
「薫もすごく悔しいと思う」W杯メンバー選外の29歳アタッカーは今、何を見据えているか「前の選手として、得点数を上げることに取り組んでいきたい」
J1百年構想リーグの地域リーグラウンドもいよいよ大詰め。EASTはすでに鹿島アントラーズが首位通過し、WESTはヴィッセル神戸と名古屋グランパスが最後まで1位争いを繰り広げている。
アジア・チャンピオンズリーグエリートで準優勝したFC町田ゼルビアは、半年間の超過密日程に苦しんだ部分もあり、EASTで3位。5月22日に行なわれた最終節・浦和レッズ戦では、エリキが挙げた1点を守り抜き、1-0で勝利した。
この浦和戦で8試合ぶりの公式戦復帰を果たしたのが、相馬勇紀だ。
ご存じの通り、彼は2022年カタール・ワールドカップに臨んだ日本代表メンバーの1人。北中米W杯に挑む森保ジャパンでも候補に挙がり、この時期の欠場が大きな足かせになることもよく分かっていた。
それでも「ACLE決勝で痛めていたところが再発してしまったので、今回はしっかり時間をかけて治すことに専念しました」と回復に集中する道を選んだ。そしてW杯メンバーでは選外となった。
「(三笘)薫もあそこまで日本のために戦っていたんだから、すごく悔しいと思う。自分も怪我をしましたけど、本当にいつ何が起きるか分からない。今から練習をたくさんできますし、(百年構想リーグの)プレーオフもあるんで、最後までコンディションを上げて、何かあって選ばれた場合には、あの舞台で活躍できるような準備をしたいです」と、相馬は可能性がある限り、ギリギリまで状態を引き上げていく構えだ。
「前回のワールドカップで感じたのは、あの舞台で活躍できないとすごく悔しいし、国にも貢献できないということ。もっと成長しないといけないですね。
今回のACLE決勝でも、ゼルビアとアル・アハリの差で言えば、たぶん10回やって9回は負けちゃうかなという肌感ではありました。なので、その差を詰めなければいけない。アル・アハリには欧州トップでやっていた選手が多かったので、強度の違いというか、1人で全部できちゃう範囲の広さがJリーグとは違うなと。それは事実としてあると思います」
相馬はこうも語っていたが、日本代表の森保一監督は彼が言わんとした部分を重視して、欧州組メインの編成を組んだのだろう。
相馬自身は今回、JリーグからW杯メンバー入りする難しさを、改めて痛感したかもしれない。ただ、欧州から国内に復帰することを選んだ以上、この環境で前進していくしかない。もちろん、町田にいてもできることはあるし、成長もできる。これを新たなスタートにしていくことが肝要なのだ。
「来季(26-27シーズン)はリーグ優勝を目ざしたいですね。ACLEには出られないので、ガンバ大阪みたいにACL2で優勝もしたい。再来年、ACLEに出て、もう1回、アジア王者に挑んでいきたいと思っています。
このハーフシーズンは人生で一番たくさん試合をしたし、一番多忙だったという感覚があった。90分の連戦が続いて、普段はほぼ怪我をしないんですけど、連戦のコンディションは調整しなきゃいけないというのを学びました。
そういうなかでもJとACLEで合計7点くらい取れているのは悪くない。それが僕の仕事でもあるんで、数字を増やしていきたいですね」と、相馬はここからやるべきことを明確に見据えている様子だ。
今回の浦和戦では、ベンチスタートだった相馬が54分からピッチに立つと、町田の左サイドは活性化され、数多くのチャンスが生まれた。そうやって多彩なバリエーションで攻撃を構築し、もっと点の取れる形を作り上げていくことが、最重要ポイント。相馬はそう考えているという。
「僕らの守備は、ACLEでもJでも感覚的にはある程度、良かったと思うんです。でも、優勝するためには攻撃力かなと。個人としての質を一段階、二段階、上げないと、鹿島みたいな相手には勝てない。課題は攻撃ですね。
1対1で個々が勝つこともそうだし、いったん奪われても、ゲーゲンプレスで即時奪回して、押し込み続けるような分厚い攻撃ができるようになってくると、頂点には近づくという気がします」
この相馬の発言は、多くの選手たちが感じているところだろう。キャプテンの昌子源も「1-0で守り切る展開だと、何か事故が起きるかもしれない。2点、3点を取っていくことが重要」と強調している。より分厚い攻撃を繰り出せる集団になるべく、相馬がチーム全体をリードしていくべきなのだ。
「今まで築き上げた守備には自信がありますけど、それだけでは難しい。攻撃力をさらに積み重ねたら、僕らはタイトルを取れるという感覚がある。自分は前の選手として、得点数を上げることに取り組んでいきたいです」と背番号7は目を輝かせた。
サッカー選手としてのキャリアはまだまだ続く。30代になって円熟味を増す選手も少なくないだけに、29歳の相馬には、ここから先のJリーグで圧倒的な存在価値を示し続けてほしいものである。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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