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東山奈央が考えるマリーのよさ「すごくいい親友になれそう」歌唱を担当したED主題歌についても語る<機械じかけのマリー>

東山奈央が考えるマリーのよさ「すごくいい親友になれそう」歌唱を担当したED主題歌についても語る<機械じかけのマリー>

アニメ「機械じかけのマリー」でマリー役を務める東山奈央にインタビューを実施。
アニメ「機械じかけのマリー」でマリー役を務める東山奈央にインタビューを実施。 / (C)あきもと明希・白泉社/機械じかけのマリー製作委員会

2020〜2023年まで「LaLa」(白泉社)にて連載されていた漫画「機械じかけのマリー」は、2025年10月5日よりTVアニメが放送中(毎週日曜夜22:00-22:30、TOKYO MXほか/dアニメストア・U-NEXT・アニメ放題)。本作では極度の人間嫌いである大財閥の御曹司、アーサーの元で専属メイドとして働くことになったマリーの日常や恋模様が描かれている。今回WEBザテレビジョンでは、自身を“ロボットメイド”と偽り職務を全うする主人公・マリーを演じる東山奈央にインタビューを実施。アフレコ時のエピソードや、歌唱を担当しているED主題歌について話を伺った。

■作品を知ったきっかけは自身のラジオ番組「リスナーさんがオススメしてくれた」

――「機械じかけのマリー」に出演が決まった時の気持ちを教えてください。

私がやらせていただいているラジオで以前「機械じかけのマリー」を勧めてくれたリスナーさんがいたので、実は数年前から原作を知っていて。オーディションの資料をいただいた時、最初は気がつかなかったんですけど、原作を読み進めていくうちに「リスナーさんがオススメしてくれた作品だ!」と思い出しました。

合格をいただき、キャストが発表された時も当時のリスナーさんが「すごく嬉しいです!」「放送楽しみにしています!」とお便りをくれたのが印象に残っています。

――原作を読んでみて、いかがでしたか?

すごくキャッチーで今までにない作品だと感じました。ロボットメイドのふりをして働くというスリリングな展開だったり、緊張感がありつつも、作品全体に漂っているコミカルさが絶妙で。キュンとしつつもクスッと笑わせてくれる雰囲気に心地良さを感じながら読ませていただきましたし、アニメ化した時に見応えのある内容なのではないかなと思いました。
アニメ「機械じかけのマリー」場面カット
アニメ「機械じかけのマリー」場面カット / (C)あきもと明希・白泉社/機械じかけのマリー製作委員会


――東山さんが演じるマリーの第一印象は?

マリーは感情表現があまり得意ではなく、話す時も淡々と喋るような女の子なんですけど、内面の喜怒哀楽がジェットコースターのように激しくて、そのギャップが魅力的だなと感じています。ですが、いざ演じようと思うと実際に発しているセリフと心の中のモノローグが次から次へと出てくるので、その切り替えが本当に大変でした。

うっかりセリフがモノローグのテンションに引きずられてしまったり、「もう少しギャップを作ってほしい」というディレクションをいただくこともあって。序盤はかなり苦労しましたが、その分やりがいのあるキャラクターだと思っています。
アニメ「機械じかけのマリー」場面カット
アニメ「機械じかけのマリー」場面カット / (C)あきもと明希・白泉社/機械じかけのマリー製作委員会


――セリフとモノローグのギャップは声がつくことによって、より面白さが増していると感じました。アフレコでは別々ではなく、順番通りに収録していったということでしょうか?

