最新エンタメ情報が満載! Merkystyle マーキースタイル
脳トレ四択クイズ | Merkystyle
完璧な大富豪か、夢追う元恋人か――映画『マテリアリスト 結婚の条件』が突きつける“婚活のリアル”【やくみつるのシネマ 小言主義 第298回】

完璧な大富豪か、夢追う元恋人か――映画『マテリアリスト 結婚の条件』が突きつける“婚活のリアル”【やくみつるのシネマ 小言主義 第298回】

Copyright 2025© Adore Rights LLC. All Rights Reserved

【やくみつるのシネマ 小言主義 第298回】『マテリアリスト 結婚の条件』
ニューヨークの結婚相談所で働くルーシー(ダコタ・ジョンソン)は、マッチメーカーとして活躍しているが、彼女自身は仕事一筋の独身を貫いている。そんな彼女の人生が、2人の男性によって揺れ動く。1人はルーシーのクライアントの兄で、投資家のハリー(ペドロ・パスカル)。情熱的なアプローチを受ける。その一方、俳優を目指すも、貧乏生活に耐えられずに破局した、元恋人のジョン(クリス・エヴァンス)。家柄も人柄も学歴も完璧なハリーとの交際に踏み出すルーシーだったが、夢を諦めないジョンへの思いも再燃し、岐路に立たされる。

理想の条件だけでは測れない “結婚相手探し”の難しさ

ラブロマンスだと聞いていたので「なんで自分の担当になったんだ?」と不思議に思ったのですが、見終わってみれば面白かったですねぇ。

婚活を巡る映画なわけですけれど、結婚している人も、もう自分はいいやと思っている人も、あるいは今まさに婚活の最中にある人も、それぞれに何か思い当たる節があって楽しめるのでは。

中には、楽しいどころか、身につまされている人もいるかもしれないですけども…。

舞台はニューヨーク。結婚相談所で“マッチメーカー”として働くルーシーが主人公。ま、昔で言うお見合いおばさんですね。

高望み過ぎだろうと思える登録者の理想や条件を合致させて、ベストパートナーを見つけ出すだけならAIでもできそうですが、彼女は人間力が抜群。

クライアントに寄り添い、たとえダメでも「次に行こう」と励まし、信頼を勝ち取る敏腕の仲人。収入格差も人種の多様さもこちらの比ではないでしょうから、日本も抱えている問題が拡大して見えるという点でも興味深いと思いますね。

【関連】怒りとユーモアが同居する異色作 映画『シンプル・アクシデント/偶然』の巧妙な復讐劇

「もし別の人生を選んでいたら…」誰もが抱える“もうひとつの人生”への想像

自分はというと、結婚して35年、今日に至っているんですけど、成り行きで結婚しちゃって、他に選択肢はなかったのかなと思ったりもするわけです。…と言いつつ、結婚しようかどうしようかという渦中にまた飛び込めるかというと、そんな気後れするようなところには絶対戻りたくない。

「もし結婚していなかったら」、「もし子供がいたら」…と別の人生を想像したところで想像もつきません。想像できないことは「ない」のと同じだと思うのです。

で、ルーシー本人はというと、“マテリアリスト”=物質主義者として、他人も自分も冷静に資産価値を見極められるためか、今も独身。完璧な条件の大富豪と、売れない貧乏役者の元カレとの間で揺れるという話です。

実は、自分の知り合いにいるんですよ、こういう娘が。昔はミュージシャンでしたが、今は占い師に。占い師といっても預言者みたいことをするわけでなく、ほぼカウンセラーですね。

年齢は30代後半。それなりに経験も積んでいるので的確なアドバイスができるらしく、かなり稼いでいます。

そして婚活中。彼女とはメシ友なのでよく進捗を聞かされるのですが、これがまぁ一向に決めきれず、“今どき、これほど?”と思えるハイスペック男を振りまくっています。まさにリアル“マテリアリスト”。

というわけで、本作をその娘っこと一緒に見に行ってみようかと。ルーシーの人生の選択を見て、どういう反応をするか楽しみです。

『マテリアリスト 結婚の条件』
監督:セリーヌ・ソン 出演:ダコタ・ジョンソン、クリス・エヴァンス、ペドロ・パスカル 配給:ハピネットファントム・スタジオ 5月29日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

やくみつる
漫画家。新聞・雑誌に数多くの連載を持つ他、TV等のコメンテーターとしてもマルチに活躍。
配信元: 週刊実話WEB

あなたにおすすめ