スタンフォード大学に「野球留学中」の佐々木麟太郎が「アメリカ大学野球のアトランティック・コースト・カンファレンス選手権」で奮闘している。この大会はトーナメント形式で行われる。日本の甲子園大会で「負けたらおしまい」の緊張感を経験してきたからか、佐々木は3打数1安打と結果を出し、2回戦進出に貢献した。
「昨年10月、佐々木をドラフト1位指名した福岡ソフトバンクホークスの城島健司チーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)が視察に訪れたことは、アメリカでも報じられました」(現地記者)
ソフトバンクか、7月のドラフトで指名してくれるメジャーリーグ球団か。メジャースカウトとの駆け引きはもう始まっているようだ。
「米スカウトの佐々木評が、ソフトバンクが思っている以上に高いのかもしれません」(前出・現地記者)
評価が日本で報じられている以上に高いとする根拠は、スタンフォード大学内にあった。校内新聞「ザ・スタンフォード・ダイアリー」が佐々木の特集記事を組んだのだ。校内新聞といっても、学級新聞レベルではない。日本の有名大学でもスポーツ部の活躍を本格的に報じる校内新聞があるが、アメリカの校内新聞では「プロ入りの可能性が高い選手」でなければ特集記事を組まないそうだ。
スタンフォード大学と野球部は「MLBドラフトに関する情報」を摑んでいるのでは…
「野球、バスケットボール、アメフト、陸上などの大学リーグ戦は、アメリカでも視聴者数の多いテレビ番組です。扱うスポーツの種目が多いので、選手個人の記事はどうしても少なくなりがちですが」(アメリカメディアに詳しいジャーナリスト)
その佐々木特集では、主にバージニア工科大学とのリーグ戦の試合前練習で放った、センターバックスクリーン直撃弾が扱われた。最後に野球部広報スタッフのコメントとして、こう記されている。
「彼の目標は、MLBで通訳ナシでプレーをする最初の日本人選手になること」
アメリカの学生スポーツ界では、プロスカウトとの接触が日本ほど厳しく規制されていない。滅多にない特集記事が組まれたことはもちろんだが、スタンフォード大学と野球部は「MLBドラフトに関する情報」を摑んでいるのではないだろうか。
もっとも、城島CBOの現地入りについては「単なる視察ではない」との見方がなされていた。佐々木争奪戦が熱くなりそうだ。
(飯山満/スポーツライター)

