オクラホマシティ・サンダーとサンアントニオ・スパーズによるウエスタン・カンファレンス決勝の第2戦は、昨季王者サンダーがスパーズを122-113で下し、1勝1敗のイーブンに持ち込んだ。
この試合でサンダーの勝因のひとつとなったのは、ヴィクター・ウェンバンヤマの得点をセーブしたこと。第1戦で、ウェンビーは41得点。2度の延長の10分間を除けば27得点を決めていたが、この2戦目では前半7得点、計21得点と抑え込んだ。
この任務を請け負ったのは、アイザイア・ハーテンスタイン。昨季の優勝メンバーでもあるビッグマンはウェンビーを徹底マークし、文字通り体当たりのディフェンスで、224cmのポイントゲッターをゴールから遠ざけた。
「とにかく、よりフィジカルに当たって、リム付近で楽に得点させないようにした。もちろん、彼ほどの素晴らしい選手なら、それでもやられることはある。ただ、いかにそれを難しくさせるかが大事だった。チーム全体として、前の試合よりも良い仕事ができたと思う」
キャリア8年目のセンターは、試合後にそう手応えを語った。
第1戦では出場時間がわずか12分に限られたが、この日は27分コートに立ち、10得点に13リバウンド。とりわけオフェンシブ・リバウンドは8本と、セカンドチャンス創出にも精を出した。
ハーテンスタインはマーク・ダグノーHC(ヘッドコーチ)から試合の前日、「明日はもっと君の番号が呼ばれることになると思うから、しっかり準備しておいてくれ。少し違うことを試そうと思っているんだ」と言われたという。
指揮官が試合後の会見で明かしたところによれば、ハーテンスタインをウェンバンヤマにぶつけた戦略については2つの思惑があった。
ひとつは、第1戦でウェンバンヤマにゴール下から決められた得点が、“再現性”の高いものに感じられ、これについての対策が必要だと判断したこと。
そしてもうひとつは、初戦のハーテンスタインのプレータイムが12分に限られたことを苦痛に感じていたこと。彼をよりフロアに立たせる方法を考慮したところ、それがウェンビーとのマッチアップだった。
「1戦目は、レギュラータイム(第4クォーターまで)で101失点。彼らはショットの質の割にはよく決めていたと思う。打たせたショットの質で言えば、こちらの狙い通りだった。ただ、彼(ウェンバンヤマ)のリム周りでのショットだけが例外だった。あれは“サステナブル”だな、と感じたので、修正が必要だと思った」 時にはゴール下でウェンバンヤマの腕を抱え込むような、笛を吹かれてもおかしくないファウルぎりぎりのプレーもあり、ネット上にはハーテンスタインのディフェンスを「ダーティーだ」と非難する声も見られるが、チームのエースであるシェイ・ギルジャス・アレキサンダーは、「こういうチームメイトがいることで、良い結果を手にできる」と擁護している。
「彼はチームの支柱であり、チームのために身体を張ってくれる。スクリーンをかけ、リバウンドを取り、とにかくフィジカルだ。それだけじゃなく、すごくスキルもある。パス、ポケットでのプレー、次のプレーにつなげる動き...本当に僕らの助けになってくれている。そんな彼の重要性が、この大事な試合で証明された」
オフェンスでも、ハーテンスタインがウェンバンヤマの頭越しにフローターを決める場面があったが、ウイングスパンの長い相手の孤の高いショットは、トレーニング時に、ビデオの撮影隊にカメラ用の延長ポールを立ててもらって練習しているのだという。
一方のウェンビーは、そんなハーテンスタインの“圧”も、受けて立つ様子だ。
「こうしたフィジカル的な激しさは、別に目新しいことじゃない。ここまでプレーオフを何試合やってきたっけ。11、12試合?これまでの試合と特に違いはなかったよ」
この試合でも、第1戦のレギュラータイムに匹敵する17リバウンド、加えて4ブロックに6アシストと、攻守にわたって存在感を発揮したスパーズの大黒柱の発言には、余裕すら感じられる。
次の試合では、スパーズ側も対策を講じてくることだろう。ビッグマン同士のバチバチのマッチアップはさらに激しさを増しそうだ。サンアントニオに場所を移しての第3戦は、現地時間22日(日本時間23日)に行なわれる。
文●小川由紀子
腕を絡め、髪を掴む…ハーテンスタインの“危険プレー”に現地識者が皮肉「これが許されるなら48分プレーさせるべき」<DUNKSHOOT>
【NBA】サンダーが反撃の1勝!30得点のSGAを筆頭に7人が2桁得点、堅守も発揮しシリーズを1勝1敗のタイに<DUNKSHOOT>
41得点&24リバウンド!ウェンバンヤマの“理不尽ぶり”にレジェンドも驚愕「こんなプレーは見たことがない」<DUNKSHOOT>

