
ボランチは本職4人+αの陣容。5.31アイスランド戦では誰を起用し、何を見極めるべきか【日本代表】
2026年北中米ワールドカップに向け、5月25日から千葉市内で本格始動した日本代表。活動2日目の26日も前日同様、13人で全体練習を実施した。
39歳・長友佑都(FC東京)や2022年カタールW杯以来の参加となる吉田麻也(LAギャラクシー)らが先頭に立って盛り上げるなか、主力級の上田綺世(フェイエノールト)や中村敬斗(スタッド・ドゥ・ランス)らが鋭いシュートを次々とお見舞い。前回W杯で2ゴールの堂安律(フライブルク)も着実に調子を上げつつある様子で、チームとして今のところは順調な一歩を踏み出したと見てよさそうだ。
こうしたなか、1つ気になるのがボランチの陣容である。ご存じの通り、今回のメンバー26人のうち、ボランチを本職とするのは遠藤航(リバプール)、鎌田大地(クリスタル・パレス)、田中碧(リーズ)、佐野海舟(マインツ)の4人だけ。この選手選考に対して、「なぜ守田英正(スポルティング)や藤田譲瑠チマ(ザンクトパウリ)を入れなかったのか」という異論も噴出したほどだ。
5月15日のメンバー発表会見で、森保一監督は「板倉滉(アヤックス)はボランチで出ていますし、瀬古(歩夢=ル・アーブル)もセンターバックをやりながらボランチでプレーしている。そういう意味でのカバーも考えて、チーム力を上げていけるだけの選手が揃っているかなと思います」と説明。彼ら2人をボランチ要員に組み込みながら、本大会を乗り切っていく考えを示した。
そのことを瀬古に問うと、「代表でボランチをやった場合? イメージはないですね」と即答。「チームでボランチ起用されていた時も、センターバックでやりたいと言いにいきましたし、自分が好んでやるポジションではないですけど、チームのためになるなら全力でやりたいと思います」と語っている。
「自分がボランチで出る場合は、ひたすら潰しにいくっていうところに焦点を当ててやっていきたい。チームでボランチをやっている時もそうですし、自分が後ろに残ってセンターバックの前で待っている感じだったので、組む選手にもよると思いますけど、そこは話し合って、試合状況を見ながらやっていきたい」とも。仮に一列前を任された際には、守備的なタスクをメインに考えながら取り組んでいくつもりだという。
その前提で、5月31日のアイスランド戦のボランチ編成を考えてみると、今回は鎌田が不参加ということで、起用が考えられるのは5人。遠藤と板倉が28日、田中が29日に合流する予定になっていて、さすがに田中は温存されるだろう。
森保監督としても、負傷明けで24日のプレミアリーグ最終戦・ブレントフォード戦でベンチ入りしながら、プレー機会のなかった遠藤を真っ先に試したいはず。彼と佐野のコンビでスタートし、途中から瀬古、あるいは板倉を佐野と組ませる形にトライする可能性が高そうだ。
遠藤の完全復活のメドが立てば、本大会で佐野に過度な負担を強いることは回避できる。その見極めは非常に重要なポイントとなる。
「今季はブンデス(リーガ)とカンファレンスリーグを掛け持ちしていましたし、やれる準備は常にやっていかないといけない。自分が出れば100%に持っていける準備はできると思います」と、佐野は出ずっぱりの状況でもタフに乗り越えていける自信をのぞかせた。
しかし、W杯になれば目に見えない重圧ものしかかるし、対戦相手もオランダ、チュニジア、スウェーデンという気の抜けない強国ばかりだ。だからこそ、余力を持った起用法を考えなければいけない。佐野を休ませながらグループステージを乗り切りたいところだ。
そのためにも、遠藤の状態チェックはアイスランド戦で必須のテーマ。それと同様に、瀬古と板倉のボランチ起用がスムーズにいくかどうかも確認しておく必要がある。ボランチはチームの“心臓”であり、そこが不安定だとW杯で良い戦いはできない。
今回の日本代表は、数多くのレジェンドコーチを配置している。ボランチでW杯に参戦している名波浩、長谷部誠の両コーチの経験値も現場に落とし込みながら、最強ボランチの陣容を確立させること。それをこの千葉合宿から重点的に取り組んでもらいたい。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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