
物語の舞台は風光明媚な瀬戸内のとある島。京都から島に転校し、漫画原作者になる夢を持つ男子高生の青埜櫂(横浜)と、島で生まれ大好きな刺繍を仕事にしたいと願いながら母親と暮らす女子高生の井上暁海(広瀬)が出会い恋に落ちるも、それぞれの抱える運命に翻弄され、選択に迫られる15年間を活写する。高校生での出会いから、15年間にわたる櫂と暁海の愛と人生模様が描かれる。
このたび解禁となったのは、瀬戸内の島で生活する櫂と暁海を取りまく人々を演じた4名の豪華キャスト。櫂の母、青埜ほのかを演じるのは尾野真千子。映画やテレビドラマの話題作に多数出演し、確固たる実力を示してきた。彼女が演じるほのかは、恋人を追いかけて櫂と一緒に瀬戸内に移住し、スナックのママとして働きながらも、櫂にすがらずにいられない脆さを持った恋多き女性。『ヤクザと家族 The Family』(21)で藤井監督作に出演している尾野は本作について、「藤井さんとは今作で2度目だったので、またご一緒できることがうれしく、このチームに戻ってきた、同窓会のような安心感がありました」と語っている。

暁海の母、井上志穂を演じるのは木村佳乃。近年、連続テレビ小説「ひよっこ」や「恋する母たち」などの作品で母親役を演じてきた木村が、夫の不倫や娘との衝突に苦しむキャラクターに挑む。藤井監督とはドラマ「アバランチ」でもタッグを組んでおり、「暁海が櫂を追って東京に行く事ができない原因を作っている母親役でしたので、非常に難しく集中力も必要で、とにかくカロリーを消費致しました」と撮影を振り返っている。

オートクチュールの刺繡作家で自立した女性、林瞳子を演じるのは藤井組には初参加となる石田ゆり子。『マチネの終わりに』(19)でジャーナリスト、「TOKYO MER」シリーズでは東京都知事を演じるなど、自立し洗練された女性を演じてきた。本作で演じる瞳子は、暁海の父と不倫関係でありながら、常に暁海の存在を気にかけるという人物。暁海は刺繍の技術を教わるなかで、瞳子に憧れを抱くようになっていく。そんな瞳子について石田は、「瞳子という役は、ヒロインの暁海にとって憎悪と憧れという相反する気持ちを揺り起こさせなくてはいけない存在です。そのために、なにか俗世間的な欲望のようなものを削ぎ落としたくて、思い切って髪をかなり短く切りました」と並々ならぬ覚悟を言葉にしている。

櫂と暁海が通う高校の化学教師で、2人を卒業後も気に掛ける北原草介を演じるのは長谷川博己。これまで様々な作品で多彩な顔を持つキャラクターを演じてきた長谷川。今回の作品では、堅物教師のような風格を見せながらも、自身の幼い娘を愛する父親であり、櫂と暁海の15年に渡る恋模様を側で見守り続ける拠り所のような存在を丁寧に演じる。本作について長谷川は、「情念の映画だと思った。同時に、怖さを感じる作品だ」とコメントを寄せている。
1組の男女の15年に渡るせつなくも壮大な愛の物語を活写する『汝、星のごとく』。豪華俳優陣の熱演をスクリーンで堪能してほしい。
■<コメント>
●尾野真千子(青埜ほのか役)
「藤井さんとは今作で2度目だったので、またご一緒できることがうれしく、このチームに戻ってきた、同窓会のような安心感がありました。綺麗な恋の物語のなかにある人間の泥臭さも魅力で、私は横浜さんが演じる櫂の母親として、思わず溜息が出てしまうような、男性への執着心が強いどうしようもない女性を演じました。横浜さん、広瀬さん2人とのお芝居はとても楽しかったですし、今治でのロケや、地元の方々の温かさが、そのまま役の深みにつながったと感じています。面白いものができる予感がしています」
●木村佳乃(井上志穂役)
「暁海が櫂を追って東京に行く事ができない原因を作っている母親役でしたので非常に難しく集中力も必要で、とにかくカロリーを消費致しました。また暁海を縛りつけてしまっている、自分自身にも深く傷ついている女性だなと、思いながら演じておりました。個人的には以前も映画の撮影で長期滞在したことがある島でしたので、大変懐かしく、ご縁を感じておりました。毎日美しくかつ凛とした瀬戸内海に癒されていました」
●石田ゆり子(林瞳子役)
「瞳子という役は、ヒロインの暁海にとって憎悪と憧れという相反する気持ちを揺り起こさせなくてはいけない存在です。そのために、なにか俗世間的な欲望のようなものを削ぎ落としたくて、思い切って髪をかなり短く切りました。藤井道人監督の演出は、自分の中の雑念が次第に消えていくような修行感があります。できることならもう少し長く携わりたかったです。リュネビル刺繍を一から教えていただき本当に貴重な経験でした。刺繍の世界にすっかり夢中になり、今後とも習い続ける決意です。今治市は20年ほど前、テレビドラマの撮影で長期滞在したこともある思い出深いところです。瀬戸内海を眺めていると、やさしくてせつない不思議な気持ちになります。美しいラブストーリーにぜひ浸ってくださいますように」
●長谷川博己(北原草介役)
「情念の映画だと思った。同時に、怖さを感じる作品だ。北原は主人公2人に寄り添うメンターのような存在でありながら、どこか得体の知れない人物でもある。原作『汝、星のごとく』の北原を、2時間という映画の枠のなかでどこまで立ち上げられるかは…中々難しかったです。若いキャスト、スタッフが多いなかで、気がつけば自分も年長者の立場にいて、北原の如く、作品の“添え木”となれれば、と思いながら撮影していたことを思い出す」
文/サンクレイオ翼