そうなんです、頭から順番に録っていきました。セリフはセリフだけ、モノローグはモノローグだけという措置があるのかなと淡い期待を抱いていましたがそんなことはなく(笑)。

マリーは感情を出しすぎてしまうと、あまりにも別人になってしまうので、淡々とした部分を残しつつ、感情表現をつけていかなければならないという塩梅が難しいところだと思います。ただ、話数を追うごとに感情表現が大きくなっていくので、後半は色々やらせていただけたりもしましたが、物語序盤では少しでもお芝居を大きくやろうとすると「抑えてください」と言われてしまうこともあり、常に試行錯誤していました。

――そうだったんですね。また、マリーはロボットメイドとして振る舞っているものの、本物のロボットではないというバランスも難しかったのではないかと思いました。

そうなんです。普通の女の子にはない無機質な感じはありつつも、本当は生身の女の子というバランスが絶妙で。自分としてもマリーは感覚で演じてる部分があるんですけど、今日(追加収録で)久々に演じたらスッと戻れる感じがあったので、そういった意味ではマリーと波長の合う部分を再確認できて嬉しかったですね。
アニメ「機械じかけのマリー」場面カット
アニメ「機械じかけのマリー」場面カット / (C)あきもと明希・白泉社/機械じかけのマリー製作委員会


アニメ「機械じかけのマリー」場面カット
アニメ「機械じかけのマリー」場面カット / (C)あきもと明希・白泉社/機械じかけのマリー製作委員会

■アーサー役:石谷春貴との共演に「良いバディを組ませていただいた」

――マリーとの共通点や、似ていると思うところはありますか?

私は感情がすぐ表に出るタイプですし、マリーみたいに肉体派というわけでもなく、すごく非力なんですよ(笑)。マリーは何でもできる優秀な女の子なので、パッと思い浮かぶような似ているところはないのですが、“感情の波”という部分では結構似た者同士なのかなと思っていて。演じていて少しも引っかかる部分がないので、すごくいい親友になれそうな気がします。

――本作では、石谷春貴さん、梅原裕一郎さんといった方々も出演しています。他のキャストさんとのエピソードがあれば教えてください。

この現場は馴染みがあるキャストさんも多かったので、キャスト表を見た時に「この現場はすごく楽しくなりそうだな」と思っていました。特にアーサー役の石谷(春貴)くんは同い年ということもあり、お芝居の相談もしやすそうだなと思っていましたし、実際アフレコ時には「ここのシーンはどういう風に演じてる?」といった相談も思っていた以上にしやすくて。何気ない世間話から作品の完成度を上げるためのディスカッションまで、ずっと石谷くんと話していた記憶がありますね。

テンポの良いアーサーとマリーの掛け合いは、石谷くんと演じたからこそ構築していくことができたので、良いバディを組ませていただいたなと思っています。
アニメ「機械じかけのマリー」場面カット
アニメ「機械じかけのマリー」場面カット / (C)あきもと明希・白泉社/機械じかけのマリー製作委員会


――マリーを演じる上で、気をつけたことや心がけたことは?

やはり“セリフとモノローグをいかに演じ分けていくか”ということに尽きますね。今まで演じたキャラクターのなかで、こういう風に悩んだことがなかったので、台本チェックから見つめ直しました。

最近は台本に1色のペンでチェックしていくことが多かったのですが、マリーに関しては、セリフは赤色、モノローグは青色といったように分けて、自分が迷わないように台本チェックの段階から工夫することを意識していましたね。この方法に順応するようになった4話以降あたりからは、アフレコでもテイクを重ねることが減りました。

――マリーを演じていて楽しかったシーンや、面白かった場面を教えてください。

作品の魅力として“すれ違いコント”のようなところがあると思っているので、そこは何度見ていてもクスッと笑ってしまうポイントだと思っています。あとマリーは「人間だとバレてはいけない」というプレッシャーを感じつつも不器用な子なので、それを誤魔化そうとしても傍から見たら全然ごまかせていないんですよね。

ロボットのようにカクカクするシーンは演じていて本当に楽しかったですし、「ガシャコンガシャコン」って言ってみたりと、いろいろとアドリブも入れさせていただきました。
アニメ「機械じかけのマリー」場面カット
アニメ「機械じかけのマリー」場面カット / (C)あきもと明希・白泉社/機械じかけのマリー製作委員会


アニメ「機械じかけのマリー」場面カット
アニメ「機械じかけのマリー」場面カット / (C)あきもと明希・白泉社/機械じかけのマリー製作委員会

■「マリーらしさをより感じてもらえる構成に」ピュアな恋心を感じさせるED主題歌

――東山さんはマリーとして、ED主題歌「Cross heart〜偽りのない気持ち」も担当されていますが、仮歌を聴いた時はどのように感じましたか?

