5月31日(日)に行われるGGI・日本ダービー(東京・芝2400メートル)で、栄えある「ダービー馬」の称号を手にするのはどの馬か。多くの競馬ファンがまず頭に思い浮かべるのは、GI・皐月賞(中山・芝2000メートル)との連動性だろう。
過去10年を振り返ると、皐月賞で3着以内だった馬のダービー戦績は「1着7回、2着10回、3着6回」と、別路線組を圧倒。ただし、皐月賞馬がダービーを制した例は2020年のコントレイルのみ、という点を見落としてはならない。
各社が公表している単勝予想オッズを見ると、皐月賞1着のロブチェンと同2着のリアライズシリウスに人気が集中している。しかもロブチェンは、1分56秒5のレコード勝ち。やはり両馬の実績を素直に評価すべきなのか。
では、皐月賞のレース内容を検証してみよう。今年は両馬による「行った行った」の決着だった。舞台が直線の長い東京の芝2400メートルに移ることを考えると、距離延長を含めてダービーでの再現性には大きな疑問符がつくのだ。
ならば「3着に追い込んだライヒスアドラーか」と考えたいところだが、レースぶりは中団のやや前から流れ込むように差し脚を伸ばしたもので、印象はイマイチ。そんな中、筆者が注目しているのは、出遅れが響いてほぼ最後方の位置取りから、メンバー最速となる上がり33秒4の鮮烈な追い込みで5着に食い込んだ、フォルテアンジェロだ。
あの「ボールドエンペラー」を彷彿させる存在と「最も未知の魅力に溢れた馬」
ダービーでは「皐月賞で脚を余した馬」が時に波乱を巻き起こす。
例えば1998年のダービーでは皐月賞6着のボールドエンペラーが2着に突っ込んで、大穴馬券の立役者となっている。この時、筆者は1番人気のスペシャルウィークとの馬連1万3100円を1点でゲット。筆者の目には、今年のフォルテアンジェロが「あのボールドエンペラー」を彷彿させる存在に映るのだ。
さらに別路線組に目を転じると、前走のGⅡ・京都新聞杯(京都・芝2200メートル)を含めてデビューから「3戦負けなし」のコンジェスタスも要注意だ。皐月賞組との勝負付けが済んでおらず、まだ底を見せていないという意味でも、別路線組の中では「最も未知の魅力に溢れた馬」と言えるのではないか。
ダービーは日本のホースマンのみならず、一般の競馬ファンにとっても特別な存在である。陽光が降り注ぐ、初夏の東京競馬場。この際、持てる限りの想像力を駆使して、それぞれのストーリーを紡ぎ出そうではないか。
(日高次郎/競馬アナリスト)

