
「日本でも公開してほしい」ジーコのドキュメンタリー映画がブラジルで大反響!「これは私の真実を伝える映画だ」【現地発】
ジーコのドキュメンタリー映画「キンチーノのサムライ」が4月30日にブラジル各地で封切られ、話題を集めている。
キンチーノとは、ジーコが生まれ育ったリオ北西部の庶民的な地区の名前だ。6人兄弟の末っ子として生まれ、毎日、家の前の道路で兄や近所の子供たちとボールを蹴った。
14歳で名門フラメンゴのアカデミーに加わり、ひ弱だった身体を鍛えて1971年、18歳でプロ契約を勝ち取る。やがて主力に成長し、セレソンにも選ばれ、78年から3大会連続でW杯に出場。89年に一度は引退したが、91年に住友金属(後の鹿島アントラーズで当時日本サッカーリーグ2部)に加入。以降、鹿島アントラーズの一員として93年に開幕したJリーグで活躍し、94年に41歳で引退するまでの栄光の軌跡を辿る映画だ。
2023年に製作が開始され、以来、約3年にわたってブラジル各地、さらには日本でも撮影。幼少の頃の貴重な画像や映像に始まり、少年時代、若手プロ時代、全盛期、さらには1982年と86年のW杯で優勝を逃した挫折にも触れる。ジーコ本人はもとより、兄弟、妻、3人の息子ら家族が撮影に全面的に協力し、ロナウド、ジュニオールら往年の名選手も特別に出演している。
ジーコ本人は、「これは選手として、また人間としての私の真実を伝える映画だ。ぜひ楽しんでください」と呼びかけている。
フラメンゴは、ファンの総数が4000万人を超えるとされるブラジル随一の超人気クラブだ。
映画館にはフラメンゴとジーコのファンがユニホームを着て詰めかけ、ゴールシーンでは立ち上がって大歓声を上げていた。フラメンゴが1981年にトヨタカップでリバプールを3-0で下してクラブ世界一に輝くなどビッグタイトルを獲得した場面では、嬉し涙を流すファンが少なくなかった。
いくつかの町ではファンが映画館を借り切り、まるでスタジアムのスタンドに座っているかのように大騒ぎしながら映画を楽しんだ。
今後、日本でも公開されるかどうかは未定だが、あるブラジル人ファンは、「映画のタイトルが示すように、ジーコのキャリアと人生は日本と切っても切り離せない。ぜひとも日本でも公開し、大勢の日本人ファンに見てもらいたい」と語っている。
文●沢田啓明
【著者プロフィール】
1986年にブラジル・サンパウロへ移り住み、以後、ブラジルと南米のフットボールを追い続けている。日本のフットボール専門誌、スポーツ紙、一般紙、ウェブサイトなどに寄稿しており、著書に『マラカナンの悲劇』、『情熱のブラジルサッカー』などがある。1955年、山口県出身。
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