ノアジュニアのホープ小田嶋大樹が10・11両国国技館大会でGHCタイトル初挑戦を果たす。尊敬するダガとのコンビで、絶対王者の“ロス・ゴルペアドーレス"ドラゴン・ベイン&アルファ・ウルフ組に挑戦する。
子どもの頃から通い詰めてきたNOAHでデビュー。真摯な姿勢とポテンシャルを感じさせる動きで観衆の支持を集め、デビュー1年で憧れのGHCタイトル初挑戦が決まった。しかもパートナーのダガは、TEAM 2000Xを抜けてまで小田嶋とのタッグ結成を選択。X上で「Daiki...」「DAGAsan...」のやり取りが話題を呼んでいた“師弟タッグ"が実現する形となる。
しかも舞台は両国国技館。大チャンスを前に「不安ゼロ、ワクワク100」な小田嶋に、その胸の内を聞いた。
【小田嶋大樹インタビュー】
――ダガに思いが通じてタッグチームを組む日がくるとは…
▼小田嶋「率直に凄くうれしいですね。ダガさんがGHCジュニアのチャンピオンだった頃、誰よりも道場で練習されていて。『一番強い人がこれだけ練習してるなら、自分はもっとやらなきゃ』と感化されていた存在でした。ずっとXで『Daiki...』って気にかけていただいていたのも凄くうれしかったですし、そんな敬愛するダガさんと正式に組めることになって本当にうれしいです」
――道場には多くの外国人選手も練習に来ると思いますが、特にダガは練習熱心だった?
▼小田嶋「はい、一日2〜3回練習に来られる時もあったほどで。外国人選手のなかでも一番道場でお見かけする存在でした。そのなかでアドバイスをいただいたり、練習をみていただいたり。ダガさんがTEAM 2000Xに入ってからは距離ができてしまいましたが、リング上で対角線に立てばいつもワクワクしてましたし、変わらぬ強さやプロレスへの気持ちを感じてもいました。だから『なんでT2000Xにいるんだろうな』ってもどかしい思いもあって」
――GHCタイトル初挑戦が、ずっと組みたかったダガと一緒に実現できる、一挙両得のような状況です
▼小田嶋「はい! 本当に運が良くて、恵まれてるなと思います。GHCのタイトルにも挑戦したいし、ダガさんとも組みたい! そんな自分の気持ちが(9・23)後楽園で肌を合わせることで伝わったんだと思います」
――どんなタッグチームになるイメージがある?
▼小田嶋「ダガさんの基本はルチャの技術ですが、それに加えて柔術の心得もある。自分はレスリングをずっとやってきた。ルチャ・プラスアルファの得意分野を交えて、今まで見たことのないものが二人で創れるんじゃないかとワクワクしてます」
――GHCジュニアタッグというタイトルへの思い入れというのは?
▼小田嶋「凄く思い入れはあります。リアルタイムで見ていたわけではないですけど(初代王者の)丸藤さん、KENTAさんの印象が強くて。ジュニアやヘビーの枠を超えた凄い試合を見せてきたことで、ベルトの価値も高かった気がするんで。自分としても、ベルトの価値もそうですけど“強さ"というのも見せていきたいなと思っていますね」
――今のチャンピオン(ドラゴン・ベイン&アルファ・ウルフ)の壁も相当高いものがあります
▼小田嶋「いや、とんでもないですね。死角がないというか。誰がこの二人から獲るんだろう…って思うぐらい。ましてや自分はまだ1回しか自力で勝ったことがない。でも、そこに挑戦するってなった時、ダガさんと一緒なら…!と不思議と自信が湧いてきました」
――ベインとウルフはジュニアタッグの絶対王者、ダガはシングルの元絶対王者、この試合はどうしても小田嶋さんがキーポイントになりそうですが…
▼小田嶋「挑戦表明時にも言った通り、まだまだ実力不足だという自覚はあるんですけど、(不安より)ワクワクしてる自分がいて。周りがみんな強いじゃないですか。でも、その強さを超えてこそ、自分が目指してるプロレスラー像に近づけると思うので。それを叶えられるチャンスが目の前にある。『これをやったら勝てるんじゃないか』という技術も身に着けてこられてるので、そこに向けて逆算して試合を組み立てられれば…っていうイメージもある。だからワクワクしてます、凄く」
――不安はない?
