「シール帳」の次は「お菓子帳」? クリアファイルなどに好きな小分けのお菓子を貼り、見たり食べたりして楽しむ「お菓子帳」がじわじわとブームだ。お菓子が入手できれば誰でも楽しめるという気軽さもあり、SNSでも「お菓子帳を作ってみた」という投稿が多く見られる。小学生を中心に“推しのお菓子をコレクションする遊び”として広がり、多様な楽しみ方が人気を集めている。その人気の秘密について老舗菓子メーカーに話を聞いた。
シール帳の次は「お菓子帳」? 幅広い層に人気の秘密とは
「お菓子帳作ってみた。チビたち大喜び」
「インスタで見かけたお菓子帳を作ってみた。予想以上に子供たちがどハマり」
「シールには全く興味なしな息子たちもこれには大興奮でした」
カラフルなお菓子を並べた「お菓子帳」がSNSで話題だ。
お菓子帳とは、クリアファイルなどに好きな小分けのお菓子を両面テープなどで貼り、見たり食べたり、交換したりして楽しむもので、2025年末頃からSNSでの投稿が増え始めた。
「シール帳には興味を示さなかった息子が喜んだ」「大人も楽しめる」といった声も多く、幅広い層が楽しめる点も特徴といえそうだ。
背景にあるのが、ここ数年で小学生を中心に広がった「シール帳」ブームだ。いまでは「シール交換カフェ」が誕生するほどその人気は拡大している。
原宿の「シール交換カフェ」で働くAさんは、現在のシールブームについてこう話す。
「お客様同士でシール交換することができる『シール交換カフェ』として営業しています。最近はボンボンドロップシール、うるちゅる、プチドロップあたりが相変わらず人気です。ちょうど最近ボンボンドロップの新作が発売になり、シール好きの人たちは欲しがっています」
一方で「お菓子帳」ブームについて、Aさんは慎重な見方を示す。
「お菓子帳に関しては、私自身含め、子どもの周りもお客様も持っている子に遭遇したことがありません。SNS上で見かけたことがある程度です。
お菓子帳は大きさもありますし画像や動画としての見栄えはするものの、現実的にお菓子帳の交換が本当にされているのか…。もしされていたとしても(衛生面やアレルギーなどの問題もあり)リスクが高い遊びだなと思います」
「オリジナルのお菓子図鑑を作る感覚が楽しめます」
では、菓子メーカー側はこのブームをどう見ているのか。
かりんとうなどを製造販売する老舗菓子メーカー「東京カリント」のSNS担当者は、お菓子帳の広がりの背景をこう分析する。
「昨年末頃からSNSで話題になり、今年の1月には、シール帳の動画を投稿しているインフルエンサーの方が『お菓子BOOK』『お菓子ノート』として制作動画を投稿されています。
シール帳が大流行し、人気のシールだけでなく、シール帳自体や中に綴じるリフィルまでもが品薄になっていた最中でした。
2月には流通・マーケティング専門紙で大きく紹介され、その後テレビ各局や芸能人のYouTube等でも目にすることが急激に増えてきたとみています」
その魅力と楽しみ方について、同担当者はこう語る。
「お菓子帳はネクスト『シール帳』と言われ、シール帳のように自分のお気に入りのお菓子を集め、ファイルにまとめて楽しむ新たなお菓子の楽しみ方です。
好きなお菓子を開封せずファイルに両面テープで貼りつけていくと、オリジナルのお菓子図鑑を作る感覚が楽しめます。
レイアウトを工夫し、シールやマスキングテープでデコることで、作って楽しい、眺めて楽しい、食べておいしい1冊ができあがります。
お菓子帳を持ち寄って友だちとシール交換のようにお菓子を交換しあい、コミュニケーションを深めるツールにもなっているようです」
こうした盛り上がりを受け、東京カリントをはじめとする複数の菓子メーカーのSNS担当者らが交流する「おかしな会」でも、お菓子帳づくりに挑戦した。
「『おかしな会』は2024年5月から開催している菓子製造企業のXの『中の人』の交流会です。年に2回、飲料メーカー1社を含めた数社で集まり、各社の商品を持ち寄って試食しあったり、各社の商品をきれいに並べて撮影し、その様子を各社のXで発信しています。
3月に開催した会では7社が集まり、試食と情報交換を行いながら、全員で協力してお菓子帳の制作にも挑戦しました」
実際に作ってみて感じたのは、「気軽さ」と「制作過程の楽しさ」だったという。
「100円ショップで手に入る文具を使って気軽に作ることができる点が良いと思いました。また、予算に合わせて好きなお菓子を少しずつ貼っていくことで完成までの過程を楽しめる点が、年代を問わず誰にでも楽しめそうだとも感じました。実際、『おかしな会』での制作中は私たち大人が仕事を忘れて楽しんでいましたので(笑)」

