
この画像には銀河団Abell 2029が映っています。背景の可視光画像に、チャンドラX線望遠鏡でとらえたX線画像(青)が重ねられた画像です。銀河団内にある数百万度もの高温ガスの渦巻構造が映し出されています。まるでオウムガイのようなこの渦巻構造は、中心から約200万光年(天の川銀河の直径の20倍)にもわたり広がっています。
Abell 2029は、ガスが非常に安定して分布していることから、宇宙で最も穏やかな銀河団の一つと考えられてきました。しかしチャンドラ望遠鏡の最新の観測により、実は過去に非常に激しい現象を経験してきたことが判明しました。
10分の1サイズの別の銀河団が40億年前に衝突
画像に映る渦巻構造は、約40億年前にAbell 2029よりも小さな銀河団が衝突・通過したことで、Abell 2029内のガスがかき回されて形成されたとみられています。コンピューターシミュレーションによると、小さな銀河団のサイズはAbell 2029の10分の1ほどの質量だったと推定されています。
今回の研究では渦巻構造のほかに、ガスが飛び散った跡である「しぶき」のような構造や、ガスがはぎ取られてできた「入り江」のような構造も見つかりました。
Abell 2029のガスの大部分は対称に分布しており、これまで渦巻構造は見えていませんでした。今回は対称な部分を差し引くことで銀河団の高温ガスに隠れていた渦巻構造を浮かび上がらせることに成功したのです。今回の研究は、一見おだやかに見える銀河団でも、過去の激しい衝突の歴史が隠されている可能性があることを示しています。
(参考)
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Image Credit: X-ray: NASA/CXC/CfA/C. Watson et al.; Optical: PanSTARRS; Image Processing: NASA/CXC/SAO/N. Wolk and P. Edmonds
(参照)Chandra X-ray Observatory

