大切な人との別れに直面したとき…
――大切な人との別れに直面したとき、どのように向き合えばいいと思われますか?
別れには、どうしても寂しさや喪失感が伴います。でも私は、「亡くなったら終わり」とはあまり思っていないんです。形を変えても、心の中でずっとつながっているように感じています。
父は満州で生まれ、5歳で終戦を迎え、祖父と共に最後の引き揚げ船で日本に戻ってきました。もしその過程で、祖母や赤ちゃんだった叔母のように日本へ帰れず、病に倒れていたら、私は今ここにいないわけで……。そう考えると、命のつながりの尊さを強く感じます。両親、そして先祖あっての自分なのですよね。
――そうしたご経験が、今の考え方にもつながっているんですね。
はい。先人たちが命をつないできてくれたからこそ、今の自分がある。そう思うと、亡くなった方とのご縁も、決して途切れるものではないと私は感じています。だから喪失感の中にいる方にも、「姿は見えなくても、きっと心の中でつながっている」とお伝えしたいんです。
――今でもお父様を身近に感じる瞬間は多いのでしょうか?
そうですね。父は若い頃からジャガイモが大好物で、我が家の食卓には必ずと言っていいほどジャガイモ料理が何種類か並んでいたんです。今日もふかし芋をお供えしてきたんですが、ジャガイモを見ると自然と父のことを思い出しますね。
『お終活3』でも描かれているように、思い出や記憶って、亡くなったあとにより深く心に根付いていくものなんですね。何気ない言葉や生き方、一緒に過ごした時間が、自分の中で温かく生き続けていく。だから「別れ」というよりも、それらを大切な記憶として受け取っていくことが大事だと思います。
――お父様から受け継いだものについて、改めて感じることはありますか?
数えきれないほどありますが、やはり一番大きなものは“プロフェッショナルな仕事人”としての姿勢、そして“タフさ”ですね。どんなときでも前を向いて生きる力は、父から受け継いだものだと感じています。
#後編「藤原紀香が語る終活への価値観の変化と、“人生の後半を楽しむ”という生き方」へつづく
取材・文/木下未希 撮影/三浦龍司
Dress:TADASHI SHOJI(タダシ ショージ)
Jewelry:RUBIDA(ルビーダ)