マリーが淡々とした口調ということもあり、最初は「どのような楽曲になるんだろう?」と思いましたが、「冒頭はポエトリーリーディング(詩を読むように歌う曲のこと)を行うことで、マリーらしさをより感じてもらえる構成にしています」というスタッフさんの話を聞いて、すごく斬新で素敵だなと思いました。

レコーディングさせていただいた時も、ピュアな恋心を感じさせるようなサウンドが印象的だったので、マリーとしてそのまま歌おうとすると少し暗めになってしまうんですよね。なのでマリーらしさを大切にしつつ、曲調に合わせて少し可愛らしいテンションで歌うようにしていました。

――東山さんは、これまで多くのキャラクターソングを担当されていると思います。キャラソンを歌唱する上で意識していることを教えてください。

1番大切なのは、“曲を聞いてキャラクターの顔が浮かぶこと”だと思っています。楽曲によっては普段喋っている音程よりも低かったり高かったりすることはあると思いますが、どのように歌えば皆さんの持っているイメージを崩さずに歌うことができるかは常に考えるようにしていますね。なのでキャラの声質や歌い方、「このキャラはきっとこういう風に歌うだろうな」という点を意識しつつ、とことんキャラクターに寄り添って歌うようにしています。

アニメ「機械じかけのマリー」場面カット
アニメ「機械じかけのマリー」場面カット / (C)あきもと明希・白泉社/機械じかけのマリー製作委員会

――作中でアーサーはマリーに「ひざまくら」をしてもらうシーンもありますが、東山さんならマリーに何をお願いしますか?

私は走るのが苦手なので、遅刻してしまいそうな時はマリーに抱えてもらって、駅まで送り届けてほしいですね。

――正体が人間であることを隠しているマリーですが、東山さんが普段人に言えないような“隠しごと”についても伺いたいです。

実は“すごくポンコツ”なんですよね(笑)。特に物事をうっかり忘れてしまうことが多いので、マネージャーさんにはこまめに「明日は○時集合だよ」「明日はいつもとスタジオが違うよ」ということを教えてもらっています。周りの方の支えがないと、私自身は結構ボーッとしていることが多いので、日々気を付けなくてはと思っていますね。

――東山さんは声優業や歌手活動において、“楽しむ”ことに重きをおいているような印象があります。日々仕事を楽しむために大切にしていることは?

まずは家でしっかり準備してくることですね。現場へ行った時に「自分は大丈夫」と思えるようにしておかないと、本番で余計なことを考えてしまったり、不安になってしまうと思うので。

あと実は結構人見知りなのですが、「楽しいこと」は人とのコミュニケーションで生まれることを実感したので、さまざまな人とお話したり、この現場に来るのが楽しみだと感じていただけるような“現場のピース”になれたらと思っています。「機械じかけのマリー」に関しては自分が座長ということもあり、ゲストキャラとして出演してくださる方も含め、振り返った時に「楽しかったな」と思っていただける現場になっていたらいいなと思っています。

――最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。

現在「LaLa」(白泉社)で続編が連載されている「機械じかけのマリー」ですが、原作がいったん大団円を迎えていることもあり、アニメではそのラストまで描かれています。最終話まで観ていただくと、どのような結末を迎えるのか楽しめますし、作品特有のあたたかさが映像に落とし込まれていると思います。

またスタッフやキャストの皆さんも作品に惚れ込みながら日々制作していたので、ぜひ皆さんも毎週楽しみにしていただけたら嬉しいです。私自身も「機械じかけのマリー」が大好きで、面白いと胸を張ってお伝えしたい作品になっているので、最後まで一緒に楽しんでいただけたらと思います。

◆取材・文=渡辺美咲
アニメ「機械じかけのマリー」場面カット
アニメ「機械じかけのマリー」場面カット / (C)あきもと明希・白泉社/機械じかけのマリー製作委員会


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