・デメルのザッハトルテと比べると…
では、ザッハトルテでその名を知られる「デメル」と比べると、どんな違いが見えてくるだろうか? その足で高島屋新宿店に行って、ザッハトルテを購入して帰った。
看板商品のザッハトルテは1個税込896円。こちらもかなりのお値段。名店だけに高級洋菓子といって間違いないだろう。実際、その見た目は芸術品。
表面のチョコレートは艶やかで陶器のようにさえ見える。
周囲には継ぎ目が見えず、パティシエの技術の高さがうかがえる。凹凸(おうとつ)すら見当たらないので、正直ルノアールのよりもこちらの方が格上と言わざるを得ない。さすが専門店だ。
分厚い表面のチョコレートにフォークを刺して半割にしてみよう。
こちらはアプリコットジャムを使用している。ルノアールのラズベリーは酸味の主張を感じるのに対して、アプリコットジャムは甘味と果実味が強く、比べるとこちらの方がより華やかに感じる。
それからスポンジ層にはジャムを挟まずに、スポンジの上と周囲にジャムを忍ばせている。これによって、ジャムの甘さをダイレクトに感じることができ、チョコとジャム、それぞれの味が引き立っている。
ルノアールはチョコとジャム、スポンジの味の一体感を。デメルはチョコとジャム、スポンジ、それぞれの味を楽しむタイプと考えて良いだろう。
あえて上下をつけるとすれば、デメルの方が圧倒的に美味しい。有名洋菓子店と喫茶チェーンの格の違いは明らかで、『鬼滅の刃』の鬼で例えるなら、ルノアールは下弦の壱(魘夢(えんむ))くらいで、デメルは上弦・参(猗窩座(あかざ))くらい力の開きがある。
しかしながら、ルノアールはお店の雰囲気やサービスも込みでこの値段なので、それらを踏まえると妥当。むしろザッハトルテだけを考えると安いくらいかもしれない。またスペシャリティ・チョコレートを使っている点も十分に評価できる。
いずれにしても、まだルノアールのザッハトルテを食べたことがないという方は一度試して頂きたい。そのクオリティの高さに驚かされるはずだ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 喫茶室ルノアール 新宿中央東口店
住所 東京都新宿区新宿3丁目28-13 B1
時間 8:00~22:00
