5月24日(日)に行われるGI・オークス(東京・芝2400メートル、3歳牝)は、例年にも増して「距離適性が勝敗を左右する一戦」になるだろう。その点で最も気になるのが、1番人気に推されそうなスターアニスの取捨だ。
GI・阪神JF(阪神・芝1600メートル)とGI・桜花賞(阪神・芝1600メートル)を連勝し、同世代トップの実力馬として牝馬クラシック2冠目に王手をかける形で出走してきたが、2400メートルへの距離延長には不安材料がてんこ盛りだ。
父ドレフォンはダートの短距離戦線で名を馳せたスプリンター。配合によっては芝の中距離戦線で活躍した産駒も輩出してはいるが、牝馬に限って言えば、芝2000メートル以上のレースに延べ61頭が出走して一度も馬券に絡んでいない。
加えて父ドレフォン×母父ダイワメジャーの産駒も苦戦続きで、性別を問わず、同じく芝2000メートル以上での戦績は31戦してオール着外。血統背景から考えれば今回、スターアニスが馬群に沈む可能性は大いにあると言えるだろう。
逆に桜花賞で5着に敗退したアランカールにとって、東京の芝2400メートルはドンピシャリの距離とコース。父エピファネイアはGI・ジャパンC(東京・芝2400メートル)の優勝馬であり、母シンハライトもオークスを制した名牝として知られる。
今回は名手・武豊が後方にゆったりと構え、最後の直線で先団を一気に飲み込む戦法。上位人気馬の中では優勝の可能性が最も高い存在と言えるが、今年のオークスには「もうひと捻り」を加えたくなる怪物牝馬が出走してきた。
先を行く13頭を最後方からアッサリと抜き去った
それは本サイトが4月13日に公開した記事〈【春競馬】オークス戦線に「すごい怪物」出現!「残念桜花賞」を「ポツンと最後方」から爆走一気「リバティアイランドの再来」〉で絶賛した、ジュウリョクピエロである。
ジュウリョクピエロはダートから芝に転向したデビュー4戦目(3勝クラス、京都・芝2000メートル)で電撃覚醒。「残念桜花賞」と呼ばれる芝2走目のL・忘れな草賞(阪神・芝2000メートル)では、ポツンと最後方から最後の直線で、先を行く13頭をアッサリと抜き去り、ゴール板前を馬なりで駆け抜けるという楽勝劇を演じてみせたのだ。
血統は父オルフェーヴル×母父ゼンノロブロイ。サンデーサイレンスの「3×3」という紙一重のインブリード(近親交配)とともに、父オルフェーヴルから受け継いだ「狂気の血」が今回のオークスで爆発すると、筆者はみている。
父系から見ても母系から見ても、芝2400メートルへの距離適性とコース適性は言わずもがな。鞍上の今村聖奈がアランカールに騎乗する名手の動きに合わせて仕掛ければ、女性ジョッキー初のクラシック制覇をグッと引き寄せることができるだろう。
(日高次郎/競馬アナリスト)

