教師になって2ヶ月、限界だった私
4月から新任教師として高校に着任しました。担当は1年生の国語と、文芸部の顧問。授業の準備に毎晩遅くまでかかり、生徒対応や保護者からの電話で休日もつぶれていきました。
ある日、担任クラスの生徒から「先生の授業、わかりにくい」と言われ、保護者からも「うちの子が国語を嫌いになった」と苦情の電話が入りました。教室で挨拶しても返事は薄く、自分は教師に向いていないのではないかと、毎晩布団の中で考えるようになっていたのです。
それでも教材は作らないといけない。授業は明日も来る。そんな日々の終わりに、職員室で気がつくと夜の11時近くになっていました。
「もう辞めたいです」と漏らした夜
机の上に広がる赤ペン入りの答案用紙を見つめたまま、涙が落ちていました。誰もいないと思っていた職員室に、ベテランの先生がコーヒーを淹れに戻ってきていたのです。
「先生、まだいたの」声をかけてくれた先輩の顔を見たら、もう堪えきれませんでした。
「先生、もう辞めたいです」
自分でも驚くくらい、子どもみたいな言い方で口から出てしまいました。
先輩は驚いた様子もなく、私の隣の椅子にそっと腰を下ろしました。何かを言うわけでもなく、しばらく自分のマグカップを見つめていた先輩は、やがて机の引き出しから一枚の折りたたまれた紙を取り出したのです。
