自宅の庭でバーベキューをするのはマナー違反なのか。住宅街でのバーベキューをめぐり、SNS上で賛否が広がっている。
「クソ狭い敷地の住宅地でバーベキューするなよ」
議論のきっかけとなったのは、一般ユーザーによる5月の投稿だ。投稿は、住宅街にある一軒家の住人が自宅の敷地内でバーベキューをしていたことに加え、路上に車を停めていたことを「迷惑」だと訴える内容だった。
投稿者は、バーベキューの臭いが家に入ってくるため窓を開けられず、洗濯物も取り込まなければならなくなったと主張。さらに騒音もあったとして、「ほんま迷惑」「クソ狭い敷地の住宅地でバーベキューするなよ」といった趣旨の言葉とともに、その自宅の写真を添えて投稿した。(投稿は現在削除済み)
この投稿をきっかけに、SNS上ではさまざまな意見があがった。主な争点となったのは、騒音、路上駐車、そして自宅敷地内でのバーベキューをする行為そのものだ。
騒音については、「うるさいのは嫌だ」という前提はありつつも、昼間にバーベキューをしていて、話し声が多少大きくなる程度であれば許容範囲ではないか、という声もあった。
路上駐車については、比較的厳しい意見が目立った。自宅の敷地内で何をするかとは別に、来客の車が道路にはみ出したり、通行の妨げになったりするのであれば問題だという指摘だ。
そして、もっとも大きく意見が割れたのは、バーベキューをすることそのものだ。SNS上では次のような声があがっていた。
「全然いいよたまになら。路駐がちょっと邪魔なのは100歩譲って分かるけど、自分の敷地内でBBQしただけでガタガタ抜かすのはソイツがおかしい」
「頻度が高くなければ全く気にならんな。親戚とか、友人同士の集まりなんだろうし。少なくとも晒すレベルな訳がない」
「夜遅くまで騒いでたらダメだけど昼ならいいでしょ」
「住宅街では迷惑だと思いますよ。炭を使えば匂いや油がそれなり飛びます」
近隣迷惑とされる行為に対して、SNS上では厳しい声が集まりやすいが、バーベキューをめぐっては、「この程度なら許容範囲」とする声も少なくなかった。
自宅でバーベキューをしていた男性が刺殺された事件
しかし2017年には岐阜県瑞浪市で、自宅の庭先で家族とバーベキューをしていた男性が、近隣住民に刺殺される事件も起きている。このときも、「この程度で?」という意見や、「怒る気持ちもわかる」という意見がそれぞれあがっていた。
近隣トラブルは、当事者にとっては「たかが」と思える出来事でも、相手にとっては日々の不満の積み重ねになっていることがある。
ではそもそも、自宅の庭や敷地内でのバーベキューは、法的にはどこまで許されているのか。また、迷惑だと感じた側が、写真や動画をSNSに投稿して「さらす」ことにはどのような危険性があるのか。
ゆら総合法律事務所の阿部由羅弁護士に聞いた。
「自宅の敷地内(庭など)でバーベキューをすること自体は、その敷地を使用する権利(所有権や借地権など)の範囲内と考えられるので、基本的には問題ありません」
ただし、どんな状況でも自由にできるわけではない。
「バーベキューによって生じる煙や臭い、参加者が大声でしゃべることによる騒音などが、近隣住民にとって耐えがたいものである場合は、不法行為に基づく損害賠償責任が生じることがあります」
ポイントになるのは、「社会通念上、我慢すべき範囲」を超えているかどうかだ。
「バーベキューによる煙・臭い・騒音などが不法行為に当たるかどうかは、被害の程度や頻度などに照らして『社会通念上我慢すべきかどうか』を基準に判断されます。いわゆる『受忍限度論』です」
つまり、たまの休日に短時間行なう程度であれば、ただちに違法と評価される可能性は高くない。一方で、煙や臭いが強く、近隣住民が窓を開けられなかったり、洗濯物に臭いがついたりする状況が繰り返される場合や、深夜まで騒ぐような場合には、法的責任が生じる可能性がある。
また、来客の車を路上に駐車する場合には、バーベキューそのものとは別に、道路交通法上の問題も生じる。
では、迷惑に感じた近隣住民はどう対応すべきなのか。

