地反対運動に県予算1億8000万円を計上していた。これらの空気感に加え、年度内に同志社国際高校2年生約150人分、150万円の補助金を受け取るために、同校と「ヘリ基地反対協議会」が辺野古沖遊覧を強行した可能性が浮上する。
沖縄の平和学習をめぐっては、生徒が一般市民の家に泊まる「民泊」でスマートフォンを取り上げられるトラブル、カヤックの転覆、落石などの重大事故が過去にも起きている。
今年9月の沖縄県知事選に出馬表明しているデニー知事は「(ヘリ基地反対協議会に)直接、金品を渡していないし、指示もしていない」とし、転覆事故について行政上の責任はないと主張している。
(那須優子)

