吉本新喜劇の座員・大塚澪による初の著書『ゾンビメンタル どんなにヘコんでもすぐに復活する人の思考法』(東洋経済新報社)が、5月13日(水)に発売されました。これを記念して同日、吉本興業東京本社で合同取材会が開催。大塚が「よしもと新喜劇NEXT~小籔千豊には怒られたくない~」(MBS)で共演する小籔千豊も登場し、本書のテーマである”怒られ力”について語り合いました。

若い世代に役立つ「アンガー“され”マネジメント」
本書は、自称“吉本一怒られてきた芸人”である大塚が、約20年にわたる膨大な「怒られデータ」をもとに、どんなにヘコんでもすぐに復活する「ゾンビメンタル」を手に入れるメソッドを体系化したものです。
吉本興業内の「出版チャレンジ企画」で約30人がプレゼンするなか、大塚が1位を勝ち取って出版にこぎつけました。取材会で大塚は、その企画テーマについてこう切り出しました。
「子どものころからすごく人に怒られやすい性格だったんです。でも、怒ってくれた人を嫌いになっていない。なんなら怒られる前よりも、その人と仲良くなっている。これって、いまの若い世代に足りていないことなんじゃないかと思いました」

大塚は、アンガーマネジメントの逆を行く「アンガー“され”マネジメント」が重要だと語ります。
「怒りのダメージを最小限にして、プラスに転換する究極の方法を、心を全裸にして書きました。喜ばれる怒られ方や、怒られることをポジティブに捉える方法を書いています。新喜劇の諸先輩方からいただいたありがたい説教も、こと細かく書かせていただきました」
記憶に残る”怒られエピソード”を問われた大塚は、真っ先に小籔から受けた指導を挙げました。大塚は20歳ぐらいのころ、オペラを歌いながら亀甲縛りをする“エロオペラ”のネタをやっていたそうです。それを見た小籔から「『そんなこと辞めぇ』って怒っていただいた」と振り返ります。

さらに大塚が「あのときのエロキャラを払拭するための本です。真面目になります」と宣言すると、横で聞いていた小籔が、すかさず「そこまでエロキャラは浸透してないけどな。エロキャラでおなじみみたいな言い方してること自体がおこがましい」とツッコミ! ここでも“怒られ”が炸裂し、会場から笑いがこぼれました。
小籔は当時を振り返って、きれいな歌声を響かせながら自ら紐をくくっていく大塚の姿に強い違和感を覚えた、と言います。
「若い姉ちゃんが自分で体を縛り出して、しかもきれいめな方となると、笑いとして観るよりも女性的なエロい目で見られることが多くなる。もしエロオペラで売れたら、際どい水着も着せられて、というふうになっていく。本人のやりたいことは違うのに、ファーストタッチで世に出るかたちがエロだと、お先真っ暗なので」

島田珠代の「そんな特技、くれたれ」に感銘
もう一つ、大塚の心に深く残っているのが、島田珠代から怒られた言葉だとか。新喜劇に自分と似たキャラクターや特技を持つ後輩が入ってきたときに、大塚は「私が最初にやってたのに……」とウジウジする時期があったそうです。
「そんな私を見た珠代姉さんが、『そんな特技、くれたれ。あげたれ』って。『あげて残ったところに、その人の本来の価値が生まれるから、何にもなくなったときに何ができるかを考えなさい。それは誰にも盗めないものだから、そこを磨くのが大事』と言っていただいたのが、すごく印象に残っています」
大塚はこの本を通して伝えたい、失敗を恐れて挑戦できない人や、日常生活で怒られるのが怖い人へのメッセージも語りました。
「自己啓発本の中でいちばん簡単な1冊だと思っています。難しい言葉は書いていないし、お笑いの話もちょっと書いてある。エピソードトークの作り方や、ツッコミの仕方も書いてあります。怒られることは仕方ないし、挑戦できない気持ちも仕方ない。
それを受け入れたあとに、どうやって笑いに昇華するか。人間味の追加として、面白い話の一つや二つ持っていたほうがいいじゃないですか。そういうストレスの転化方法を書いているので、勉強していただけたら嬉しいです」

小籔も「怒られたことをガンスルーすると、また同じ問題を起こしてしまうから損。防御のためにも直せるところは直していったほうがいい」と語りつつ、「大塚ちゃんのほうが僕より怒られてきているし、”怒られのプロフェッショナル”。本を読んで大塚ちゃんのテクニックが役立つ人がいたら」と本書に太鼓判を押しました。