光熱費が上がれば、製造費や輸送費を押し上げてしまうだけにさらなる物価上昇は必至。もはや、昭和から続く「大量生産・大量消費」は時代に合わないサイクルなのかもしれない。そこで参考にしたいのが、幸福度9年連続世界1位のフィンランドの消費スタイルだ。
「手厚い社会保障を支えるために高い税金を課せられているので、物価は日本の約1.5倍と言われています。そのため、衣類や家具を中心に割安な中古品を購入する人が少なくありません。環境配慮の意識も強いのでしょう。不要になったら再びセカンドマーケットに売却して循環させるシステムが確立されています。街のリサイクルショップはいつもお客で賑わっているようです」(荻原氏)
北欧のサステナブル精神は食費の節約にも役立つ。デンマーク発祥の「Too Good To Go」というフードシェアリングサービスは、飲食店や小売店の廃棄前商品と消費者をつなぐ優れものだ。
最新の節約事情に詳しいライターの和田虫象氏が語る。
「今年1月に日本にも上陸しました。専用のスマートフォンアプリを通して、廃棄前のパンや惣菜などを定価の半額で購入できます。例えば、『ローソン』のデザート詰め合わせ1000円相当が500円、カレーチェーン『もうやんカレー』のカレー弁当1200円相当が600円と、どれも手ごろな価格帯です。アプリのGPS検索を使えば現在地から近場の店舗は一目瞭然。夕方の仕事帰りに、翌日の朝食を調達するのに重宝しています」
もっとも、日本国内のサービス実施店舗は現在首都圏のみ。全国に広がるのを心待ちにしよう。
食費を抑える知恵は新興国の南アフリカにも一日の長がある。こちらは「ストックベル」というシェア文化でお得に買い物をしているという。
「仲間内で毎月一定額をためて、まとまったお金で買ったものを全員でシェアしています。牛を一頭買いしたり、缶詰や食用油を卸売業者から大量購入したりと食品から日用品に至るまでをコミュニティでシェアしているようです」(大手旅行代理店関係者)
なるほど、食品においては「まとめ買い」と「シェア」の組み合わせはコスパが高いらしい。荻原氏が日本版の「ストックベル」を提唱する。
「日常的に、友人や家族2〜3世帯で連携して『コストコ』や『業務スーパー』で買い出しをするようにしましょう。いずれも、卸売のスタイルを採用しているので、大量購入で食料品や日用品を割安で手に入れることができます。シェアするのを前提に購入すれば、食材のバリエーションも増やせる。出費を抑えながら食卓の彩りを華やかにできます」

