
前週上位にいた『プラダを着た悪魔2』(日本公開中)や『モータルコンバット/ネクストラウンド』(6月5日日本公開)がそれぞれ大きく数字を落とすなかで、下落を最小限に止めることに成功した『Michael/マイケル』。相対的に首位に押しだされる格好となったわけだが、その週末3日間の興収は2614万ドル。これは公開4週目の週末成績としては歴代23位、コロナ禍以降では7位と、かなり息の長い興行となっていることがよくわかる。
北米での累計興収は週末の時点で2億8200万ドルを突破。次週末には2026年公開作として3作品目となる興収3億ドルに到達することが確定的であり、海外興収を含めた全世界興収も7億3000万ドルを突破。配給を務めたライオンズゲートの作品としては初めての全世界興収10億ドル突破も見込まれており、追加撮影によって膨れ上がったといわれる制作費の損益分岐点はすでに超えたと考えてもいいだろう。

そんななか、現地時間5月21日に行われたライオンズゲートの四半期決算発表会においてアダム・フォーゲルソン会長は「関係各所との話し合いはすべて非常に順調に進んでいる」と、続編の製作が着々と進んでいることを明言。「前作の時代設定のなかでも触れられていない出来事が数多くある。すべてのピースがそろえば、世界中の観客をふたたび魅了する映画になると確信しています」と強い意欲をみせている。
以前の当記事でも触れた通り、アントワン・フークア監督はマイケル・ジャクソンの性的虐待疑惑を描くことをこの伝記映画の本来の意図とし、それに関するシーンを撮影していたのだが、告発者との契約によって削除を余儀なくされたという背景がある。今作が興行的成功を収めれば、撮影済みのシーンを含めた続編の可能性が高まるといわれ、北米公開直後からスタジオ側は前向きに検討を進めているとも報じられてきた。徐々に現実味を帯びてきた続編計画。その動きに引き続き注視しておきたい。
さて、3位に初登場を果たしたのはブラムハウス・プロダクションズ製作によるホラー映画『Obsession』。初日から3日間の興収は1719万ドルと、直近のブラムハウス作品である『THE MUMMY / ザ・マミー 棺の中の少女』(日本公開中)のオープニングを上回る好スタートを飾ることに成功。しかも制作費は75万ドルから100万ドルと、“低予算高品質”がモットーのブラムハウスの近作のなかでも極めて低予算。あっさり黒字収支になった模様。
メガホンをとったのはYouTube出身の25歳の新鋭カリー・バーカー監督。すでにブラムハウスと2度目のタッグを組む『Anything but Ghosts』の編集作業に取り掛かっており、その後にはA24が製作する「悪魔のいけにえ」の新作映画の監督にも抜擢されている。批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、批評家からも観客からも好意的評価の割合が95%と絶賛評が集中している『Obsession』。ホラー界の未来を担う正真正銘の逸材が現れたようだ。

文/久保田 和馬
