レアル・ソシエダは2020-21シーズンから5年連続で欧州カップ戦に出場し、22-23シーズンにはラ・リーガで4位&チャンピオンズリーグ出場権獲得とステップアップを続けた。しかし、昨季はヨーロッパリーグに出場するも、国内では7年ぶりに2桁順位(11位)に終わり、欧州カップ戦の連続出場は途絶えた。
迎えた今季、イマノル・アルグアシルの後を継いで監督に就任したセルヒオ・フランシスコの下、ソシエダは8節を終了したラ・リーガで1勝2分け5敗と惨憺たる成績を残し、20チーム中19位に沈んでいる。
スペインのスポーツ紙『Marca』は、バスクのクラブの大苦戦ぶりに注目し、「アルグアシル体制の終焉とロベルト・オラベSDの退任を経て、誕生したエリク・ブレトス新SDとフランシスコ新監督による新プロジェクトはまだ軌道に乗っていない」と伝え、彼らが苦境に陥った数々の原因を挙げた。
ひとつ目は、「決定的な違いを生み出さなくなった補強」だ。欧州カップに5シーズン連続出場し、23-24シーズンのCLでは、ベンフィカ、インテル、パリ・サンジェルマンと、堂々と渡り合った。そんなチームには近年、ナチョ・モンレアル、ロビン・ル・ノルマン、マルティン・スビメンディ、ミケル・メリーノ、マルティン・ウーデゴー、アレクサンデル・イサク、アレクサンデル・スルロット、そしてダビド・シルバといったハイレベルな選手が揃っていたが、現チームにはそれが欠けているという点だ。
「近年のソシエダの補強は、明らかに的を外している。サン・セバスティアンで成功した補強は、22年夏の久保建英とブライス・メンデスまでさかのぼらねばならない」と綴る同メディアは、同年からの期待を受けて加入した選手に対して軒並み厳しい評価を下した。
プレー面については、「深刻な得点力不足」を挙げている。「ラ・レアルは近年、内容面でも課題を抱えているが、最も深刻なのは得点力の欠如。これは数年前からの問題だ。22年8月に7750万ユーロ(約137億円)でアレクサンデル・イサクをニューカッスルに売却し、23年6月には経済的理由でアレクサンデル・スルロットを残せなかった。いまのソシエダはミケル・オジャルサバルと、久保、メンデス、アンデル・バレネチェアのわずかな得点に頼る形になっている」 また、「ベテラン勢のパフォーマンス低下」がチームの弱体化に拍車をかけていると主張。かつて高く評価されていたものの、現在はパフォーマンスを落としている選手としてCBのイゴール・スベルディアやSBのホン・アランブルの名を挙げるとともに、「久保、メンデス、スベルディアは、近年のチームを上位に導いた功労者だが、オジャルサバルを除けば、今や安定して違いを作れる選手は少ない。オジャルサバル自身も不調の時期はあるものの、必要な場面では常にチームの中心として顔を出している」と指摘した。
さらに、「カンテラが定着せず、クラブのアイデンティティーが失われつつある」という深刻な問題にも言及。スビメンディ以降、カンテラ(下部組織)出身選手で絶対的レギュラーを掴んだ者はいない。ソシエダは、今夏にスビメンディら5人の「カンテラーノ」が退団した影響で、クラブの『地元らしさ』が失われつつあるのではないかと懸念する声が上がっている」。そして前述の通り、「多額の移籍金をかけて獲得した外部選手たちが、いまだその価値を証明できていない」事実が問題に輪をかけている。
そして、「要塞ではなくなったアノエタ」との表現で挙げられたのは、本拠地レアレ・アレナで勝利から遠ざかっているという事実だ。直近のホームゲーム12試合で勝利はわずか3試合。「クラブ史上最多の3万8000人の会員数(上限に達しているため5000人以上が順番待ち)を誇る熱狂的なファンの士気は下がっている」と同メディアは綴った。
加えて、「クラブがファンとの距離を広げていると感じる人もいる」とも指摘。「練習の完全非公開化や、チームが以前のように(ギプスコア)県内の街を訪問しなくなった件が、その象徴として挙げられる」。クラブの規模が大きくなるにつれて、以前より地元密着の姿勢が弱くなった点も、結果的にチームの背中を押す力も低下したとの見解を示している。
数シーズン前には、理想的なクラブ像として挙げられていたソシエダ。苦境にある彼らが、ここからいかに脱却するのか。そして、そこで久保がいかなる役割を果たすのかも、日本のファンとしては気になるところだ。
構成●THE DIGEST編集部
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