NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』、映画『夜明けのすべて』(日本アカデミー賞優秀主演女優賞)など話題作に出演し、幅広い世代から支持を集める上白石萌音。俳優活動のみならず、音楽活動、ナレーションと多岐にわたって活動している。
そんな上白石が2年半以上にわたり雑誌『MEN'S NON-NO』で連載してきたグルメ企画「Bite! The World 上白石萌音と世界をガブリ!」が、読者の声に応えるかたちで書籍化。東京を中心に出会った28の国と地域の料理を収めたフォトエッセイ集となっている。制作の裏側や作品に込めた思いを語ってくれた。
読書好きだから出版は「夢のような気持ち」
上白石萌音は読書好きとしても知られ、NHK『あさイチ』の読書特集では、本を「買う」のではなく「連れて帰る」と表現したことでも話題を集めた。本に向き合うその言葉遣いに、「本への愛情が伝わる」と共感の声が多く寄せられた。そんな上白石にとって、自著の出版は特別な意味をもつもの。
実際に刷り上がった書籍を手にした心境を問われると、「本が大好きなので、自分の名前が載った本が出版されるというのはこの上ない喜びで、夢を見ているような気持ちです。すごく誇らしい」と率直な喜びをにじませた。
「連載は毎回本当に楽しくて、素敵なチームでいろんな料理を囲んできました。この一冊は私にとって卒業アルバムのような存在。ページを開くたびに、そのときの記憶や空気感までよみがえってくる。今日は一緒に連載をつくったスタッフのみなさんが集まっているので、この後みなさんにサインをしてもらおうと思っています」と語り、作品が自身の歩みを刻んだ大切な記録であることを強調した。
撮影の日は朝食を抜いて臨んでいたといい、「毎回撮影が楽しみで、お腹をペコペコにしてお店に入り、思いきり食べて、帰ったらそのまま眠る。これを仕事といっていいのか迷うくらい幸せな時間でした」と笑顔で振り返る。
さらに、「どのお店も温かく迎えてくださって、洋服を提供してくださったブランドの方々も含め、本当にたくさんの方の力で成り立った企画です」と、関係者への感謝も口にした。
グルメレポートから内面の描写へ
本書はグルメガイドとしての側面も持ち、料理ひとつひとつに上白石の生き生きとした感想が綴られている。一方で、食体験にひもづくエッセイも大きな魅力のひとつだ。各回400字という制限の中で書き続けたことについては、苦労もあったという。
「毎回、書きたいことがあふれてしまって、それを削っていく作業がとても難しかった」と振り返る。いっぽうで、「新しい体験を言葉にすることで、考える筋肉が鍛えられた感じがしています」とも話す。
悩みすぎて締め切り当日に滑り込むことも多かったというが、「こうして無事に一冊にまとまって、達成感に包まれています」と顔をほころばせた。
そうして書き上げた本書の見どころについて聞かれると、「連載当初はグルメレポートのような感じで書いていたのですが、回を重ねるごとに少しずつ内面的な内容に変化していきました。この一冊を通して読むことで、“このあたりから筆が乗っているな”といった変化も感じてもらえるのではないかと思います」とコメント。
さらに、筆が進む瞬間については「食体験と記憶が結びついて、意外な出来事を思い出したときや、お店で知らなかった文化に触れて、世界が広がったと感じたときは、書きたいことが一気にあふれてきました」と説明した。

