プレー上達のためには、体躯だけでなく、各動きの意味についてもしっかりと意識する必要があります。今回は、奥嶋氏がレッスンします!
【用語】出球はフェースの向き
どんなショットでもすべてフェースの向きが出球を決めると思っていませんか?
基本的にはフェースの向きで出球が決まります。しかし、すべてのショットでフェースの向きにボールが飛ぶわけではないことも理解してください。

出る方向は真っすぐでも、クラブパスに応じて曲がり方が決まる
昔は飛球法則として、「出球はスイング軌道の向き、打球の曲がり方はフェースの向きが決める」といわれていました。だからゴルファーは、アウトサイド・インの軌道でフェースの向きが目標を向いていたら、打球はターゲットの左に出て、スライスしてターゲットラインに戻ってくる、と思っていました。
でもこの言い方は、現在は新飛球法則にアップデートされています。「ボールの打ち出し方向は主にフェースの向き、ボールの曲がり方はクラブパス(インパクト前後でクラブが動いている方向)に対するフェースの向き(フェース・トゥ・パス)である」とされます。
その割合はデータによって明らかになっており、アイアンの場合はフェースの向きが約70%、ドライバーの場合はフェースの向きが約80%ということです。残りのパーセンテージは、クラブパスなので、「出球はフェースの向きとクラブパスで決まるが、割合が大きいのはフェースの向きである」と考えればいいのだと思います。
この法則を言い換えると、「ロフトが小さくなるほど、出球の方向はフェース向きに影響を受け、ロフトが大きくなるほどフェース向きに影響を受けなくなる」となります。ですから、ロフトが小さいパターの出球は、ほぼフェースの向きになります。
逆にウエッジのようなロフトの大きなクラブの場合、フェースの向きの影響は小さくなります。ウエッジはフェースを開いて使うことも多いクラブですが、みなさん「フェースを開くとフェースは右を向く。そしてそのぶん、右へ飛ぶ」と考えがちですが、フェースを開くほどロフトが寝てどんどんフェースの向きの影響は小さくなるので、実際には開いた角度ほど右へは飛びません。
一方で、フェースの向きの影響が小さくなるのに対し、クラブパスの影響が大きくなるので、その点を考慮してプレーすると、アプローチの精度も高まっていくと思います。
【用語】すべてをスクエアにして構える
スタンス、腰、肩などすべてをスクエアにして構えなければ、と考えていませんか?
自分が打ちたい打球のためのクラブ軌道やインパクトの形を考え、そこから逆算するようにアドレスがどうあるべきかを考えていけるといいと思います。

実際には肩のラインも飛球線と平行ではなくなっている。それでも肩のラインをスクエアにしておくことが「基準づくり」という意味で有効にはたらく場合が多い
「スクエアに構えましょうね」と習ったと思います。肩のライン、腰のライン、ヒザのライン、カカトのラインなど。そしてフェースの向き。さらには、目のラインもスクエアにしろという人もいるようです。「インパクトはアドレスの再現」という考えの元なら、すべてをスクエアにするという発想もその延長上にあると思います。
もちろん、自分がどういう向きで立っているのかということの基準をもつことは、大切だと思います。でも、それらをすべてスクエアにして構えている人はどのくらいいるでしょうか?プロのデータを見ても、そういう人は少数派です。
なぜなら、アドレスで真っすぐの向きにしたからといって、インパクトでその向きになるとはかぎらないからです。インパクトでフェースがスクエア、またはスクエアでないとしても、それに近い向き(あらかじめ意図した向き)になることが大事です。ほかの部分がいくらアドレスのときと同じスクエアの向きになっていようが、ボールの飛び方に影響するわけではありません。
インパクトでフェースを意図したとおりの向きにするためには、どのような向きで構えておくといいのか、と考えてください。それを考える際に、スクエアな向きが、基準として役に立つことがあると思います。
プロでもすべてをスクエアにしていないといいましたが、肩のラインだけは、ターゲットラインにそろえている人が多いです。そうすることによって、クラブの動きの基準となるオンプレーンやインサイド・インの軌道が意識しやすくなったり、インパクトで肩のラインを構えたときの状態に戻してきやすい、その基準となりやすいからです。
いかがでしたか? レッスン用語を改めて考えてみてくださいね。

解説=奥嶋誠昭
●おくしま・ともあき/198 0年生まれ。ツアーコーチ。アメリカの最先端スイング解析システム「GEARS」を日本で最初に導入。
ゴルフスイングを科学的かつ客観的に分析するノウハウを『ザ・リアル・スイング』(小社刊)に著して一躍注目された。
アマチュアからプロまで幅広く指導し、稲見萌寧、木下稜介らのコーチとしても活躍。
主宰する「ザ・リアル・スイング・ゴルフスタジオ」(横浜市)を拠点に活動する。