▼小田嶋「ないですね! チャレンジャーの立場ですし、とにかくぶつかっていく。こんなチャンスはなかなかいただけないと思うし、このチャンスを生かすも殺すも自分次第…っていう緊張感はもちろんあります。子供の頃からの夢だったGHCタイトルに挑戦できるワクワクもありますし、その相手がベインさん、ウルフさんっていう凄い強い存在で、隣には尊敬して信頼してるダガさんがいて。しかも舞台は両国国技館。こんな状態、まぁないじゃないですか! そりゃワクワクするよな!って感じですね」
――ダガさんとのチームなら『こんなこともできる、あんなこともできる』というワクワクもある?
▼小田嶋「ありますね。ダガさんの昔の映像なども今見返したりしていて『この動き、自分と合いそうだな』とか考えたり。ダガさんも色んなアイディアを考えられる方ですし、そこを二人でコミュニケーションしたら面白いものがどんどんできそうだな…って」
――ベイン&ウルフをいかに攻略してやろうか?っていうワクワクもある?
▼小田嶋「はい、ルチャのあのスピードにずっとついていこう…って思ったら絶対後半、向こうのペースに引きずり込まれてしまう。だから、今自分ができるのはNOAHで培ってきたプロレスのスタイルと、ずっとやってきたレスリングのスタイルでは、あの二人を上回れる場面が絶対に作り出せると思っています。特に師匠(本田多聞)の技…回転地獄五輪シリーズはメキシカン、絶対知らないじゃないですか。日本のプロレスが好きな人なら知ってるような技術も、案外メキシカンには分からないことも多いはずなので」
――いつか使いたいと思っている隠し玉もある?
▼小田嶋「いっぱいあります(ニッコリ) それこそ初めて勝てた時の回転地獄五輪パート1も、まだまだ改良の余地があるなと思っていますし。回転地獄五輪も12までありますので。もちろん全部マスターしていきたいと思っていますけど、先生の体の大きさだからこそできる技も含まれているので、そこは自分の体のサイズに合った形に改良して身につけていきたいと思っています。あとオリジナルで『こんな入りもできる』っていうのも、何個か見つけているので」
――回転地獄五輪パート13以降が編み出されれるかもしれないと…
▼小田嶋「そこは回転地獄五輪パートDaikiで…(笑)」
――新世代の台頭もテーマの現在のノアジュニアで、自身がベルトを獲ることによってどんな刺激になりたい?
▼小田嶋「何より思ってること……自力で1回しか勝ててない人間が言うのがおこがましいのは承知のうえなんですけど、自分は本気で一番上、トップになりたいと思っています。だからこそ、みんなそうであって欲しいと思っていて。だって僕が獲ったら絶対みんな悔しいじゃないですか。『なんだアイツ…』ってなる気持ち。『みんなで一緒に頑張ろう!』って気持ちよりは、『アイツが行ったなら俺はもっと行く』って、本気で悔しい、本気で負けたくない!って思いが渦巻く状況になることが、お客様にも伝わるし、観ている側も絶対面白いと思うので。もちろん自分は今追いかけてる身ではあるんですけど、そんな渦を作り出せるような存在になりたいですね」
――高橋ヒロムにも敵がい心を剥き出しにしていた
▼小田嶋「はい、でも今目の前にあるジュニアタッグに必死に取り組むことによって、必然的に高橋ヒロムの目に付く存在になれると思っているので。シングルのベルトはEitaさんが(ヒロムから)獲ってくれると思っていますし。いずれ倒したい存在ではありますけど、今はジュニアタッグに集中していきます」
――分かりました。では最後に改めて意気込みを
▼小田嶋「自分自身、初めてのGHCタイトルマッチ。ダガさんと組んで挑戦できることをうれしく思います。ベインさん、ウルフさん、世界最高峰のタッグチームだと思っていますけど、GHCを獲りたいという自分の強い思い、信頼できるダガさんが揃えば必ず乗り越えられると思っています。応援よろしくお願いします!」
