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WRC王者ロバンペラ、衝撃のスーパーフォーミュラ挑戦。可能性は無限大……F1も視野に?「トヨタと可能な限り最高峰を目指す」

WRC王者ロバンペラ、衝撃のスーパーフォーミュラ挑戦。可能性は無限大……F1も視野に?「トヨタと可能な限り最高峰を目指す」

2度の世界ラリー選手権(WRC)王者であるカッレ・ロバンペラは、WRCを離れてスーパーフォーミュラに転向する決断を下したのは、サーキットレースで可能な限り最高レベルで競争できる魅力と、「本当にユニークな」ことをするチャンスがあったことが背景にあると説明した。

 WRCドライバーのハリ・ロバンペラを父に持ち、若干25歳ながらWRC王者に2度輝き、WRCの最年少表彰台記録(19歳138日)、最年少総合優勝記録(20歳290日)、最年少シリーズチャンピオン記録(22歳1日)などの記録を次々塗り替えてきた”神童”ロバンペラが、次なる挑戦の舞台に選んだのはラリーではなかった。

 サーキットレース、それも日本のスーパーフォーミュラだったのだ。所属チームはまだ明らかにされていないが、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)がその参戦をサポートし、2年間スーパーフォーミュラを戦うようだ。

 ロバンペラの発表はシーズン残り3戦、彼がまだ3度目のWRCタイトル獲得の可能性を残している中で行なわれた。ロバンペラは現在ランキング3番手。ランキングで上にいるライバルはいずれもトヨタのドライバーで、首位のセバスチャン・オジェとは21ポイント差、ランキング2番手のエルフィン・エバンスとは19ポイント差と、十分逆転の可能性が残っている。

 ロバンペラは心身ともに限界まで疲労したとして2度目のWRCタイトルを獲得した翌年の2024年、パートタイム参戦に切り替えた。そしてこの年、ポルシェ・カレラカップ・ベネルクスでサーキットレースデビューを果たし、レッドブルリンクでは旧世代のレッドブルF1マシンを含むフォーミュラカーにも挑戦した。こうしたサーキットレース経験がきっかけで、ロバンペラはラリーから完全に離れることを真剣に検討するようになった。

 この大きなキャリア転換について、彼は「明確な選択」だったと説明し、ドライバーとしてのランクを上げていくことを目標に据えている。

「決して容易な選択ではなかったけど、僕にとっては明確な決断だった。WRCで達成すべき目標をリストアップしたけど、それらをかなり若い年齢で達成できた。その点には満足している」とロバンペラは語った。

「来季は日本のスーパーフォーミュラに参戦し、テストやシミュレータ作業を多くこなすという、いきなり深い水に飛び込むような挑戦になる。今後2年間の計画はスーパーフォーミュラでフォーミュラカーを駆ること。その後は次のステップを見極める必要があるけど、目標はトヨタとフォーミュラカーで本格的なプログラムを組み、可能な限り最高峰を目指すことだ」

「やるべきことは山積みだけど、僕はその覚悟ができている。全てがどう展開するかを見届けたい」

「サーキットレースのどのカテゴリーでも、高いレベルで戦えるチャンスはまだあると感じている。それが(トヨタとの)話し合いの最初の部分だった。実際、トヨタ側もこの可能性に強く関心を示し、より深く検討し始めた」

「誰も成し遂げたことのない、本当にユニークな挑戦をするチャンスがある。それが最大のモチベーションの一部だ。常に誰も成し遂げていないことを成し遂げたい。それは非常に興味深いことだ」

 シングルシーターの最高峰といえば、もちろんF1が視野に入ってくるだろう。彼はF1参戦を目指す可能性とその実現時期について具体的に問われ、こう付け加えた。

「今後数年の計画としては、まずフォーミュラカーレースに参戦することだ。僕はほぼゼロからのスタートだ。最初はスピードを上げてレース技術を磨くのに長い時間がかかるだろう」

「サーキットレースには選択肢が非常に多く、計画は常に進化している。いつどこにいるべきかというタイムラインは自分には存在しない。各シーズンに集中し、懸命に努力して自己を高めるべきだ。結果を出せれば、あらゆる可能性が開ける」

「間違いなく、僕に有利に働く時間は刻一刻と減っている。だからこそ今決断が必要だったんだ。この計画を支えてくれたトヨタには心から感謝している。メーカーの支援なしに、このような計画やプロジェクトは実現不可能だった」

「人生、特にモータースポーツでは何が起こるか予測できない。適切なタイミングで適切な場所にいなければならず、多くの要素を味方につける必要がある。だけど僕はまだ25歳。時間は味方だ。僕たちは間違いなく頂点を目指す」

「最終的な目標が何になるかは言えないが、最高峰だと伝えた通りだ。F1が最高峰だが、サーキットレースには他にも魅力的なシリーズやイベントが数多く存在する」

「『将来ル・マンに出たいか?』と聞かれれば、機会があれば間違いなく挑戦したい。そういうビッグレース全てに出場したい。可能性は無限にある」

将来的なラリー復帰の可能性も否定せず

 ロバンペラの将来はシングルシーターでのキャリアアップにあるように見えるが、ロバンペラはいつかラリーに復帰する可能性も除外していない。

 そして彼は、今のWRCの状況や、新たなハンコックタイヤへの適応が困難だったことが決断の要因ではないと明言した。

「今シーズンやラリー活動全般について、目標を達成できなかったという結論は出していない。確かに今年はベストとは言えないけど、トップ3で戦っている以上、最悪でもない」とロバンペラは付け加えた。

「今年は最も快適なシーズンというわけではないけど、まだ3戦が残っており戦いは続く。少なくとも僕にとってしばらくの間、これが最後の3戦となることを踏まえ、タイトル争いに全力を尽くし、チームと自身のために良い結果を残すつもりだ」

「(WRCの健全性が)僕の決断に本当に影響を与えたとは思わない。僕は今でもラリーを愛しているし、クルマを操る行為そのものがスポーツとしての独自の芸術だから、当然その部分は今も愛している。それが僕の選択に影響したとは言えない」

「現時点ではこれ(ラリー)が最後だとは言えない。またWRCラリーのスタートラインに立つ可能性も十分にある。ただ現時点では計画にない。今後の計画はかなり大規模で、そこに全力を注ぐ必要があるからだ。キャリアのどこかで再びラリーを走ることになるだろうとは思うけど、現時点ではわからない」

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